第19話 力のダンジョン1

不意に景色が変わり手元が寂しくなる


少し離れたところにさっきの羊が


「居た 待って・・」


羊は気にした風でもなく


通路の突き当りまで行くと


さっさと角を曲がったみたいで


姿が見えなくなった





「いけない!助けなきゃ」


お前がだよ!と言いたい気持ちにはなるが


どこまでも能天気なゴルゴダであった





立ち上がろうとした瞬間


『ピコーン魂の再燃を確認しました』


『運命の輪を獲得し輪舞が使用可能になりました』


『使用いたしますかY/N』





パニックになったゴルゴダは咄嗟に手の平で右手を覆う


無駄無駄無駄無駄と言うように手の甲を突き抜けて


目の前に淡く光る緑の文字でY/Nと表示される


恐る恐るNのマークに指 を触れる





『ブッブー』


大音量で響いた音に


「むっ 無理 無理ですから」


もはや反泣きであるが早く追いかけたいのである


女は度胸!と無理やり気合を入れてYに触れた


最初からそうしとけとも思うのだが・・・


淡い緑の光の膜に頭からふわりと包まれる


第三者目線から見れば


頭から水をぶっかけられたようなだが


『憑依継承致しましたロンドと申します』


『以後よろしくお願いします』


うわっなんか取り憑かれたっ


出てってくれないかなぁ。。。


「契約の無効です 無理です」


『発声は必要ありません』


『取り憑いたりはしませんが』


『マスターの思考と身体状態は』


『頭の先からつま先まで全ての情報を把握できますので』


『申し訳ないのですが時間がないので』


『ステータスオープンと思い描いてくれますでしょうか?』


『声に出す必要はありませんので』





わ わかってるわよそんな事


ステータスオープン


何も変わらないですけど・・・


『失礼しました』


『では現状把握と』


『げんじょう は あ く』





ふぁ?馬鹿にして!!


げんじょう は あ く!


『承知致しました ピコーン』





名前  ゴルゴダ


種族 精霊


職業 鍛冶師





HP 416


MP 123





攻撃 2


防御 9


魔攻 15


魔防 1


器用 19


知識 10


賢さ 1


運  1000


保有スキル


契約 無限育成 鑑定 剣術


固有スキル


『俊足の精霊』『憑依継承』『輪舞』





なっ何これっ


「何なのよ」


「説明しなさいよ!」





『鑑定や魔法は』


『強く正確にイメージする事が大切なので』


ちがっそーじゃなくて


種族精霊って


『あっそこですか』


『真実ですので』


『今の貴方は人族と言えますか?』





そりゃ心臓無くても生きてるけど・・


『そういうことです〔御父様と御母様について聞かれなくてよかった~〕』


『それでは収納と念じてください』


鍛冶ってそんなスキル無いみたいだけど・・


『〔話が噛み合いませんね・・〕収納というスキルはありません』


『鍛冶は今は使えませんので収納と』


・・・・ 収納





ギィ・バタン


なんか音がして袋の中身が半透明になって見えた





清貧の水瓶 枯れることのない水瓶


〔西 水 愛 節制の加護〕


誠実の手袋 無条件の尊敬を得られる


〔オウインスパイアリングの副効果インスパイアと正義の加護〕


ルーン   刻印による投擲


〔炎 雷撃 知性 慎重などの加護魔導剣〕


勇気の壷  マナの壷のレプリカ


〔生命力 勇気の加護ルーンの鞘〕


オウインスパイアリング 


七つの効果


招来する 霊感を与える 鼓舞する 


風の伊吹 王印 激励する 知識





慈悲のゴブレット 無条件の癒し


〔ザドキエルによって遣わされたアロンともモルダ葉とも言われる緑の器〕


献身のローブ   救済と身代わり


〔ヘレナ様に捧げられた生贄(英雄)の魂か宿る〕


純潔のサンダル  純白の編上げ靴


〔メタトロンがサイダルフォンからもらった貞操の証〕


六色の珠


薬草袋


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





なんかいっぱい ある・・


「あの 鼓舞と激励って」


『違いますっ!!』


はぁ・・


これどうしたらいいでしょうか?





『失礼 装着と念じればいいのです』


『サービスで今回はもう身につけています』


袋・・収納の中にあるんじゃないの?


『死亡時に回収の手間がないように登録もしてると言うことです』





死なないんじゃ・・


『今からチュートリアル力のダンジョンを開始します』


ちゅーってあの心の準備が


と顔を真っ赤にしてわたわたしだす





はぁ?何言ってるんですか?とロンドは思ったが


『キスではなく初心者講習ですよ』


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る