クラスのリア充ギャルに話しかけられた件



僕、菊池斗真は今朝は妙な視線を感じる。



朝、ランニングの際にである日向萌香、皆瀬蒼から必要以上に見られる。


彼女たちらしからぬ不審な行動だ。

※お前が言うな。


同じバスに乗っている小緑風花は、僕の方を見る。


バスに乗っている時は基本的に外か、俯いている彼女が僕を見るとかおかしい。

※だからお前が言うな。


そしてそして、最近だと遠くから双眼鏡で僕のことを見るかつての上司である柴野奈月


こっちに転生特典の一種なのか、双眼鏡要らずの視力になっていたことに気付けましたありがとう。


それはともかく、魔法少女を見ようとするあまり、魔法少女も僕を見ている……そうういことですね、ニーチェ先生!

※絶対に違う。



そして極めつけは……同じクラスにいる、高坂茜



クラスの配置上こちらを見ることは無いが……魔法の力を使って僕を監視しているようだ。


くっ……こういうときは魔法の力が無いのが悔やまれる。


僕にも魔法があれば四六時中、魔法少女たちを観察できるのに!

※こいつに魔法を特典にしなかったのはGood Job



まぁ……やっぱり僕の正体がネビュラシオンのゲイザーであると疑われてる状況なんだろうな、これ。


いや、まだ僕の新しいコードネームは知らないから“下僕”って方なのかな?


あんな幼気な魔法少女たちから僕は陰で“下僕”と呼ばれている…………………………ふぅ。

※お巡りさんこいつです。



――って、悦に浸ってる場合じゃない。



これはマジでまずい。


僕の正体がバレてしまったら……いや、この場合は逆なのか?


……いやでも、個人的にはゲイザーが“転生してきた元々の僕”で、今の僕はこの世界に“元々いた菊池斗真”を演じているって感覚だから間違いでもないか。


って、どうでもいいやそんなこと。


とにかく、正体がバレたらもう僕は高校生の身分を捨てなければならない。


それでは魔法少女たちの日常風景を観察することが非常に困難になる。


それは困る! 非常に困る!

※やめるとは言わない。



なんとか今の僕とゲイザーは別存在だと認識させなければならない。


ならないのだが……今、僕の頼もしい相棒であるグラトニーはフォラスが連れてきたスライムの新人教育……というか、例の薬の成分を教え込ませるために調教というか……とにかく忙しいのだ。



「ねぇ」



そして僕がいまだに高校生の身分でいることを知っているのはグラトニーとフォラスだけで他に協力は仰げない。


フォラスは僕が先代総帥のカイザーより、しっかり根を張ってネビュラシオンが地球を支配するために人類の反応を見ているのだろうと、勝手に深読みしてくれた。



「ねぇってば」



まぁ、最終的に魔法少女たちを勝たせてネビュラシオンはこの世界から退場はしてもらうけど、彼女たちのハッピーエンドが望ましいのでその辺りのバランスも調整するからあながち間違いでもないかな。


ただ、総帥が普通に人として生活しているというのは気に食わないという荒くれ者も多いし、現に僕はネビュラシオン全体から恨まれているから隠しておいた方が良いということで黙っているのだ。



「もしもーし」



故に、グラトニーとフォラスの手が空くまでは、僕は単独でこの危機的状況を回避しなければならない。


逆に魔法少女たちに敢えて仲間として振舞う、二重スパイの立ち回りもある意味魅力も感じるが……駄目だ、魔法少女ものだとこれ絶対的に懐柔されて味方に付く。



「ちょっと、もしもーし?」



そして何より、僕が女ではなく男であり、魔法少女モノの味方としては極力排除しなければならない存在である。


故に、そんなガッツリストーリー展開に絡む立ち位置は論外。やっぱり何が何でも正体は隠すしかない。


……っていうか、さっきから高坂茜が話しかけてるのに反応してない奴誰だよ?


