第一章
深窓の才妃(1/8)
「――で、どうするって……?」
そもそも、ここは町でも村でもない。あえて
現地で
少女が問いかけた相手、それは人間ではなかった。
少女の身長よりもさらに低い身長、二足歩行ではあるが人のそれとはかけ離れた
さらにこの個体は通常の
この場所、“勇者特区”を
「ウム、我ラト共ニ働ク、トノ事ダ」
魔族と人間が共に働く、そんな信じられない奇跡がこの場所にはある。勇者の名の下に設立された人間の罪人と魔族が共に鉱山労働と
「良かったわね、ユウ」
ユウと呼ばれた黒髪の少女は花が咲いたような笑顔を声がかけられた方へと向けた。
その笑顔を向けられた人物は、思わず
美しい女性だった。
とはいえ、普段彼女はあまり感情の
勇者、すなわち目の前のユウという少女の
「レイくぅん!おっけー!自由にしたって!」
短く
とりわけ彼は騎士の中でもこのラドカルミア王国では
ユウの言葉に一つ
パサッ
まるで糸を斬るかのように抵抗なく、
「これで、
指折り数を数えたユウはそう
ユウの
だが魔族とてやすやすと
「ずいぶん大人しい連中だったな」
魔族が自ら武器を捨てる。それがどれほど異常なことか。少なくとも長年魔族と戦ってきた
「大人しいと言えば……」
平静を取り戻し、いつもの
「ここらのスライム、全然体当たりしてこないわね。持ち上げても全然抵抗しないし」
そしてつとユウの足元を見る。その
スライムという魔物にかなり
本来スライムという魔物は人間が近づくと体当たりしてくる。そしてそれ以外の
スライムの生態に何らかの変化が起きている。
「
セラの深い
「うちのせい?」
「せいっていうか、おかげというか……」
「力を受けた本人に
レイがユウ達に歩み寄りつつ、視線をいまだその場に
ユウの力と思わしき何かを受けたモノはこの場に
「――ということやねんけど、ばあちゃん、うちと手を
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