第11話地下墳墓探索その6
さて、そんなこんなで恐らくボス部屋前です。ここまで長かったです。
散々道に迷い、時にモンスターと、時に他プレイヤーと遭遇戦……宝箱は中身がしょっぱいかミミックで、本当に時間が掛かりました……。
ボス戦が終わったら一旦ログアウトですかね? このカルマ値で宿取れるでしょうか? 偽装スキルでどうにかなりませんかね? 一応こういうことを見越して《交友》スキルは取ってますし、従魔たちと積極的にコミュニケーションを取ってレベルも上げておきましたし、なんとかなるといいのですが…………。
「さて、皆さん次はボスですが準備はよろしいですか? 」
『──! 』
『ヴゥ! 』
『……! (バッサバッサ! )』
『がァ! 』
『イィ! 』
大丈夫そうですね、私もボスに挑む前にステータスの最終確認でもしますか。
====================
名前:レーナ 性別:女
種族:人間Lv.29
状態:
カルマ値:-134《悪》
クラス:暗殺者 セカンドクラス:テイマー
SP:65
スキル欄
『短剣術Lv.19』『投擲Lv.17』『歩行Lv.21』『軽業Lv.16』『調薬Lv.1』『不意打ちLv.21』『テイムLv.13』『偽装Lv.11』『看破Lv.12』『交友Lv.9』『窃盗Lv.9』『跳躍Lv.7』『回避Lv.14』『体術Lv.21』『暗殺術Lv.13』『致命の一撃Lv.10』『フェイントLv.8』『逃走Lv.9』『変声Lv.7』『変装Lv.4』『曲芸Lv.3』『鼓舞Lv.12』『統率Lv.14』『指揮Lv.11』『物理耐性Lv.4』『魔術耐性Lv.2』『身体状態異常耐性Lv.1』『精神状態異常耐性Lv.1』『暗視Lv.4』『隠密Lv.5』『消音行動Lv.7』『気配察知Lv.5』『危険感知Lv.7』『聞き耳Lv.3』
称号欄
ジャイアントキリング:自身よりレベルが20以上の格上を倒した物の証。格上と戦闘時与ダメージ
初めての人殺し:この世界で初めて人を殺した者の証。人類種に対する与ダメージ
大胆不敵:普通は躊躇する事を実行した者の証。
虐殺者:短時間で大多数の殺人を成した者の証。一度に敵対する相手が多いほどAGIに
外道:人道に外れた行いをした者の証。カルマ値が上がりづらくなり下がりやすくなる。
略奪者:一定以上の人数から一定回数以上の略奪行為をした者の証。略奪系スキルの
犯罪者:街の中で法を犯した者の証。正規の手段で街に入れなくなる。
神敵:秩序の陣営に宣戦布告またはそれに類する行いをした者の証。カルマ
指名手配・始まりの街:始まりの街にて指名手配された者の証。現在の賞金額2500万G
指名手配・神殿:神殿から指名手配された者の証。現在の賞金額1500万G
装備
武器:普通の
体:みかわしの服
鎧:鉄の
腕:黒いグローブ
下半身:草原狼の皮レギンス
靴:盗賊のブーツ
アクセサリー
・普通の
・至高神のロザリオ《憑依・三田さん》
・力の指輪
・
・
====================
井上さんを憑依させている軽鎧以外にもドロップした装備品がありましたので装備しました。これからボス戦なのに、憑依もさせてない初期装備では少し不安でしたからね。
しかし、やはりあれだけキルして装備品はこれだけしかドロップしませんでした。確率が低いのでしょうかね?
これから街の施設を利用しづらくなることを考えれば少し不安ですが……まぁ、その時は殺すか脅すかして奪えばいいでしょう、それよりも今はボスです。
「行きますか……」
私はそのまま目の前の重厚な扉を開いて進みます──
▼▼▼▼▼▼▼
扉の先の空間は思っていた以上に広く、天井も高いです。それに見える範囲の壁一面に棺が収納されていますね、地下墳墓の名前の通りというわけですか。
「おや? 」
部屋の中央に何かいますね? アレがボスでしょうか? 微妙に皮膚や肉の張り付いた骸骨がボロボロの黒い外套を羽織り、手には禍々しい長剣が1本です──動き始めましたね、戦闘態勢に入ります。
====================
BOSSエネミー
種族:悠久の墓守Lv.25
状態:呪い
====================
…………レベル高いですね? こっちは従魔が居るといっても実質ソロです、苦戦は覚悟しておいた方がいいでしょうね……街からポーションを略奪してきてて良かったですね(しみじみ)。
「皆さん行きますよ! 」
「『!! 』」
そのままボス目掛けて掛けて突っ込みます。当然相手も手にしている長剣で向かい打ちますが、それをさらに姿勢を低くして避け首を狙いますが──
「グゥっ! 」
──首を逸らされて回避されると共にお腹に膝を入れられましたね、不覚です。
蹴られた勢いを利用して後方へ退きつついらない物を投擲しますが……まぁ、弾かれますよね。
「女の子のお腹を蹴るなんて……」
──絶対に分解します!!!