さっさと答えてやれよノロマが。



「ちょっと、寝てるの~?」


「……え?」



顔の前で手が振られて何事かと思ってそちらを見る。


そこには高坂茜が立っていて、僕を見ていた。


周囲を見回すと、クラスメイトたちも物珍しそうに僕を見ていた。



「……えっと、あの……僕?」


「いや、当たり前じゃん。っていうか無視って酷くない?」


「ご、ごめん。ちょっと考え事してて。


それに……あの……高坂さんに話しかけられるなんて思ってなかったから」



くっ……しまった、まさかこんなに早く、昨日の今日で接触されるとは……! やはり、昨日の鞭の音で反射したのが怪しまれているのか。



「まぁ、確かにそうかもね。


同じクラスだけど話したことってあんまり無かったよね」


「う、うん。


それで、一体どうしたの?」


「まぁ、別に大したことじゃないんだけど……菊池って、何かバイトしてるらしいじゃん?


昨日そんな話聞こえてきてさ」



そういえばそんな会話をしていたな。



「あ、あー……まぁね」


「もしよかったら、ちょっと今日の放課後、バイト代わりってことで手伝ってもらえないかな?」


「手伝いって……えっと、どういうこと?」



高坂茜は読者モデルになっているのでたまに撮影などしているのは知っている。


だが、そこに僕が関与するような余地はないはずだが……



「ちょっと屋外の撮影あるんだけど、人手が足りないの。


荷物運びみたいな簡単な奴ばっかりだけど、バイト代は弾むから、ね、お願い」



両手を合わせて可愛く小首を傾げる高坂茜。


普段はお姉さんキャラなのに、こういう可愛い仕草もできるギャップがなかなかに堪らない。


だが、これは乗ったらダメな奴だ。


向こうの陣地に入っては絶対に僕の正体がバレる。


ここは自然に、そして相手に不快感を与えないように断れ。



「あー……折角の話だけど元々のバイトがちょっと忙しくてさ」


「え……あ、でも他に空いてる日とかあるでしょ?」


「成績落とすなって親からも言われてるから…………勉強もしないといけないから」


「そ、そっか……じゃあ仕方ないよね」



高校生にとって勉強は大事。


これを持ち出して、特別仲がいいわけでもない僕を無理に誘うことはできない。


そしてここで、印象を悪くさせず、かつ僕を誘うことのないように予防線を引く!



「あ、そうだ、そこの三人もバイト探してる最中だよ」



――行け、童貞トリオ!!


僕が指さしたのは、昨日一緒に昼食を食べた級友三人。


僕に話題を振られて、待ってましたといわんばかりに席を立ってこちらに来た。



「俺、やります!」

「いや俺が!」

「俺に任せて下さい!」



リア充ギャルの高坂さんは本来なら僕たち陰キャとは対極にして天敵な存在だが、彼女はどんな相手でもこちらがよほど失礼なことはしない限りは優しいという、天使のような人格者。


童貞にとっては女神にも匹敵する存在!


そんな存在と仲良くなりたいと、がっつくのは当然の話!



「え、あ、あー……じゃあ、撮影の場所と日程今日には決まるから、明日話すね」


「「「了解ですっ!」」」



三人そろって敬礼。


大変揃っているが、周りからがっつき過ぎだろこいつらとドン引きされている。


僕もドン引きしている。


……まぁ、あり得ないとは思うが、過剰に高坂茜に接近するなら適当なところで間引くとするか。



「あとで記憶消しておかないと……」



転生特典によって優れた聴覚がそんな高坂茜の声を捉えた。


他の人には聞こえないくらいの本当に小さい呟きだった。


どうやら級友を手にかけてなくて済みそうだ。よかったよかった。


そしてそんなこんなで放課後。


昼休みとかも何か来るかと思ったがそんなことはなく、ただ魔法による監視があるだけ。


僕のまわりになんとも浮ついた級友たちがいたのが要因だろう。


ひとまず今日のところはこれで危機は脱した。


あとはフォラスとはすぐに話し合って早急に手を打たなければならない。



「――菊池、ちょっと来て」



――そう思っていたのだが……



教室を出て、玄関に向かおうとした時、人気の少ない場所でいきなり高坂茜に手を掴まれた。


振りほどくのは簡単だが、相手は僕の敬愛する魔法少女


乱暴なことなどできるわけもない。


そして僕が釣れていかれたのは、元いた世界ではずっと締め切りだったというのに何故かこっちの世界では普通に解放されている学校の屋上



「ど、どどどうしたの高坂さん?」



呼ばれた理由はわかるので、キョドったふりをする。


いや、というか実際にキョドってる。


やばい、詰んだ!


