第6話 紅き聖夜に

赤き門・・・


色の感じだと火に関係してそうだからぁ


丙だとしてぇ


開くまでなんだかわからないとかぁ


死門だとこっちから行けないしぃ





などと多少うろたえながらも考えていた





盤の模様わっと・・・


赤 火 杯?


盃かなぁ・・・





供物は血かなぁ。。。





「クリエイト・シープ 生命創造」





ちょっとハズカシイからぁ


ぼそぼそっと呪文を唱え


小指の先に針の先ほどの傷をつけ


盤上の百騎の1体に血を1滴垂らすと


どこからともなく「メェー」と泣き声が聞こえ


ホッと胸を撫で下ろす


元の百騎さんのステータスが高いせいか


三十は超える数の


黒い羊・・・


あれっ?


巻いてない・・・


何がって


角が!!


いあ


あ・れ・は!羊に違いないぃ


たぶん・・・





「ヤ・・ じゃぁなくてぇ」


「羊さんの群れは門の前で待機でぇす」


軽くドヤ顔して拳を胸の前に置くが


内心はよしじゃなくてぇと半泣きである





残りの百騎さんは突撃車座などと


本人は戦ってもいないのに


息絶え絶えで


声に出さずに黙々と駒を動かしていた





そこは以心伝心で


門の前以外の6方向から


まるで絞り金のように円を描くように


回り込んでいく


距離にして2メートル


正確に円になった瞬間に攻撃ではなく


周りを回り始める





声高らかにヴァーミリオンは告げる


「我気高き赤き盾に願い奉る顕現せよ術式カゴメ」





術式とは文様術や形式魔法の総称で


媒体を使って何かをする


この場合は捕縛術式なのだが


ちなみに召還では主に星型の図形を使う





これで持ち駒は百騎さんが1人とぉ


銀蛇ちゃんが3匹


あと・・ ひつじ?・・


がぁいっぱい





「銀蛇ちゃぁんやっちゃってぇ」


羊たちが噛み付かれ


巻きつかれ


締め付けられ


「メェー メエー メェ~」


阿鼻叫喚地獄絵図であるが


よく聞くと


「あぁぁあー」や


「おぉぉぉぉ」なんて・・


えっとぉ。。。





血がシャボン玉のように宙に浮き


赤き門に吸い込まれていった





やがてすべての贄が捧げられた時


扉が厳かに開いた


ちょっとだけ


中から人影?が見え


出てきたのはラットマン


しばらくぼーっとした後


仲間を呼ぶべく息を大きく吸って


「殺っちゃって「クチ・・」早く」


「あぶなかったぁ」


「ぎりぎりセーフぎりぎりセーフだから」


じーっと凝視してたら


中から静かに前足が出てきたのは


赤き豹的な何か


見た目は馬みたいに大きな


ヘルキャットかなぁ


身に纏まとう炎がぁ


どう見ても聖属性っぽいんだよねぇ


眷族っぽい猫ちゃん


ぞろぞろ連れてるしぃ





これゎ驚愕の聖アビスゲートかなぁ


うーん厳しいかなぁ


おうちーかえるぅー


ヴァーミリオンは内心そう思いつつ


ちらっと銀蛇達に視線を向けると


嫌そうにしてたので指示を出す





「眷族融合」


三匹の銀蛇が縄のように絡まりあい


やがて頭が3つの1本の蛇になり


豹っぽい何かに襲い掛かる


炎に触れた鱗は剥がれ一瞬溶けるが


次の瞬間には元に戻っていた


難なく豹っぽい獣を倒すと


猫っぽい眷族たちを蹂躙していった





赤より紅い血溜りが門の中に吸い込まれ


血と肉は蛇に飲み込まれ


2メートル程に伸び首はやがて9本に増えていた





そこで扉に異変が起こり


中から唸り声と共に漆黒の右足と尖った耳が





「キタ!ケルベロスならゲーツオブハデスの目ものこってるぅ」


なんて思っていた時がありました





バーンと開かれた扉から現れたのは


双頭のオルトロスのようだけどぉ


左半分が真っ白ってまさか・・・


なんかぁ・・


亜種キタの?


キタの?


喜んでいいの?





チラッ


あっ 銀蛇目逸らした


こっち見んなって感じを醸し出してる


そっかぁ


ちょっと見た目が変わったくらいで


まぁいいや





諦めてこれで行くねぇ





「Negateニゲート」


「オルトロスさぁんあっちの白いの倒したら帰してあげまぁす」





オルトロスさん行きましたね


そろそろ真面目に

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