第6話
「なれるまではできるだけ同じ歩幅で同じ足幅に戻ることを注意して!!」
もう10分以上同じ前進動作ばかりやっていた……しんどい……。
パンパン!
先輩は手を叩くと
「じゃあ次はロンペ、後ろへ移動するやつね、これはマルシェと逆に最初に前足で地面を蹴ってから後ろ足を移動させる」
見本を見せてくれた先輩のやったように見様見真似でやってみる。細かく丁寧に……
「あー、忘れてた。ロンペはマルシェと違ってもうちょい思い切って大きく移動して良いから、踏み込みの良い相手のアタックが来たら一発で終わっちゃうし!」
なんだ前と後ろで歩幅は変わるもんなのか……。
じゃあ今度はマルシェとロンペ混ぜてやっていくよー!」
「マルシェマルシェロンペ、マルシェ、ロンペドゥー!」
ドゥー……?
「あー、言い忘れてたけどドゥーっていうのは2回やれって意味ね、ロンペドゥーならロンペ連続で2回マルシェドゥーならマルシェ2回やってってこと」
なるほどそういうことか、というかこれってフランス語かな? フェンシングってフランス語多いのだろうか……
「いきなり速くやろうとしないで良いから丁寧にスタンス保ってバランス崩さないよう意識してー、あと体がなるべく上下しないように!!」
見よう見まねで先輩のように手を伸ばしてみる
「ギータカちゃん、ちがーう! ちゃんとヒルトを手にくっつけておくの、じゃなきゃ最初のうちは狙いが定まらないからね。」
ヒルトってなんだっけ?柄の一番端の部分のことかな?
直されたのを見ると多分それっぽいようだ。先輩は話をつづけた……
「そして左足で地面を蹴って右足を前に出す、これがファンデヴね!」
これもやってみる、がすかさず
「また体が上下しちゃってる、それじゃ狙ったところからズレちゃうからそれやらないようにね、あと後ろ足で飛びすぎ、後ろ足の位置は元の位置からほとんど動かないようにしとくの、昔は後ろ足でいかに遠くへやれるかっていうのもあったらしいけど、今はリポストされることも警戒して必要以上に突っ込まない!」
見よう見まねで先輩のように手を伸ばしてみる
「ギータカちゃん、ちがーう! ちゃんとヒルトを手にくっつけておくの、じゃなきゃ最初のうちは狙いが定まらないからね。」
ヒルトってなんだっけ?柄の一番端の部分のことかな?
直されたのを見ると多分それっぽいようだ。先輩は話をつづけた……
「そして左足で地面を蹴って右足を前に出す、これがファンデヴね!」
これもやってみる、がすかさず
「また体が上下しちゃってる、それじゃ狙ったところからズレちゃうからそれやらないようにね、あと後ろ足で飛びすぎ、後ろ足の位置は元の位置からほとんど動かないようにしとくの、昔は後ろ足でいかに遠くへやれるかっていうのもあったらしいけど、今はリポストされることも警戒して必要以上に突っ込まない!」
ダンッ!
足があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…………。
「あー今のはダメ、体ぶれすぎノーカウントでやり直しね!!」
きつすぎるこの練習は……
これたしかテレビでやっていた筋力トレーニングの「ランジ」って種目によく似てるな、そういえば……
一度それ見たときやってみたらかなりきつくてすぐ止めた気がするけど今回はそういうわけにはいかない。
下半身の筋トレは大きな筋肉を使うからか全身運動のように息も上がってしまう、こういうときは深呼吸して……ってそれでも苦しい…………。
「おーい、新入部員連れてきてやったぞ~」
体操服のカバンの色を見ると私と同じ色、ということは1年生か。それなら同じ練習で同じようにきつい思いして苦しみを共有できるかも……そんな淡い期待を抱いてしまう……。
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