第14話 アカシアと泉と悪巧み

アカシヤさんは暴走してた


それはもうはじめて感じる自由と


全能感に打ち震えていた


箱の中のお掃除しなくちゃ


翼を使い軽やかに箱の中に舞い降りると


「セキュア」


小さく呟くと


左手にオルゴールのような形の木の箱が


心臓を収めると蓋を閉め


足元に置く


羽を三枚抜くとリボンが伸び


根元でまとめると


テキパキと掃き清め


壷を立て


折れた槍の持ち手部分を掴むと


するするとリボンが巻きつき


魔法少女の杖・・・


バトンのような長さに落ち着き


発光し白くなった


くるくると回すと光が溢れ


半透明の板が腰の位置


肩の広さに一枚ずつ


手の平を乗せると


緑に光り


ネオンのように発光し


指でなぞり


離し胸の前で指が複雑な動きをすると


目の前に文字や図形が浮かんでは消えた


一度箱全体が半透明になると


中庭の中央部にログハウスくらいの二階建て


地下一階の枠が現れ音もなく実体化すると


倒れていたゴルゴダや子犬


散らばって落ちていた物が建物の床の上に乗っていた


アカシアの右腕の一本のリボンを解くと


右手の手袋になりゴルゴダの衣服を脱がせると


体を拭き清め


壷の上で絞り蓋をした


子犬は置物のように動かない


地下に降りると泉があり


白い洗面台のようなものに水を汲み上げ


布を浸す


上の階に戻り収納をいくつか作り


手袋越しなら弾かれないのを確認すると


杖から葉と実を収穫


収納に入れていく


本の一冊は回収し


折れた槍の刃の部分


僅かに残った持ち手部分に先ほどの羽と


左腕の一番下のリボンを解き結びつける


すると黒く羽のような持ち手になり


刀身は一回り大きくなり


丸みを帯びて一回り大きくなった


心臓を収めた箱を仕舞うと


セキュアから黒いフード付きローブを取り出し


ゴルゴダに着せた


再び時間が動き出す

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