第10話 穂乃花の心境

なんとか関所を通過できた・・

これで野宿は免れ、宿に泊まれるかな・・


今更なんだけど、此処はどこなんだろう。

正直、パニック状態・・・

古墳公園にいたのに、突然、こんな場所に来るんだもの・・

ニャン吉がいなければ泣き叫んでいたかもしれない・・

ありがとうニャン吉。

ついでに誠も。


でも、誠を見直しちゃった。

だって、落ち着いているんだもの。

それを見たらニャン吉効果のように、ホッとしたんだ。

(ネコって、抱いているだけで落ち着くんだよね・・)


元に戻れるかどうか不安だけど・・ね。

不安だけど、誠が一緒だから・・

・・・ん? 誠と・・二人?

あれ?!

ちょっと嬉しい!

あ・・

違う、違うの、ニャン吉、あなたもよ!!

三人、三人だから嬉しいの。


・・・ただ・・

私が帰らなかったら、両親は心配するだろうな・・・

でも誠と一緒に出かけていることを知っているから大丈夫かな・・


お母さんは誠をかなり気に入っているんだよね。

お母さん、恋敵になんてならないわよね・・

お父さんは、誠の話をすると嫌な顔をするんだよね。

まあ、お父さんはどうでもいいかな? 問題なし、と。


そういえばお母さん、ニャン吉のオヤツ、買ってくれてるかな。

ニャン吉のオヤツのついでに、お父さんのツマミ買って来ると言っていたけど。

そうそう、お母さん、お父さんからお酒のツマミが欲しいといわれ、

面倒だからと、ニャン吉の缶詰を開けて出したことあったっけ。

それをお父さん、これはいい! と言って、飲み過ぎて二日酔いになったよね。

お父さん、ニャン吉の缶詰、残しておいてよね!


あ、いけない現実逃避しそうになった・・

そうそう、通行手形!

関所で、通行手形が通じてよかった・・。


シャコウさんに通行手形を見せろと言われたときは焦ったな・・

思わずバックからオモチャの通行手形を出しちゃった。

でも、オモチャの通行手形がここで通用するとは思わなかった。

すごいよね、祭りの出店にある通行手形は。


関所でね、誠、大事な時計を売ってしまったの。

ここで使うお金を得るために。

あんなに楽しみにお金を貯めて、やっと買った腕時計を。

それは大事そうにしていたんだ・・・

それを買って数ヶ月で手放すんだもの・・

本当にごめんなさい。

誠に謝ったら、謝る必要がないと言われてしまった。

誠ってやさしい・・・

巡り会えてよかった。


ただ、最近、誠はニャン吉と仲がよく、よくジャレているのよね・・

焼き餅をやきたくなっちゃう。

でも、ニャン吉は私への甘えも忘れていないんだ。

かわいいよ、本当に!


あ、そうだ・・

生体認証って知ってる?

生体認証って健康診断の一つかと思っていたけど違うみたいね・・


私と友人が東南アジアに旅行したことがあるの。

友人の一人が旅行中に、ちょっとお腹の調子を崩したんだけど・・

それを友人が成田空港で申請したの。

そうしたら、友人は係の人に呼ばれて別の部屋に行ったことがあった。

何があったか友人に聞いたんだけど、最初恥ずかしいといって教えてくれないの。

後で健康診断だと教えてくれたんだけど、何が恥ずかしいんだろう・・。


何が言いたいかというと、

ここの関所は成田空港の入国審査に似ているでしょ?

だから生体認証登録を別の場所で行うと言うから健康診断だと思ったんだ。

私の友人も成田空港で健康診断でなく、生体認証をしたんだと思う。

生体認証を健康診断だと勘違いしているんだ、たぶん。

今度友人に会ったら教えてあげよう。

成田では健康診断でなく生体認証をしたんだよ、と。


ちょっと話しがずれちゃった・・

生体認証は鳥居を潜るように言われたんだ。

鳥居だよ、鳥居。それも朱塗りでかわいいの。

なんか誠がぐずぐずしているから先に鳥居を潜っちゃった。

楽しいよね、鳥居を潜るのは。


あ、いけない、潜る前に神様にお辞儀するの忘れた!

何て言う神様だったのだろう・・

ごめんなさい。


でも、生体認証って何?



作者注意) -----------------------------------------------

成田空港で、別の部屋への意味がわからない人がいそうなので・・

私は東南アジアに行ったことがあります。

飲み物、食べ物に注意していたのですが、お腹をやられました。

入国審査で申請すると検便をするように言われたのです。

そう便です。

でも水しか出ないのに・・と、いうと・・

・・・・

思い出したくない過去です。

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