まさか対策を立てる前に一気に詰め寄られるとは!


っていうか、そうか、向こうは何かまずいことがあれば魔法で認識誤魔化せばいいんだから多少強引に出たところで問題が無いんだった!



「実はさ、菊池に聞きたいことがあったんだよね」



手を放し、そして高坂はスカートのポケットに手を突っ込んだ。


――これは、あれか! まさか魔法使うためのステッキ的なアイテムを取り出す気か!


それは是非見たい! 学校の制服姿と魔法ステッキという一見ミスマッチに思われる、しかしギャップが生み出す感動をこの目で見たい!


だが、これは悪魔の選択!


一度でも受け入れたら破滅が待ち構えている!!



――ええい、唸れ、僕の脳内フォルダ!


検索ワード! “ギャル”“二人っきり”“オタク”“童貞”


この状況を打開する、数々の魔法少女と、それに近い雰囲気の百合系、その他暇つぶしに見ていたオタク系深夜アニメのライブラリよ、今こそ火を噴け!!



「――つ、つまり、それって……そういうことでいいんだよねっ……!」


「え?」



高坂茜の手を掴み、スカートから何かを取り出そうとする行動を止める。



「ま、まさかとは思ったけど……つまり、これって、そういうことでいいんだよね?」


「え、え……あの、ちょっと……?」



そうだ、キモくなれ、キモくなるんだ菊池斗真!!


相手のペースを乱し、そして一気にこっちに持って行かせろ!!


魔法少女にキモく思われるとか、むしろ貴重なステータスでそれはそれで燃えるだろ!


童貞のがっつくリアクションに彼女が弱いのは今朝の時点で分かってる!


だからトレースしろ! あの童貞トリオを参考に、そして数々のアニメを参考にしてもう痛々しい勘違い野郎を演出するんだ!!



「じ、実は僕、前から高坂さんのこと、ずっと見てて!」


「え……ぇえ!?」



――そう、告白イベント(踏み台)だ!


魔法少女がいきなり前触れもないモブに告白されてヤキモキし、でも最終的に今の仲間が大事と言って断る、魔法少女たちの友情と成長を描くためのモブ!


その酷い版となって、僕はこの窮地を脱する!



「みんなの人気者で、僕みたいなやつにも話しかけてくれて、それで、凄い優しくて、困ってる人がいたら心配してて、でもちゃんと駄目なことは駄目って言うカッコいい所もあって、笑顔が可愛くて!!」


「あ、え、えと、ちょっと、待っ」



考える暇など与えて堪るかとマシンガントークでほめちぎる。


普段から彼女のことを観察してる僕にとって、彼女の良い所なんてすぐに出てくる。



「授業中小さく欠伸してちょっと震えるところとか可愛いし!


お弁当の時ちゃんといただきますって照れて周りに聞こえないように呟いてるところ可愛い!


箸の持ち方しっかりしてて、友達にマナーを優しく指摘してるところとか可愛いし!


面倒見がよくてみんなに慕われてるけど、実は猫を相手に話しかけてるところとか可愛くて!


恋愛小説とか少女漫画とかよく書店で新刊チェックしてたりするところとか可愛いし!


とにかくもう本当に可愛くて可愛くて、もう何から何まで可愛いし!!」


「き、菊池、わ、わかったからちょっと、お、落ち着いて!」



顔が赤くなっている高坂茜


戸惑っている証拠だ!


さらに畳み掛けろ!



