終演

雨の夜を蹴ってみても

冷たい足が闇のそらに泳ぐだけ

仰ぎ見る薄い薄い月明かりが何と明るく

私はどれだけ悔しい杯を傾けたことか


麻酔売りの詩人の背にもたれて

私は今日も絶望の糸をつむ

命の継ぎ目にかすかな息を繋いで

今日も醜いガラスの杯を空ける


やがて 運命が私の杯を叩き割り

このほの暗い手首をほしいままに切り刻み

生命のうしおが音を立てて

母なる揺籃の根に立ち帰る時がやって来る


いつの間にか浜の砂に堕ちた舞台の上で

私はきっとまた仰ぎ見るのだろう

薄いくせにあまりに明るい

あの雨の夜の月明かりを

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