自然と共に生きる者達(3/8)
「――
セラが
いくつか並ぶ建物はほとんどが木造、地を
家の
何やら糸を
駆け回っていた
「よぉシェサ!元気にしてたか?」
ディナの方から声をかけると
「……レイのせいで
「あの子にとっちゃ俺もお前もユウも大差ないだろう」
違うということはそれだけで恐怖の対象になりうる。それは人間の歴史が他のどの生き物よりも
「まぁまぁまかしとき。うちがばっちり仲良くなったるさかい」
ユウは自信満々に宣言する。しかしそれも当然といったところか。ディナと彼らの仲を見ていれば、彼らが人間という種族に対して潜在的な
親愛と好奇と警戒の視線を向けられながらユウ達はその集落の中を横切った。
「……………」
シェサと呼ばれた
ユウがそれに気づいて、半身振り向いて手を振る。
「――!」
するとシェサは
シェサの反応
苦笑するユウの隣で
自分が知っている魔族とあまりにも違い過ぎる。これでは、人間と何ら変わらないではないか。
魔族には魔族の
そう、思っていた。
実際は、階級が上位になればなるほど魔族の暮らしの様子を人間は知らない。上位になれば知能も高くなり、戦闘能力も高くなる。
知らないものは、恐ろしい。つまりはそういうことだったのだ。分からないことが多い相手とは仲良くできるはずがない。逆にいえば、知ることができれば歩み寄りの可能性も生まれてくるということ。
思えば、あの時レイが
恐る恐るこちらを
「何止まってるの?……ああ、可愛いわね。でも早く族長に会わないと」
「……ああ」
思わず立ち止まっていたレイがセラの言葉により我に
(だいぶ、ユウに感化されてきたようだ)
そう苦笑交じりに心の中で
レイがそんなことを思いながら進む内に、
一同が近づくと誰かが声をかけるより早く、家主が出入り口にかかる布を押し上げて顔を
「親父!」
その顔を見て、ディナが喜色ばんだ。それは相手も同じようで、その獣の口で不器用にニッと笑みを浮かべると
「よく帰ったな!心配なんぞしてねぇがな!」
言葉とは裏腹に、
振り回されたにも関わらずよろけもせずにディナは着地。
「本当かよ。あたしがいなくて不安で夜も眠れねぇんじゃねぇか?」
「馬鹿言え快眠だ!ぐっすり寝すぎて夢も見ねぇ」
軽口の
「なんでぃ、知らねぇやつが多いな」
ディナの頭上
「ここじゃなんだ。まずは中に入りな」
そう言って今しがた出てきたばかりの家の
「待ってくれ。こいつらのこともそうだが、まず、話をしなけりゃならねぇことがある」
突然
「ごめん。守れなかった」
ディナが取り出したのは一本の
「ああ、エディモの匂いだ」
「エディモ……じゃあこれの持ち主はアシャルカか……」
族長がこちらの様子を遠巻きに見物していた
族長から
「――あたしがラドカルミアに行く前のことだ」
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