第3話
退魔士のお仕事は
魔性の物を退ける
悪霊を祓う
憑き物を落とす
等があるが
結界を張る
綻びを修復する
式紙を使う
等多肢にわたり
生まれた時に
引き継いだ物
名付けの際に
顕現したもの
召喚に応じ
守護精霊に
付いたもの
後天的に
修行した結果
調伏した魔物
それらを持って
能力とする
2歳の時にやる行司
試しの洞窟
特徴は
小鬼が出る
倒すと消える
本人専用の霊刀が貰える
ジンキと呼ばれるソレは
本人の霊験値を基にして
和合性の有る素材が使われ
血肉と同化し
成長と共に育つ
今回はお銀が常に実体化し
胸に夜行を抱き
夕妃が前衛防御担当
萩が後衛で攻撃担当
そして入り口に着いた
『御用の無いもの通しゃせぬ』
白い馬の顔額に一本の角
全身が白く美しい乙女で
足の先はカッコイイ蹄が
鬼というより
女神様みたいだ
「陽子が一子夜光です」
2歳が喋った
普通なら吃驚する所だけど
お銀が憑いた時に
ある程度の言語の理解
その後の英才教育で
話す事はできるんだよね
心話でお銀から
夜光様この方はメズ様です
と言われた時には
ああ馬頭ねって思った
『ならば良かろう』
『わらわの配下のみなので』
『好きにすればよい』
霧のようにというか
煙のように消えました
夕妃は白地に赤い丸の扇
巫女服を着ていました
お銀は白銀色の光沢のあるドレス
浅黒い肌に金糸の様な髪
慈愛のある顔に銀の瞳
一度空狐になった時に
尻尾は無くなっている
天狐の時の4本の尻尾は
一本がガーダーベルト
一本は刀
一本は弓
一本はドレス
ドレスは好きな形に出来るみたい
今回は湾曲した刀を持っている
夜の女神ですのよっていうのを
何度も聞かされている
萩は黒髪黒目
白く輝くような
とは対照的な
青白い病弱の娘のような
肌の色
いつも眠そうな垂れ目
変化が苦手で
尻尾や耳がよく出てる
短い刀を愛用してる
洞窟が暗いので
前髪を一本抜こうとしたら
お銀の爪で半分くらいに
切られちゃった
夕妃が慌てて駆け寄って
何してんですかって
言われたから
手に持っている髪を
黒い羽に変えた
ぱっと夕妃が奪い
バリバリと噛み砕き
3つの破片に分かれた
お銀に言って下ろして貰い
それを拾い上げ
三つを束ねて短刀にした
「夕妃の赤い霊力が篭って」
「とてもいい明かりになるよ」
そう言って鞘から抜く
赤い刀身がゆらゆらと光り
鞘に収めると丸い紅玉に上に火
火
○
刻まれたそれに霊力を籠めると
上空にぽわっと
狐火が灯った
狐火なら何時でも出しますのよ
そう言う夕妃を宥め
練成する前に霊力の篭ったもの
髪とか爪とか一度変換すると
黒い羽になること
式紙等も練成の一種なので
生誕特典としては弱めでも
羽からの練成は自由度が高いこと
等を説明して納得させた
この短刀は守り刀にして
名を茜にした
程なく進むと
お銀に目隠しをされた
鬼が出たらしい
一本角なので
間違いないと
萩が前に出て
深く刺して捻る
とかぶつぶつ呟いてた
夕妃なんて
血飛沫を浴びた萩が
ああそれが萩の実ですか
なんて物騒なことを言い
感心していた
倒されると本体は消え
遺物と霊験値を残し
霊験値は主人の僕の総取りらしい
初めての討伐で
目隠しされたから
分からなかったが
始めは幼女の群れ
次に少女の群れ
最後に美女の群れ
夕妃が言うには
小中高位でしたのよ
2歳にはまったく
意味がわからなかった
これも後で聞いた話だが
今回は悪鬼では無いが
見た目に騙されて見逃し
後で大変な目にあうなどざらで
今回も見た目の愛くるしさ
攻撃もされなければ
抵抗もされない
討伐せずに進むと
ジンキの糧が足らず
最後の鬼が凄まじく強くなる
だから可愛そうでも
討伐しきちんと開放してあげ
試練を乗り越えましょう
そういう趣旨なんだとか
際奥の祠?
何か自分の大事な物が抜けて
霧が発生し
あ め の
む ら く
うまく声が聞こえない
視界が晴れ
上を見つめると
真っ黒な雲から雨が降り
とんでもない豪雨で
見上げた顔の
頬を伝い肩から腕へ
左腕に黒い雲が吸い込まれ
上空から黒い羽が
大量に舞い降り
体に触れては
霧のように消える
背中の肩甲骨の上には
羽のマーク
左腕にクロスした二枚の羽
それらが消えると
右手に鞘の無い刀が
鈍い輝きの濡れた様な刃
名を村雨
大鬼に特大ダメージ
幽鬼系に攻撃が通り
火炎系に特大ダメージ
子鬼系の説得に大アップ
戦闘や瀕死など無くとも
使役の説得に応じやすい
なんか凄いの来た
村雨は霧のように消え
そして意識を失った
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