第4話 彼女のルーティン

「生意気な新入りめ! おまえも襲ってやる! かかれ野郎ども!」

「ヒィーイ!」

 ファミレスの悪の店長や先輩たちが渋子に襲い掛かろうとする。

「ニコッ。」

 渋子はピンチだが、とびっきりの笑顔で笑って見せる。

「手を上げろ! 警察だ! 抵抗するとぶっ放すぞ!」

 渋子の笑顔が合図で警察官が100人、銃を構えてファミレスの店長たちに迫る。

「け、警察!? なんなんだ!? おまえは!?」

「私は、ただの勤労者です。ニコッ。」

 渋子はスマイル・シンデレラである。

「参りました。とほほ。」

 ファミレスの店長と先輩たちはわいせつ罪で逮捕され、パトカーに乗せられて去って行く。

「いつもありがとう。ヤスさん。」

 警察の捜査官のヤスは渋子の顔馴染みである。

「気にするな。お礼は頂いているからな。」

 ヤスは警察官だが、渋子の母親から渋子を守るように現金を受け取っている。

「え? なんか言った?」

「いや、何も言ってないよ。」

 このことが渋子にバレると、ヤスは渋子ママに殺される。

「ヤスさん、いつも手柄を立てさせてあげてるんだから、私のことをコネで警察官にしてよ? 公務員になって税金泥棒して楽に暮らしたい。」

「ダメだ。最近は公務員も難しいんだぞ。直ぐにマスコミにコネ公務員だってっ叩かれるからな。」

 本当は、実家の会社を継がせるために、渋子ママに警察官にしてはいけないと言われている。

「ヤスさんのケチ!」

「いいから、さっさと両親の元にでも帰りやがれ。女の一人暮らしは東京では危ないんだからな。」

軽く優しい言葉をかけて、ヤスたち警察官は撤収していく。


「ええー!? 私、クビですか!?」

「当たり前だ! 事件のあったファミレスの店舗は閉鎖! これまで内部で隠してきたのに強姦事件が世間にバレて、イメージと売り上げのダウン! 我が社は大ダメージだよ! 全部、おまえの性だ!」

「そんな!? あんまりよ!?」

 事件が発覚した責任は、全て渋子に押し付けられた。

「失礼しますよ。警察です。」

 ヤスが現れた。

「あなた強姦事件があったのを警察に通報しないで、もみ消していたらしいですね。逮捕した連中から共犯者がいると供述も取れて、今、自分でも罪を認めましたね。署まで一緒に来てもらいましょうか。」

「とほほ。」

こうしてファミレスの本社の偉い人も強姦罪で逮捕された。

「渋子はまたクビか。まあ、仇はとってやったぞ。」

「ヤスさん、もしかして私のストーカー?」

「はあ? なんでそうなるんだ?」

「アッハッハッハー! ニコッ」

 無職になっても渋子は笑い続ける。

 つづく。

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