第7話
「よろしくお願いしまーす!」
彼女は私より少し小さくて可愛いかんじであまり運動もできそうにないかんじなのできっと下手くそ同士で上手くやっていける、そう思っていた……。
「入部ってことで基本的な構えとかは昼休みに先に教えておいてやったぞ」
「そうなんだ。じゃあストレッチ終わらせたらこの子と一緒にファントやってくれる?」
「はい、わかりました!」
一人じゃきつかったけど同じ初心者同士2人ならきっと辛いことも頑張って乗り越えられる、きっとそうだ!
ダンダンダンッ!!
「良いよ~フォームも完璧、この調子で頑張って、きつかったら休憩しても大丈夫だからね」
「あ、全然大丈夫です!」
なめらかなファントを淡々と続ける彼女……昼休み教わっただけでこれとかチートだろ……!?
なぜだ、なぜはじめたばかりでこんなきついトレーニングがあんなに涼しげな顔をしてこなすことができるのだ? 数えてないけれどもう私のやった回数より多くこなしてるんじゃないのか、それでも一向に苦しい素振りを見せない……いっしょに辛さを共有するどころかわたしがますますみじめになって肉体的にも精神的にも辛くなっていっただけであった…………
「おーやっぱバドミントンやってただけあるなー」
「・・・・!?」
「あーフェンシング選手ってバドミントントレーニングに入れる人多いよね」
「そうそう、シャトルを拾いに行くときに手を伸ばして足を出すのがちょうどこのファントと同じ動作だから
なのかやっぱり初心者ってかんじがしねーだろ、こいつのはさ」
そういうことだったのか、わたしも中学でバド部に入っておけばよかっ・・・・た・・・・
バタッ!
・・・・・・ここは、どこ・・・・・・だ・・・・・・?
わたしはどこにいるのだ?
いや、わたしはわたしなのか、なんかこう・・・・・・自分の体ではないような違和感を感じている。
「あー!!」
私の声はこんなに高かっただろうか?
私の手はこんなに細かっただろうか、私の体はほんとうにこんなだったのだろうか・・・・・・!_
では今の私はいったい誰なんだろうか・・・・・・
そしてこのベッドはなんだろうか、窓から見える景色は今までに見たことがないものだった・・・・・・・・。
なんじゃこりゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
なんとなく予想はできていたつもりではあったものの、ベッドから起きて姿見があったのでそれを覗いたときはそれでもそう叫ぶしかなかった・・・・・・・・・。
あっ・・・・・・しかも大声を出したとなれば声を聞かれた誰かがやってきて状況について説明を受けるかもしれない・・・・・・どうすれば良いのか? 私はこんな姿になった記憶など全くない、というか誰かからそうなった経緯を聞けばどうにかなるものなのであろうか・・・・・・!?
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