深窓の才妃(5/8)
「かいみゃく?」
聞き
「“
「やっぱり……」
小さく呟いたのはセラ。ユウの力は界律魔法並みのものではないかと彼女は以前から
だが本当に界律魔法だと分かった
「ではやはり、スライムや
だが、騎士であるレイ以上にそれを望んでいるはずの
「いいえ。勇者の力が界律魔法を行使できるということは確かでしょうが、それの効力は魔族を大人しくする、といったものではないでしょう」
おそらくラドカルミアでもっとも界律魔法に
「界律魔法は運命に作用する魔法。目に見えない大いなるものに
だからこそ、そんな
「運命を変える、とは言いかえるならば“可能性”を生み出す、とも言いかえる事ができます。――勇者ユウ」
不意に名を呼ばれたユウがびくんとして
いつも勇者の側にいて、決して暴れることのない彼女の
「
ユウも視線を落してさくらもちを見やった。
最初は、生き物への
そう、ユウは仲良くしたかったのだ。それこそが
であるならば、あの時、ユウが願った可能性は――
その時、
一つ
「今日は
と、母が
「え、あ、寝てないわよ?」
名前を呼ばれたことで
「いけませんよ。王族である以上、
そう言ってユウに
「今日はいろいろ教えてもうて、ありがとうございました」
ユウが頭を下げた。その
「私達が
そこで不意にセルフィリアが
「ただ、
セルフィリアと同じく、真剣な面持ちでユウは
〈
「――かつて、
記憶を
勇者召喚で
「その時の勇者に与えられた運命は、〈魔王を
だが、まだ魔族は存在し、
「しかしその勇者は魔王を
セルフィリアがその
娘とそう歳も変わらない少女の右手を母の温かな両手が
「運命とはいくらでも変わりうるもの、そして永遠に続いていくもの。
「……分かりました」
ユウがその時どんな表情をしていたのか、
この少女は、
レイとセラは、この
そうして一同は
「中庭に行きましょ!そこにね、
退屈な時間から解放され、反動から元気いっぱいにはしゃぐリンシアに
中庭への道中、玄関ホールに来る時には見なかった人物がいるのにユウは気付いた。
白地に緑の
何よりユウの目を引いたのはその夕焼けのように
その人物は何やら
ふと視線に気づいたのか、その者の視線がユウの方に向く。ユウの
一瞬、ユウはその人物の性別が分からなくなった。
視線の
気が付いていたとしても
「――やっと見つけた」
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