終章
変わりゆく者達へ(1/2)
どんな一日も必ず終わる。
教皇領、大森林保護区。そこに、人間とは異なる
誰よりも強く、誰よりも
木の一本も生えていない
「ごめん……うちが来たから、こんなことに……」
いまだ大地に染み込んでとれない赤黒い
今回のことに関して、ユウは少なからず負い目を感じていた。
自分がこの集落を
――テヴォがあんな死に方をすることはなかったのではないか。
そのしょぼくれた頭に、黒い毛に
「いや。
代表して口を開いたのは男衆の一人。ここを
「どのみち、
ユウがいてもいなくとも、
人間に
「なんにせよ、だ。もうここには、いらねぇなぁ」
テヴォと共にあったここでの暮らしを
ここを離れたくない者も、いるだろう。
見つかった時点でもうどうしようもなかったのだ。それこそ彼らを
「輸送用の荷馬車を用意する必要があるな。それから全員同時は
「かまいやしないさ。行った先に、楽しく生きていける場所があるんならな」
レイの言葉に
「どうだい勇者の
その問いに、勇者は顔を上げてしっかり相手の顔を見て言った。
「これから、
「……そうかい。そいつはいい。俺達しだいってわけだ」
無闇にいいところだと言われるよりも、その方がいい。自分達で土地を切り
また作ればいい。この集落よりももっと住みやすい、人間に
「――あの
あの
昨日は誰一人、ディナとまともな会話をしていなかった。当然だろう。自身の手で、父親をおくった娘にかける言葉など誰が持ち合わせていようか。
生き物は死ねば土へと
ディナは父の眠る場所から動こうとしなかった。セラが無理矢理着替えさせなければ赤黒く変色した
「――ここにいるよ」
すっかり
左右に割れた
「まずは教皇に会いに行って今回の件を報告……。そんでアムディールの野郎を押さえつけて、移住が完了するまでここに誰も近づかねぇようにしねぇと……」
ユウ達の元へと歩み寄ったディナは一度深く息を吸い、一息に吐き出す。
「――泣いてる場合じゃあねぇな。親父に笑われちまう」
次の瞬間には、その瞳に強い意思が宿っていた。
そう、やるべきことはたくさんある。
今となっては、ディナ達が何者かに
だが、いつまでも部下が帰らないとなれば追加の人員を差し向けようとするはずだ。それを食い止める必要がある。保護区の警備を増員する、アムディールの動向を
落ち込んでいる
「……強いな、お前は」
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