第6話5.地下墳墓探索

さてと、戦果の確認も終わったので本格的に探索しきますが、どうやら敵です。


『オァヴ……』


どうやらただのゾンビのようです​──うっ、臭い! 臭いです! ここにきてリアル描写にした弊害が出てしまいました。


「……なるべく近付きたくありませんね」


なので松明を手に持ち、口に油をいっぱいに含んでから一気に噴き出します。まぁ火吹き芸ですね。


『……ぅヴ』


予想通り弱点のようですが、あんまり効果は高くないですね。近接の方が早いのでサクッと殺してしまいましょう。時間掛ける方が問題です。


《新しく曲芸スキルを獲得しました》


い、いらない……いや! きっと何かに役立つはずです! 曲芸スキルを信じるのです!


「ふぅ…というかこれ、松明持たずに探索したら暗視や夜目などのスキル手に入りませんかね? 」


このゲームはプレイヤー次第な割合がすごくありえそうです。明かりなしで攻略していきましょう。


▼▼▼▼▼▼▼


段々と慣れてきて、足下くらいならボンヤリと見えるようになってきたしたね。

そんなことを考えていますと、風切り音と共に何かが飛んできました。


「っ! 」


危ないです、少し反応が遅れていたらダメージを受けていました………………が、どうやら向こうからお目当てのモンスターが来てくれました。


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種族:リビングデッドソードLv.7

状態:普通


====================


一応『テイム』を発動してみますが失敗に終わります。まぁそうですよね、先に力の差を見せつけろってことですよね。


「フッ! 」


なので短剣で再度飛んできた奴を打ち落とし、再び飛び上がる前に踏み付けて阻止し、思いっきり柄で殴り付けます。


『​──! ​──!』


「どうです? 服従する気になりましたか?」


念のためさらに五発ほど殴り付けてから再度『テイム』を発動します…………今度は成功ですね、ステータスを確認しておきましょう。


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名前:未定

種族:リビングデッドソードLv.7

状態:普通

スキル欄

『浮遊Lv.3』『武具憑依Lv.4』『隠密Lv.1』『暗視Lv.3』『不意打ちLv.1』『闇魔術Lv.4』『切断強化Lv.2』『精神状態異常無効Lv.-』

称号欄

レーナの従魔:レーナの従魔となった証。主人から受けるバフの効果が上昇


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ふむ、『武具憑依』ですか……私が考えていたことの後押しになりそうなスキルですね、試してみましょう。


「……この短剣に憑依できますか?」


『​──』


元の錆びた片刃の剣が崩れて消え、代わりに状態が憑依となりました。

どうやら憑依した状態だと、武器の耐久値を併せたものがモンスターの最大HPになるようです。攻撃力も同様ですね。

この短剣は初期装備なので実質不死身ですね、まぁ初期装備なので攻撃力もお察しですが。


「あとは名前ですね」


しかしながら私のネーミングセンスなどあってないようなもの…………どうしますか。


「………………もうあなたの名前は山田さんで」


『?! ​──! ​──!』


なにやら抗議されているようですがサクッと無視します。


====================


名前:山田さん

種族:リビングデッドソードLv.7

状態:憑依


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「無事登録されましたね」


『​──』


心なしか哀愁漂う短剣を持ち探索再開です。

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