第16話

 三十人ほどの集団が森を歩く。この場にいる者達の年齢はバラバラで歩く速度も遅い。年配の者に合わせて歩いてるためだ。

 共通点はみんなが怯え、絶望した表情をしており、一様に暗い雰囲気だ。


 すすり泣く声、怯え呻く声。恐怖で呼吸が荒くなる者、さまざまな声がして不協和音を奏でる。


 森の中をなぜこの集団が歩くか。簡単だ、死から逃れるため。苦痛から逃れるため。後ろは地獄だ。黒い地獄だ。いつ、黒い地獄が追い付いてくるか。振り向けば目の前に地獄はいないか。ただただ恐怖に追い立てられて。


 俺は今みんなの最後尾を歩いている。後ろから魔物が追いかけてきたら盾で守るために。黒い炎が追ってきたら皆を守るために。約束をしたのだ、守ると。


「もう少しで森を抜ける。親父達、大丈夫か……」


 脅威が迫ってくるのではという嫌焦燥感を感じ、親父達は無事なのかと不安に駆られる。


 実際、あのフェンリルの威圧感は生存を諦めるには十分であり、フェンリルの目を覗いたときの底知れぬ黒さは酷い恐怖を沸き起こした。


 あの存在の相手が人間に出来るのか? 俺達貧弱な人間があの狼の皮を被った化け物から生き残れるのか?

 ただ、嫌な思考しか出来ない。


 俺に出来るのはあの凄惨な現場から出来るだけ離れ、生き残ることを祈るだけだ。


「ほら、ばぁちゃんがんばれ」


「ママァ、パパはー?」


「大丈夫よ、大丈夫。後で会えるから」


「くそっ! なんで急に……スタンピードなのか?」


「いや! 離して! 彼を迎えにいかなきゃ!」


「落ち着け! 今は安全な場所へいくんだ!」


 隣人を心配し、大切な人を思い、原因を考える者、様々に思いが交錯する。


『ダメだよそこで止まって』


 ふと、誰かに呼び止められた気がし、思わず後ろを振り向く。だが、何もいない。黒い軍勢も、両親も、他の村人も何もいない。なんだ?


「気のせいか?」


 俺は疑問に思いながらも進もうと前を向いた瞬間。


「うぐっ!?」


 ボッ! と爆発が起き、爆風で吹き飛び近くの草村に落ちる。

 全身に激痛が走り、爆風の衝撃と熱、落下した時に打ち付けた痛み、それが混ぜ込ぜになって襲う。


「な……なにが?」


 突然巻き起こった現象に戸惑いを隠せず、しかし状況を確認しなければと痛みに萎縮する身体を奮い立たせ、四つん這いになりながら草むらをかき分け ると、地獄の光景が広がっていた。


 まず、黒だ。黒い炎が揺らめき、燃え盛る。焦げ臭さと、とても嫌な匂いが鼻をつく。熱気が頬を暖め、目が乾く。そして、聞こえる幾つかの悲鳴と呻き声。黒い炎の中で狂い踊る黒い影。微動だにせず横たわる人の形をした黒いナニか。


 この匂いが何か理解し、激しい吐き気が込み上げる。身体が震え、手が震え、足が震える。何もかもが震えて止まらない。

 見たくない、息をしたくない、感じたくない。それでも呼吸を続ける、ただ見てるしか出来ない。


「あっはははははは! 素っ晴らっしいいい! これっぞ! 究ぅ極のをぉ芸っ術! 私の黒い絵の具が! うっつくしいぃ華が! 世界を彩る!」


 耳障りな甲高い声、圧倒的なプレッシャー。音を発すれば死が降りかかる恐怖。それが上空から聞こえる。俺はただ潜むことしか出来ない。



 声がする方向へ目を向けると、黒いローブを纏った赤髪の端正な顔つきの青年がいた。


 彼は黒く平べったいチョウチンアンコウのような魔物に乗って惨劇を見下ろし、狂喜に染まった声を上げて嗤う。


 その顔は酷薄でありながら恍惚な表情をして口元に笑みを浮かべ、目は黒く先ほどのフェンリルを彷彿とさせる。


「これでっ! イレギュラーは死んだな! あっはっはっはっ! こぅの芸っ術を! ア~クス様に捧げまっす!」


 狂気と狂喜を孕んだ笑い声が俺の鼓膜を震わせ恐怖を煽り思考を阻害する。ただただ見ているだけの幼子へと戻った気分だ。


「さって! アークス様のもとへっ! 戻らなけれっばっ!」


 独特な口調で大袈裟な動作をしながら、奴は黒いチョウチンアンコウを操りながら飛びさっていった。

 黒い地獄だけを残して。


 もはや生ける者がいない、黒い炎が支配した光景を眺めて、ついさっきまで動いていた村人を思い出す。


 あの日と同じだ。ルーナが選ばれた日。俺は手を伸ばすことが出来なかった。ただ叫ぶだけの非力な男だった。

 では今はどうなんだ?


