第四章
招かれざる者(1/4)
族長ことテヴォの家だけでは人間一行がまとめて夜を
レイが習慣である朝の
このような風土で育ったのなら、なるほどディナの性格も
さすがに昼前には騒ぎは収まり男達は仕事に戻っていったが、
「ほんと、
「ちぎっては投げ、ちぎっては投げ……今まですごいなぁぐらいしか思ってへんかったけど、全員に勝ってまうなんてレイ君化けもんやな……」
自身の
最初こそいかに
それでも勝ってしまうのだから
「ちぇー、なんであたしは駄目なんだよ」
と、いつの間にか
「……俺を、殺す気か……」
まだ息も絶え絶えにレイが
「適当なところで
ようやく
「男にとって、加減されるのは一番の
組手をして分かったが、
「面倒ね、男って」
心底面倒そうに、
「それで、今日はどうするん?」
さくらもちを抱え上げてユウは問う。昨日
「とりあえず皆にも考える時間がいる。それに、移住するやつらをバレないように“勇者特区”へ連れていくための馬車の用意もいるな。それは教皇がなんとかしてくれるだろうが、そのためにもあたし達は
まだ少し不満げな様子のディナが今後の
「バレちゃアカンの?」
「一応な。親父みたいにここに残るって連中もいる。そういうやつらはなるべくそっとしておきたい。バレない限りはここで暮らしてればいいさ」
本音を言えばこの集落の全員が“勇者特区”に移住してくれるのが一番
「で、いつ出るよ?」
「お腹減った」
「じゃあお昼食べてからかしらね」
と、一同が今日の予定を確認した。ちょうどその時だった。
アオォォォォン――
どこからか
「女共は子供を連れて奥へ引っ込めェッ!男共は集まれェッ!」
「……今の
戦える
「――
その
「……ディナ、お前の知り合いらしいぞ」
「ああ?」
「――なるほど、確かにそうだ。だがここにあんな連中
村の入り口に
彼らは集落を
彼らの隊長と思しき先頭の男がこちらを
「
ディナがその光景にギリッと奥歯を
「逆だディナ」
テヴォが娘を
「あの子はお前とそこの
「シェサッ!!」
名前を呼ばれて
「いたぞ!
ディナの姿を発見した一人が声を上げる。
「
「教皇が魔族を
一人を皮切りに他の者達も次々に声を上げる。彼らもまた
「乱心せし教皇の犬めッ!貴様とここに住む魔族のことはすぐさま
怒りのまま、
「――で、そうやって現教皇を引きずり降ろして、次は誰がその座につくんだ?神聖なる大森林保護区にずけずけと
目を付けられていたのだ。それに気付かず勇者を引き連れて大森林保護区へ入ってしまった。それが彼女の
あたしのせいだ――
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