第五章
天に吠える狼少女(1/5)
「そんな……親父……嘘だろ……」
シェサを抱いたまま、
「……下がれ。こうなってしまえば、もうどうにもならん」
今まで
自分なら大丈夫、少しだけなら大丈夫。そうやって理性を納得させてその
戦場において、敵味方問わず
「ああ……なんてこった……」
森と共に生き自然を
動けなかった
「ちょっと……なんやねん……テヴォさん、どうしてもうたんや!?」
ただ一人、状況を理解できていないユウが説明を求めて叫ぶ。
その間にも、テヴォの
「ユウ……昔、魔法で
セラはテヴォの変わり果てた姿から視線を
「
肉体の
「じゃあ、テヴォさんは……」
「――
もとより
しかしテヴォは、こうなると分かっていてその境界線を越えた。最愛の娘を
娘のため、
「痛いなんてものじゃない……。全身が
口にして、そのあまりにも
「元に……元に戻す方法はないんかッ!?」
こういったものにもっとも
「一度ああなってしまえば、もう元に戻すことはできない。それができないから
「じゃあ、どうすれば……」
「殺すしかない」
ユウ達の側までディナを引っ張ってきたレイは、その気の抜けたように脱力した細い
「あの苦痛から族長を救ってやるにはそれしかない。安らかに眠らせてやることが、一番の救いだ」
そう言ってレイは
だが首を落すにはまずあの肉の壁を突破しなくてはならない。その上、振り回される
「セラ、悪いが俺だけでは荷が重い。
「分かったわ」
騎士の頼みに魔法師は
「そんな!?なんとか、なんとかならへんの!?」
ユウだけが、希望は残されていないのかと必死に問いかける。だがレイも、セラも、他の
テヴォを救いたいという気持ちは
「残念だが……もう、絶対に元には戻せない。もうあれは族長じゃないんだ……」
だがその言葉を、勇者は聞き逃さなかった。
「絶対……今絶対って言ったな!?」
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