彼女の肩を掴み、そしてすぐ傍の壁の方へと移動させる。


ここで、あの伝説の“壁DON”



「ひゃわっ!?」



突然のことに可愛い声を発する高坂茜



「高坂さん、お姉さんぶってるけど意外と純情だよな。凄い可愛いと思う」



――あぁ~……我ながらキモイ。


――こんな奴がアニメにできてきたら殴りたくなる。今は自分を殴りたくなるくらいにキモイ!



と、とにかく少女漫画を愛読している高坂茜にとってのこのシチュエーションは驚きだろう。


そしてすぐに冷静になるはずだ。


これはイケメンがやるからカッコいいのであって、僕のようなモブがやってもただ相手を不快にするだけ!


そう、別にこれは高坂茜を口説くためではなく、危機感をあおるため!



「す、すすすす好きだ! 僕と、付き合ってください!!」



くそう、顔が熱い!


仕方がないし、結果はわかってるとはいえ、人生初の告白……いや、人生二度目だけど、どっちにしても人生初の告白!


なんだこれ、好意を口にするのってこんな照れくさいものなのか!


リア充どもはこんなことを日常茶飯事でやってのけるのか!? リア充すげぇな!! まじで尊敬してしまう!


――とにかくこれで高坂茜は僕に対して拒絶のリアクションを取るはずだ!


そうすれば少なくとも今日これ以上彼女が僕に接触してくることは絶対にありえない。


ひとまずの窮地はこれで脱する!



「ぁ、あ……え……あの……」



――と、思ったのだが……あれぇ?


高坂茜は、顔を真っ赤にしたまま固まってしまった。


……ちょっと待て、それは違うだろ!


なんで固まる!?


逃げるなり突き飛ばすなんなりしろよ!


好きでもない相手に告白されてもキモがらないとか、天使かよ!


可愛いなチクショウ!! 高坂茜、マジ魔法少女!!(←最上級の誉め言葉)


はっ、そうか! これはもしかしてこれは相手を傷つけないよう「え、なんて?」という難聴キャラを演じて告白を有耶無耶にするつもりなのか?


だがそれじゃ生温い。


この場ではっきりとバッサリ切り捨ててもらわないと、物語の展開的にまだ僕が絡む感じの話が次回まで続くみたいだ。


魔法少女モノに男の存在など敵以外は単発モブだけで十分なんだ!


少なくとも、高坂茜の認識においては僕という存在認識をここで終わらせなければ!!



「高坂茜さん、好きです――付き合ってください」


「――ぇ、あ、あ、ぉ、あ……」



絶対に聞こえるように、顔を近づけてハッキリ、そしてゆっくりを告白する。


これで聞こえないなんて絶対に言わせない。


そして距離も近い。


すぐ傍で高坂茜のいい匂いで頭がくらくらする。



――うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお(以下略)

※うるせぇ



テンション上がりまくってもう頭がおかしくなりそうだぁ!!

※元々おかしい。



これまで馬鹿にしていた単発モブども、お前らのおかげで僕はこんな魔法少女に接近できるぞ!


ありがとう、そしてクソ羨ましかったから死んでくれ、という殺す!



――っていうか、そろそろ本当に拒絶リアクションを取って欲しいんだけど……



「あ、あの、私、その……」



顔を赤くして俯いてしまう高坂茜


――あかん、これ絶対にあかん。


押しに弱すぎるよこの子! 可愛いけど、これじゃあ他の野郎に狙われる!


今後この子の監視体制をさらに強化しなくては!!


というか近づく男は優先的に間引かなければ……!



って、違う違う今はこの状況の打開!


こうなったらもう、ビンタとかされること覚悟で――!!



俯いてしまった高坂茜の顔に手を当てて、強引に上を向かせる。


目と目が合う。



「――高坂さん、好きだ」



囁くように告白し、顔を近づける。



――さぁ、拒絶、拒絶しろ! 拒絶、拒絶、拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶拒絶!!



――5cm



おい、早くしろ、本当に早く、早く早く早く!



――4cm



いいのか高坂茜!?


