第3話 魔法属性 『コール』
――あれが、魔人。黒い肌色で手には、鉄のトゲトゲがたくさん付いたムチ。顔は、美人すぎる女性。身長は、165ぐらいの女性にしては高身長かな?
彼女は、ムチを構えた。
「私はね、証拠を残さず魔力供給をしているのよ。あんたが生き残っていたら、証拠隠滅できないじゃない。だから、殺してあげる」
「殺す……?だって?俺を殺せると思ってんのか……んあ!?」
最後変な声が漏れた。いきなりムチを突き刺そうとしてきたから、避けたからだ。だいたい魔術師がムチとかおかしいだろ。多分。
「危ねぇじゃねえか!クソっ」
俺は、次の攻撃が来ると予想していたので空間をイメージで具現化させ、そっから剣を取る。さすがに、防具全てを取って装備するまでに時間かかるからだ。
「あんたは、この一撃で幕を閉じるのよ!魔人に殺られることを、光栄に思いなさい!」
「せいやっ!」
金属音が響いた。彼女に気付かれないように、剣を取り出し装備してムチによる攻撃を受けたのだ。
「クッ……。お前、なかなかやるな。グリネイト・シャークよりも、しぶとそうだな」
「あんた、私に気付かれないように剣を装備するなんてやるじゃない。だけど、私には適わない」
彼女は、そう言うとムチを変形させて剣を巻き付け、一気に俺を天井まで投げつけた。
「グハッ!」
痛かった。リアルには、ありえないほどの痛さだ。しかし、まだ剣に巻き付いているのでめちゃくちゃに振り回されていく。
「目が回るし痛てぇし、グリザイアの家がボロボロになってくし、やべぇよ」
俺は、息をハアハアしながら呟いた。このままじゃ駄目だと思い、ムチを解かなければと火属性の魔法を撃ちたいと思ったが、やり方がわからない。
「くっそぉ!なにもかもわからない状態で、なんで魔人と殺り合わなきゃいけないんだ!」
「うふふ、ふはははは!良いざまね。まだ、生きていけるの?強い生命力を持つのね。でも、もうあなたは死ぬわ。永遠の眠りにつきなさい」
彼女は、ムチを解いて遠近法を用いて俺に、ムチを突き刺そうとしてきたため、剣で防ぐがまた壁に吹き飛ばされた。
「あなた軽すぎ。そんな簡単に吹き飛ぶもんなの?」
俺は、何度も何度も彼女からの攻撃を剣で向かい打っていたが、さすがにしんどいらしく。
「かなり、きつい運動だなこれ……」
「さっさと死になさい!」
ついに、剣の下を通りムチが俺に突き刺さる。
「あ、あ、あああ!グハッ……」
俺は、血を吐きながらどうすれば勝てるか考えた……。その結論に至ったのは、魔法属性『コール』である。コールとは、自分のイメージによってめちゃくちゃ遠くても、冒険家を見つけ、その人に声をかけて助けを呼ぶ属性である。助けが必要な時だけ呼ぶのだ。
お願い、誰か反応してくれ……。
俺の名は、タカヤ。今、魔人と戦闘している……。勝てる力がわからないし、魔法の出し方もわからない。だから、俺に助力してくれないか。
俺は、語りかけた。誰かが反応してくれるように。しかし、反応が出る前に、魔人による攻撃を受けた。
「グハッ……」
「背を壁に付けながら倒れても、容赦しないわよ。フフフ。八つ裂きにして終わりね」
彼女が近づいて来るのがわかる。
やばい、このままじゃ完全に死ぬ。
あんた……。今、魔人と戦っているのか?俺の名はモットー、モットー・ガレア。大剣使いだ。コールに反応できてよかった。現在地などを的確に教えてくれないか。
どこからともなく声がした。やった!反応した!と、喜びの表情を浮かべた俺は、その声の主に答えた。
今いる場所は、アルタレス街だ。近いか?全速力で来て欲しい……。俺の命は、保たないかもしれん……。
了解した。直ぐに向かう。
ありがとう。
一人助けが来るのは確定した。
ねぇ、あなたタカヤ君って言うのね。私は、メリダよ。メリダ・クローツェン。よろしくね。職業は、サポーター。装備は、短剣を扱うわ。今すぐにアルタレス街に向かうから待ってなさい。
女性のあなたも来てくださるなんてありがとう!
みんな優しい……。
俺の名は、グローリン。グローリン・マキシム。職業は、シールダー。守りの達人だ。よろしく頼む。今すぐに向かうから待ってろ。
盾使える人が来てくれるのは有難い!感謝するよ。
ちなみに、コールに反応するのは同じコール属性を持っている人だけだ。
――こうして、三人の助っ人が来てくれる。俺は、それまでに耐えなければならない。なんとしてもだ……。
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