第5話

御寝所


「良いのですかあのような貴重なもの」


目の前には玄

黒竜王の逆鱗

一枚しかない物を宝玉にして

普通はドロップ型の

ペンダントヘッドか

今回みたいに丸くして

指輪にし番に渡し

身に着けてもらう


相手に何かあれば伝わり

次元を超えて顕現する


自分の物ではないし

僕はここから出られないから

まあいいんじゃない


他にもいろいろ入っているけど

守る為だから仕方ない

妖狐さんも気がつかないんじゃないかな

九本目見えないし気配も無いから

今迄道理じゃないかな


『五虎はどうしてる?』


変化あった?


くろさんは知らないらしい

あの子の事そんなに大事?

聞かれたから控えめに言って

愛していると言ったら

くろさん機嫌が悪くなった


僕ね今は実体の無い

幻みたいな物なんだから

受肉手伝ってくれたら

お礼をするよ


何でも?って聞かれたけど

まあいいや


御神木から神藤新藤・・

エラー

御伽音木

仮名

・・・・・・

紫式部

自動書記

新話創作

言祝 ことはぎ

呪い まじない


うーん失敗かも

清少納言でも探してみるか

ピコーン

紫式部が仲間になりたそうな顔で見ている


一瞥して立ち去ろうとした


ピコーン

紫式部が嘆願する様な目で見つめている


条件は何かな?


『小野篁様にもう一度お会いしたい』


僕を前にして男に会いたいだと

何という破廉恥

何と言うピンク脳だ


慌てて考察致したるところ

馬頭様と旧知の上で

閻魔様とお会いするのに障害が


等と言われ閻魔とも旧知の間柄だ!よ!

問題はあっちの人が

孤高の人気取って

誰とも仲良くしてなかったのに

最近誰かさんに加担して

閻魔とは種族的敵対してるっぽい

僕には一切関わり無いと

代弁者立てたいも

動ける人がいないんだよ!!


じゃあたかむらさんで

いいじゃないですか


まあいいか

君には編纂してもらいたい事がある

童話御伽噺の類でいいから

頑張って書く事

中の人には興味が無いから

お礼でも恋愛でも

好きにするといいよ


但し天神様は

藤原家大嫌いだと思うから

それなりの覚悟しといて


てんの毛で設えた筆

白馬の筆を与え

御神木御伽を植え

編成して藤の木にする

藤棚の横に祭壇を造り

火竜王の牛角=夜の帳

反射の指輪

漆黒の皮膜

を置く

三鈷より火炎の柱立ち

星の巡り精神の紋章

五は牛にしてあたわず

かの尊き御方の友人にして

小野篁よ出でませ


炎は立ち消え巻き角が

ひょいっと持ち上がり

黒いマントの御仁

小野篁が顕現した


「おや見知った顔が」


「おあい じどうございまじた」


式部さん顔くしゃくしゃにして

泣きながら縋り付いてるけど


うん愛が終わった瞬間みた

みたいな感じで

固唾を呑んで見ているけど


篁さん魔王というか

イケメン淫吸蓮って感じで

黒い蓮ありですねって

ちょっと思った


式部さんの頭を撫でながら

目を細めていた篁さん


苦笑いしている僕に気がつくと

君下の礼をしてくれた


この姿では始めまして

早速で悪いけど

閣下の下に行って欲しい

書状を認めたから

七星の空井戸から

行けると思う


マントを翻して

立ち上がり

さっそうと立ち去りました


御伽ちゃんには散々

イケズって言われたけど


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