このままじゃ大事な大事なファーストキスが、僕みたいな陰キャに奪われるんだぞ!?



――3cm



ここまでやって拒絶しないとか、もう優しいを通り越して馬鹿じゃねぇの!!


守ってあげたくてしかたなくなるじゃねぇかよこんちくしょう!!



――2cm



いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!


早く拒絶しろってば! ねぇ、本当にキスしちゃうよ!!



――1cm



このままキスしちゃっていいのか僕!? いや、それ絶対に駄目、アウト!!


誰か、誰でもいいから僕を止めてくれぇぇえええええええええええ!!!!



そしてまっすぐに見ていた高坂茜が、目をぎゅっと閉じ――いや閉じちゃ駄目だろ、瞼じゃなくて手をうごか――



「ぎゃぼんっ!?」



猛烈な衝撃を頭に受け、突然のことに一切の防御も覚悟もしてなかった僕は、頭の痛さから徐々に体から力が抜けていくのを感じた。


あ、これ、前に上司にやられたからわかる。


ガチで気絶する奴だ。



「ぅ、ぉ……」



薄れていく意識の中、僕の視界には見覚えのある鞭が地面に叩きつけられるのを見たのだった。



――上司……マジ、魔法少女…………ぐふっ





「……奈月?」



唐突に、先ほどまですぐ傍に迫っていた菊池斗真が、いつの間にか地面に倒れて気絶していた。


代わりに、魔法の力を行使するためのコスチュームに変身した奈月が立っていた。



「心配して様子を見ていれば……いったい何をしてるのよ?」


「…………え、っと……あの、これはその……違くて」


「何が違うと? こんな男に言い寄られて、されるがままだったみたいですけど?」



じろっと、奈月は気絶している菊池斗真をゴミを見るような目で見る。


やったね菊池斗真! 上司からの好感度が接触しなくても丁度良く下がったよ!



「あれだけ自信満々に任せなさいって言っておいて……」


「そ、それは…………ご、ごめんなさい」



言い返すこともできず、申し訳なさそうに謝る茜。



「……というか、ちょっと……大丈夫なの? 菊池、死んでない?」


「ちゃんと急所は避けわよ。


……でも、少し失敗したわね。一般人相手に記憶を消す魔法だけ使えばはっきりわかったのに」


「え……こうしてあっさり気絶してるんだから、やっぱり菊池は探してた戦闘員じゃないんじゃないの?」



茜の認識では、探している戦闘員はむやみやたらに頑丈な認識だ。


だからこうして目の前で気絶している彼を見ても、同一人物だとは思えないのだ。



「あいつは確かに頑丈だけど、同じ攻撃して気絶したことはあったわ。


隙だらけのところに攻撃は流石に効くみたいだ。


記憶を覗く魔法を使えれば手っ取り早いけど……使い手は今は近場にはいないみたいだし」


「……奈月はまだ菊池が戦闘員の可能性があるって思ってるの?」


「……一応可能性はあるってだけよ。


あのヘタレが、あんながっつく様な告白するような度胸があるとはちょっと思えないし」


「こ、告白って……」



先ほどの菊池斗真の言葉を思い出して顔を赤くする茜。



「なに、こういうのが趣味なの?」


「べ、別にそういうわけじゃ……ただ……今まであんまりこんな経験なかったから」


「……………………」


「ち、ちょっと、何よその目は!?」


「別に何も言ってないけど」


「目で言ってる! 絶対なんか目で言ってる!」


「はいはい、意味わからないこと言ってないで、ひとまず念のために記憶消す魔法と、気付けの魔法をかけて帰るわよ、自称お姉さん」


「ほら、今言った! というか自称じゃないし!」


「はいはい、お姉さん(笑)」


「な、奈月ぃいいいいい!!」






※今回の結果

――菊池斗真 疑惑度down 「やったね!」


対象

――高坂茜 好感度up(微) 「何故? マジ魔法少女すぎないこの子?」


――柴野奈月 好感度down 「順当だね!」

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