第2話
キンキンピーッ!!
「アルト、アタックトッシュポワン!」
オパイヨォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
「いけるよいける!」
甲高い金属音と機械音、そして叫びと声援がこだまする。
熱気がこもる体育館、室内の温度と湿度はMAXだ。
「さあもう一本、丁寧に!」
まだまだこの暑さは終わりそうにない、むしろここからだ。
「マルシェ小さく!」
「ちゃんと足使って!」
キンキンカンっ
タンタンタンッタッ!!
気が付けばこんなところでずっとこんなことをしていた……
キーン!!
「アールト!」
試合は8対8のまま延長戦にもつれ込むことになった。
ピッピッピッピー!
プライオリティは相手にわたった。つまりあと一分以内にこちらがシングル(同時突
きにならないように自分だけが相手を突く)で得点できなければこちらの負けが決ま
ってしまう……
負けたくない、ここでなんとしても突いて2回戦に駒を進めたい。もうこの種目で部
内で残っているのは自分しかいないのだ、1年だからと言って物怖じしている場合じ
ゃない。
「行ける、気合いだよ、気合い!」
この数か月先輩方に教えてもらったことをまだ完全に発揮できてはいない、それを今
からここで爆発させてやるのだ!!
「アンギャー!」
「エトヴプレ?」
「アレ!!」
--そう、あの時から始まった。なんとなく覗いた放課後の体育館、すごい声と熱気と
金属音と機械の高いSEが響く中に足を踏み入れた。
そしてすぐ飛んできた、ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
ン!! それからの記憶はあまりない。ただあのとき私の中に何かが入ってきた。
それが何かは気が付いてすぐにはわからなかったけれど後々知ることになるのだっ
た。再びあの体育館で剣を握ったときに……
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