メリーゴーランド

木漏れ日が黄昏に冷える頃

あおうたが私の胸に滑らかに舞い降りる

人が代々 夜と呼んできた

この幾星霜もの闇をたたえた歴史の重なりを

まれぬ淋しさが黙して通り過ぎるはずはない


のらりくらり 涙は

傷だらけでやって来る

に焼けた後悔を

夜空に貼り付けてやって来る


すると 朝は

空のギアに夢のあぶらされて

ぐるぐるぐるりと顔を出す


痛みを分かち合う それは

いつも 晩鐘のメリーゴーランド


茫漠ぼうばくたる 宇宙そらのメリーゴーランド


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