第7話

そんなこんなで最後はゴリ押し戦略でグダグダに勝って、無事帰還。

マイニングは予定通りされており、収入ゲット。

だが、一難去ってまた一難。思いもしない難敵が待っていた。


「ダウンロード容量……1PB……?」


シンクライアント型端末にそんな容量積んでるかよ。


とりあえず明日考えよう。おれはHMDを外し、自分のベッドに倒れ込んだ。


週末。

おれはようやく市街地の電気屋まで出かけて外付けストレージを買い、端末にデータを落とした(更に丸一日かかった)。この前ある程度は儲けが出る算段がついたのでその後はBGをすることもなく端末で動画サイトを見たりSNSを見たりしつつ、今回の件で行きつけの攻略フォーラムになにか出てないか調べてみる。


【クリプトグラムって知ってる?】

【暗号。暗号文。クリプト。のことやで】

【博識ィー】

【コピペ乙】

【でなにそれ】

【コンテナからドロップした】

【は?】

証拠を出そうにも1PBあると言ったら一瞬でデマ扱いされ、ムカついてスクショを貼るためにBGを起動しようとする間にスレッドは管理人削除された。目ざとくIDを覚えた奴からすぐさまファンメッセージ(スパムメッセージ。と読み替えよう)が数件届いたが、それに混じって


【すぐ行きます。出かけないように】

というホラーかサスペンスなメッセージが届き、数分後チャイムが鳴った。


死んだと思った。

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