第13話 諧謔曲終わりと始まり

流れた血は羽織物を染め


腕を伝い






葉を濡らす


槍の穂先だったグラディウスを落とすと


倒れこみ


手に巻きつけていた


モルダ葉と言うらしいアーティファクトに


血溜まりが出来ていく


辰砂の中から髪ヴァーミリオンの色の蛇が2匹


一匹は葉の中へ


一匹は砂の中へ


水の中から銀色の髪のような


糸のようなものが伸び


葉の上で8角形になり


血と砂と淡く光る水が表面を覆い


やがてそれは胸の傷口に収まり


何も無かったように傷口を塞いだ





体に暖かい物を感じゴルゴダは目を開け


起き上がろうとした


手首に巻きつけた葉が杖に触れると


緑色の蔓が巻きつき


葉が開き


花が咲き


実がなった


砂の中に数滴血が垂れ


丸い宝石のような物がいくつか出来た


それらを拾い袋につめた


袋にポケットのような収納スペースが出来ていたので


砂も詰めた





ゴルゴダは立ち上がると言い放った


「人殺し」








「私しは殺してなどいませんよ」


信じられないことに私の心臓は


相手の手の中で動いてた


っていうか喋った?





======================





「驚かせてすみません」


「わたしはアカシアと申します」


「ゴルゴダさんの穢れを調べるため心臓を秤にかけて調べる為に」


「お借りしたのですが・・・」


「かなり穢れが有る様なので」


「しばらくお預かりしますね」





『箱の外でよかった~、幾つもの遺物が契約状態になってるようですから、処理してしまっては駄目っぽいですしどうしましょう、でもこれべつに敵性者の体液と同じ匂いだから殺っちゃったとかそういうんじゃ無いですしアカシヤの記録を学習するはずがバグで永遠と悪夢見てたとか睡眠学習とか何時の時代の話ですかとか微妙に紛い物が混じってたんじゃとか構成力不足でケ・・ムじゃなくてグリフォ・になったとかテ・シに女性はいませんとか・・あ・・わたしは性別なか・・無かったはずなのにバインバインになってます・・・これ守護者的にスフィン・・んーなり損ねたのは祝ふ・・呪・・のせいとか・うみゅ』





アカシヤさんの脳内ではこのようにぐるぐると言い訳じみた考えが巡っていました





長い沈黙の後





「とにかく体も無事なようですし」


「杖を返してください」


「それとあなたが羽織ってる布は」


「私の半身の物のようですし」


「返還を希望します」


言い終わると杖に手を触れようとして


バチっと音がして同時に


((いったーい))





アカシアは尻もちをつき


ゴルゴダは気絶した

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