婚約破棄したければ面白い事を言ってからにしてね
一ノ瀬 彩音
第1話 婚約破棄
初めまして、私のお名前は
年齢25歳でご職業がご令嬢です。
白戸家のご令嬢をしているのです。
ご令嬢を日々頑張ってしているのですが、実を言うと
数年前からお付き合いしている人がいまして
その男性の人とは婚約の約束をしていました。
しかし、残念な事に相手の男性から婚約破棄したいという
事を聞いて正直驚いています。
相手の男性とは執事の事なんですよね。
執事のお名前は
年齢30歳でご職業が執事をしているのです。
私と松岡達治は数年前からお付き合いしてて婚約の約束も
していたのに婚約破棄したいという事を聞いて残念です。
私は松岡達治の居る所に今居るのです。
そんな私は達治に向かって言いたい事が沢山あります。
「達治、どうして婚約破棄したいと思ったの?」
達治は私と面と向かってしっかりとお話をしようとしている。
「理由はですね、姫百合お嬢様と釣り合わないと思ったからなんですよね」
「そんな事の理由で婚約破棄するというの?」
「はい、姫百合お嬢様、本当に申し訳ございません」
「謝られても………………」
私は執事の婚約破棄する理由を聞いて呆れている。
私自身が松岡達治を選んだと言うのにそれを台無しにされると思うと
正直悲しくて仕方がありません。
あれだけ何年も仲良く親密にお付き合いしていたのに本当に残念です。
さて、私は執事である松岡達治をどうしようかと考えている。
婚約の約束までしていたのに婚約破棄される身にもなってほしいです。
そうしていると私は達治にある事を言うのでした。
「わかりましたわ、婚約破棄は認めましょう」
「あ、ありがとうございます、姫百合お嬢様」
達治はきっと内心喜んでいる事でしょうね。
「婚約破棄をしたいと言うのなら、面白い事を言ってからにしてね」
「どうして婚約破棄するのに面白い事を言わないといけないのでしょうか?」
「だって私の人生を狂わせておいてただで済むというのはおかしいでしょう」
「そ、それはそうですが…………姫百合お嬢様、面白い事なんて言えません」
「面白い事を言えないなら、婚約破棄を認めません」
「そ、そんな…………」
達治はその場で崩れ落ちてショックを受けている様子でした。
私の計算通りに達治は面白い事を言える人間ではない。
これで達治の婚約破棄というのは白紙に戻りそうだわ。
「姫百合お嬢様、姫百合お上玉…………」
「面白くないし、達治、まじひくわぁ」
「面白い事を言うなんて俺には無理です、姫百合お嬢様」
「なら、婚約破棄したいというのは諦めるしかないわね」
「それは絶対に嫌だっ! 釣り合わない人と婚約しても俺は
ストレスと不満が溜まるだけだ」
「どうしても婚約破棄したいなら面白い事を言うしかないわね」
「わ、わかりました…………」
達治は面白い事を言うために必死に考えている様子。
しばらくして時間が経過すると達治は私に何かを言ってくる。
「姫百合お嬢様、婚約破棄させて下さい、お願いします」
「それのどこが面白いの?」
「ぜんぜん面白くありません」
「はぁっ、あのね、面白い事を言えないなら、諦めたらどうなの?」
「諦めたらそこでおしまいです、試合終了になるのは嫌です」
達治は往生際が本当に悪いわね。
このまま平行線を保っていてもしょうがないわね。
「姫百合お嬢様」
「な、何よ」
「姫百合お嬢様と婚約破棄とかけますとその心は…………なんて美して素敵な方で
素晴らしいお方だっ! 最高ですっ!」
「………………あはははっ、何て事を言うのよ、達治は」
私はついつい笑ってしまったのである。
これは婚約破棄を認めるしかないわね。
「達治、婚約破棄を認めてあげましょう」
「はい、姫百合お嬢様」
私と達治は達治から婚約破棄したいという結果で終わった。
これで私の恋愛も一旦、終了という事になるでしょうね。
その後、私と達治との関係はご令嬢と執事という関係に戻りました。
これといって親密な感じにはなりません。
私も達治もきっとこれから新しい運命な出会いがあって
それを逃さずにものにして幸せになる事でしょう。
恋愛は1つだけじゃありません。
私もまだまだ幸せになるチャンスはいくらでもあると思います。
その幸せを必ず叶えてみせますわ。
婚約破棄したければ面白い事を言ってからにしてね 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019
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