第8話
いったいこれはどういうことなんだ・・・・・・・・あ、また意識が朦朧として・・・・・・きた・・・・・・。
「ぎーたかちゃん大丈夫?」
「まだ眠っているみたいだね」
「・・・・・・ん、ぅううううううううううううう・・・・・・」
「目が覚めたみたい!」
「あれ、私なんでまた保健室に・・・・・・?」
「ごめんね、この馬鹿先輩が初日から無理させたみたいで」
「基礎練習なんだから仕方ないだろ!」
あぁ、それで倒れちゃったのか・・・・・・。
「もし大丈夫ならこれからファイティング練習するんだけどちょっと来てみる? しんどいなら見てるだけでも良いからね。」
「ファイティングって何ですか?」
「うーん、試合形式の練習のことかな。ほら格闘技とかでいうところのスパーリングみたいな?」
「あー私が最初体育館に入ってきたときにやってた機械が音を出すやつですね!」
「そうそれ、あのときはほんとごめんねー、今回もだけどさ」
グイッ!!
「いてててててて・・・・・・」
あのとき審判気を吹っ飛ばしたらしい先輩の頭を無理やり下げさせた。
「ほんじゃ、私たち先に行ってるから落ち着いたら来てね。あと1時間はやってると思うからさ」
そうして先輩らは去っていったのであった。
ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!
「アルト、アタックノン、アタックトゥッシュポワン……あ、ギータカちゃん大丈夫」
「はいなんとか……」
「無理しないで良いからね!」
「あ、でもファイティングちょっとやってみたいような……」
「じゃあ今日は少しだけね、審判代わってー」
そう言って審判を抜けると先輩は私を連れて倉庫の方に連れて入った。
「ギータカちゃん、利き手はどっち?」
「右ですけど……」
「フェンシングって3種目あるんだけど、とりあえず今回はルールが一番簡単なエペってのをやってもらう
ことにするね!」
「は、はぁ……エペですか……」
先輩は倉庫から剣や防具、マスクなどを漁っている。
「そう、この種目は攻撃権とかそういうのがなくて相手のどこに当てても有効になる。とにかく何でもありみたいなフェンシングができるやつだからはじめてでもなんとかなるってことで、うちの部では最初に体験してもらってるの。ほんとは日本だと別の種目のほうが盛んなんだけどね。とくに高校生以下では……」
「そうなんですか……」
そんなよくわからない事情を聞かされながらしばらくその場で突っ立っていると……
「はい、お待たせーっ!!」
わたされたのはマスクに服やら手袋やらへんなコードやら何やら……
「じゃあ付け方はあっちで教えるから戻りましょ!」
また更衣室に戻り着替えることになった。
「まずそのコードの端を右手に持ってその状態でユニフォーム着るのよ」
えぇ……なんだかやりにくそうだな……
「アルト、トゥシュポアン!、サ、フィニ……。」
簡単な5本勝負を一度だけやらせてもらったがあっさり負けてしまった、1-5……明らかに1点は相手がわざと
突かせてくれたのが素人目にもわかった。
「フェンシングっていろんな種目があるんですね」
練習してる様子から明らかに種目によって動きが違っているのが見て取れた。
「そうね、3つあるんだけれど……日本じゃフルーレが一番競技人口が多いの、でも世界的にはね……」
世界的には……?
「今からやるエペって種目が一番人気なのよ、ルールが単純だからね」
「そういうものなんですか……」
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