再度至近距離まで接近し、右手に持った短剣を左の脇下から切り上げる。逆手に持ち替えられた長剣で防がれるが、それを軸に半回転。相手の側面に回り込み、膝裏に蹴りを入れる。
「フッ! 」
『──』 カクンッ!
膝を前に出す形で後ろに倒れ込んだ相手の首を狙う──が、身体を捻りそのままこちらを股下から斬り上げてくる。
それを右脚を軸に回り避け、そのまま勢いを殺す事なく回転斬りをするが、転がりながら避けられる。
──廻って、廻って、廻って、廻る。
常に立ち位置が入れ替わり、互いの剣閃を紙一重で躱しながら刃を振るう。
もうどの方角が入ってきた場所かなんてわからない。右も左もなく互いに回り続け、致命の一撃を放ち合う。
迫る長剣を姿勢を低くし、滑り回りながら相手の脇下へ短剣を突き込む。それをレイバックで躱した相手が、武器を反対の手に持ち替えて振り下ろす──それに短剣の刃を当て、タイミングを合わせて傾けることで滑らせ、そのまま鉄同士の火花を散らしながら超至近距離まで移動し、相手の顎を掴み床に叩き付ける──直前で手を床に着き宙返りの要領で凌がれるが、その直前に顔面に蹴りを入れると共に三田さんの光魔術の《光球》が炸裂する。
思ったとおりに弱点属性みたいですね。ようやく有効打を与えられましたよ。私が魔術を使うとはこのAIは思わなかったみたいですね。
『……』
警戒し距離を取る相手の背後に向けて風魔術を放つように麻布さんにお願いします。
突如として後ろから麻布さんの《突風》にて押し出された相手が吹っ飛んできます。そのままこちらからも突っ込み、正面衝突を敢行します。
背中からくの字に曲がった相手の腰を、三田さんの光魔術と同時に斬りつけて切断します。
そのまま地面に倒れた上半身に向かって短剣を振り下ろし腕を跳ね飛ばします。
「ここまですれば大丈夫ですかね? 」
カタカタっ!
おや? 切り離した下半身と両腕が動いてますね? まさか既に死んでるアンデッドだからでしょうか? まぁいいです、そう来るのなら当初の予定通りに分解するだけです。
先ずはこちらによろよろと近付いてきている下半身を掴み地面に叩き付けます、ある程度動かなくなったところで関節という関節を外してバラバラにします。骨1本ではさすがに動けないでしょう。
その目論見通りに下半身は完全に沈黙しました、残った両腕にも同じ処置をします。
「さて、覚悟は大丈夫ですか? 」
『……』
…………黙りですか、喋れないだけかも知れませんけど。
とりあえず背骨から1本ずつ骨を外していきます、へぇ〜ここまで小さい骨もあるんですねぇ……興味深いです、真面目に人体について勉強してみましょうか? どうやったら壊れるかはなんとなく分かるんですが、理論的には知りません。専攻でもありませんでしたし。
って、気が付いたら凄い勢いでボスのHPが減り続けています。もしかして部位破壊とかそんな判定でも入っているのでしょうか? だとしたらどこまで持ちますかね?
「頑張って耐えてくださいね? 」
『──! ──っ! 』
やっとそれらしい反応がありましたが、すいません…………楽しくてそれどころじゃありません。
「もしかしてこれは脊髄というか髄液が通る場所ですかね? 肋骨は6本じゃなかったんですねぇ」
観察しながら解体を続けていきますが、途中で消えてなくなります。
《ワールドアナウンス:パーティー名レーナと下僕たちが始まりの街・地下墳墓を初攻略しました》
《ワールドアナウンス:これより始まりの街・地下墳墓のボスが弱体化されます》
《初踏破特典としてSP10獲得しました》
《ボスの初撃破報酬として闇色のマントを獲得しました》
《レベルが上がりました》
《スキルポイントを獲得しました》
《新しく見切りスキルを獲得しました》
《新しく受け流しスキルを獲得しました》
《新しく解体スキルを獲得しました》
《既存のスキルのレベルが上がりました》
《称号:無慈悲を獲得しました》
《称号:始まりの街・地下墳墓攻略者を獲得しました》
…………どうやらボスが死んでしまったようです、まだ遊びたかったのですが残念ですね…………えぇ本当に。
しかしながら、このエリアの初攻略をゲットしたので良いでしょう。部屋の中央に出てきた魔法陣は外まで転移させてくれるものでしょう、街に戻って宿をとったら今日はログアウトですね。初日から濃ゆい時間でした。
「あっと、その前に……」
偽装スキルなどで一応髪の色などを変えておきましょう。ゲームなのでどの色の人もいっぱい居ますが念のためです。ついでに麻布さんを普通のマントから闇色のマントへ憑依させ直します。
「これでいいですね、戻りましょうか」
そのまま転移陣に乗り、街で宿をとってからログアウトです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます