第7話 ワールド 世界の真実

一方その頃箱の中では別の戦いが繰り広げられていた





アカシアで出来た箱の中


その中央には15歳くらいの少女


眩いばかりの輝きを帯び


腰まで伸びたその髪は


その先端まで瑞々しく


生命力を感じることができ


白く美しい柔肌と


滑らかなボディーライン


所々未発達で残念な感じがするものの


一糸纏わぬその姿は神々しくもあった


頭の下には鷲の羽の枕


左手の下にはクジラウシ目系の頭蓋骨


その横にはアロンと呼ばれる刺のある杖が


右手の下には槍が


足の下には金の壺が


枕元には二冊の本が


その上には葉脈が美しい一枚の葉が


ペンダントのように加工されて置いてありました


深みのあるその色は魔力と生命力を感じさせ


只々静かな空間でした。





「うーん 残念じゃない・・・むにゃむにゃ」





ゴルゴダは目覚めの時を迎えていた


うん これ中からしか開かないからね





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一方その頃フリードは戦いの様子を


研究所で見ていた


砦の塔に木飾瑠、岩砂流という魔道具があり


番の水晶で見たり聴いたりできるからである





「我気高き赤き盾に願い奉る顕現せよ術式カゴメ」


ヴァーミリオンの術式展開を見て


考察していた


「なんと かごめじゃと」


高速で頭を回転させる


「確か・・守る硬く取り出せ代わる水を貯めじゃったかの」


それは300年前


中の物を守るため眠ってもらった


時間は無く予言は絶対だった


迷いの森


かつてこの場所はガリアと呼ばれた大陸であった、


森の表層には動物達が、中層にはエルフが、


下層にはダークエルフの世界があったという、


森の東南部に人族の世界が、北に魔族が西に獣族が繁栄し、


森を挟んで多元構造になっており


間には大きな海があった


互いの存在を知らずに平和に暮らしていた。





そうあの時までは


かのゴールの民は為すすべもなく水没した





「そもそも地上だと思ってるのは大きな木の枝の上じゃからの」


雲の上世界の果ては海の果て落ちれば死ぬ


森は攻略できぬはずじゃったが


結界や仕掛けが見えるものがいた


やがて人はエルフを奴隷にし


探索の手を広げた


森に迷い込んだ獣族を殺し喰らい


あまつさえ愛玩物にし尊厳を踏みにじった





魔族とは直接接触がなかったんじゃが


森にいる動物たちや魔力が強いところの


瘴気を吸い込んだ魔獣たちは


狩り尽くされ


森を焼き


破壊し


非道を尽くす


人族は野蛮で救いようがなかった


なので隠したこの者に教育を施し


開けてみたその時に


最後の希望か


最後の審判か


もう一度だけ


すべての種族が仲良くできるか





「楽園計画一冊はそのマニュアルじゃ」


「何もせず見てるだけじゃがの」

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