第4話

奥の細道鳥居前


パンパン


拍手の後一礼し

鳥居を潜る


柳を通り過ぎ

社務所の奥

本殿の更に奥

御寝所


白い光りの輪郭

人型のような光り

私以外には

視認することも

お声を聞くことも

出来ないらしい御方


『この姿も不便であろう』

『夜光を思い描き見るが良かろう』


御方は見る物が見たい姿に

見えると申しました

声はノイズのような物が入り

聞き取りにくいのですけど

夜光様を思い描いた途端に

声も聞きやすく

お姿も少年のような姿に

健やかにお育ちになると

このようなお姿に成るのでしょうか

正に眼福で御座います


「夜光様は三日三晩寝込まれました」


試しの洞窟の試練を受けられて

ジンキを賜ったのですけど

突然気を失われ

三日三晩意識が戻らなかったのです


ジンキの事は聞かれなかったので

お答えしておりません

試練の洞窟で馬頭様に会ったこと

配下の方々を葬った事

どの様な容姿で等と報告し

遺物を持参致しました

私が貰っても

主人やそなたの物では?

主人の分は十分確保してあり

重複被りの品であり

尚且つ所持を認めて頂きました

なので大丈夫です

と申しました

白蛇の文鎮

馬の置物

一角の角

白い皮膜

其々1つずつ収めると

ありがとう助かるよ

ととてもいいお顔で

感謝され心臓が高鳴り

胸が苦しいです

癒しの対象としていた方に

ときめくとは従者失格です


お暇しようと挨拶しかけて

呼び止められました


まだお礼をしていないと

いえいえ私なんかに・・

じっと見つめられて

恥ずかしいです

ああなるほど三光の星でしたか

余っている尻尾はあるかと言うので

はて三鈷が付いているのは

一本ではないので?

三鈷の上の如意宝珠は1つですね

宝珠には種類があって

内緒ですよと言われましたが

ミカ様は宝珠に光りと火の

宝玉が入っていて

化成して陽=日輪になる


朧様は宝珠に闇と反射

本来は反転だった宝玉で

まかるかしとか地返しとか

そういう意味?

生の反対は死で

死の反対は生き返る

又は死返し

いろいろ効果が危ないので

反転の宝玉を回収

月の変若水で洗って

反射にしたらしい

よって陰であり月であり

謝罪にもう1つ三鈷と宝珠があり

聖と何か

恐らくは瀧か辰巳に関するものが

いくつか又は泉の女神の勾玉か

というわけで

変若水は無理だけど

真名井の水

甘露をあげよう


大きなる星、東より西に流る。

便ち音有りて雷に似たり。

時の人の曰はく「流星の音なり」といふ。

亦曰はく「地雷なり」といふ。

「流星に非ず」是天狗なり。

其の吠ゆる聲雷に似たらくのみ」といふ。


天狗 アマツキツネ


『声が聞こえたなら成功だね』

『今日からアマキツネになりました』

『肉体的には天狐のように尻尾が減ったりしません』

『元の一本と七星今回の一本で九尾』

『何かあったら守ります』


新たに出来た尾に三鈷と宝珠をもらい

中身は私には見え間せんが

とても大切な物が入っているそうです


御寝所を後にし

巫女様方にご挨拶をして

お屋敷に帰ります


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る