 叫ぶことも出来ず、動くことも出来ず、ただ震えるだけの憐れな人間。あのときよりなお酷く醜い非力な卑怯者だ。


 どれほどそこで黄昏ていたのか。気付くと目の前の黒炎は消え、かつて人だった黒いモノを晒していた。


「親父とお袋は?」


 もはや冷静な判断などつくはずもなく。とにかく両親の心配をした。ゆっくりと立ち上がり、震える足を無視して、フラフラと亡霊のように歩く。


 やっと村の入り口に着いた。だが、何故か静かだ。最後に見た村は悲鳴と唸り声が支配した地獄の一幕だった。

 今は静まり帰り、なんの気配も感じない。所々に焦げた後が目につくが、俺は村を進む。


 最後に見た頼もしいあの背中を求めて。そして、辿り着いたその場所。しかして誰もいない。あるのは幾つかの抉れた大地と、焦げた建物。あとは黒い塊。


 何故かその黒い塊に引き寄せられるように足が動く。ゆっくりと、確実に。


 徐々に近付くと人の形をしていた。折り重なり、まるで下の人を庇うようにそこにいた。その傍らには杖らしき炭化した物が転がっていた。


 下の人は左腕が無く長い細い棒を右手に持ち、上の人は下の人の首に右腕を通している。

 その光景は愛する人が負傷し、悲観に暮れていた所で燃えたかのようだ。


 力無く膝を屈し、ただ眺める。もし俺に力が、あいつらのような特別な力があれば。せめてあいつらがいてくれたら状況が変わっていたかも知れない。なんで特別な力を持っているのにこんな時にいないんだよ。


 なんだろう胸に黒くグルグルと、ドロドロと何かが渦まいてる。とても気持ち悪い。これに身を任せるとマズイ気がする。

 俺は無力な自分を呪い、ただ虚しくその瞳に絶望を宿す。



  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



「……最悪な寝起きだな」


 最悪な気分で目を窓に向けると、窓の外はまだ暗く起きるには早いと自覚する。

 だが、このまま寝ることで再びあの夢を見る可能性を考えると、目をとじることが出来なかった。


「……起きるか」


 とりあえず行動せねばと起き上がり下の階に降りていく。

 ここはローガンさんとジリアンさんの武器屋、兼自宅。

 二階建の木造住宅で、一階は店舗と武器の加工場、リビングがあり、二階は寝室がいくつかある。


 一階に降りて水を飲んで時計を確認する。時間は午前四時前。

 起きるのにはやはり早いが、既に頭は覚醒しておりベッドに戻っても無駄な時間を過ごすことは分かりきっていた。


「早いけど、身支度して大鍋屋にいくか」


 朝食は大鍋屋で食べることに決めていた。やはり朝はバッシュと共に朝食を済ませ、その日の予定を決めたいのだ。


「紙は何処だ? ……あった」


 適当にあった白紙の紙を取り、書き置きを残す。その後、部屋へと戻り服を着替えて装備を整える。昨日補修を頼んだフロントプレートはキレイになっていた。俺はそれを感謝の気持ちを込めながら装備する。


 廊下に出てローガンさん達の寝室の前にいくと、俺は静かに頭を下げた。


 頭を上げ、階段に向かう途中にはロゼッタの部屋があり、そこに元気でなとドア向こうにいる妹分へ目で伝え、階段を降りていく。


 リビングの裏口から外に出て通りへ向かい、店の前に回り込む。

 俺は店を一度眺め、「いってきます」と呟き、歩きだす。


 幾分か気分がいいな。ローガンさん達と一緒にいたからかな。久しぶりにゆっくりできた。




 少しして、大鍋屋に着くと中に入り食堂へと向かう。


「おはようベスタちゃん」


 中に入ると丁度ベスタちゃんがテーブルを拭いて回っていたので、声を掛けてみた。


「あっ! おはようございます! ……えーと?バッシュさんのお友達さん!」


「アルヴィンね」


 お客様の名前はちゃんと覚えようね。


「あっ! そうでした! ごめんなさい」


 笑顔で謝ってくる。まぁお客さんは多いからね、名前覚えるのは大変だろう。何でバッシュの名前が出るかを追及しないのが俺のためだ。


「昨日は泊まらなかったんだけど、朝食はお願いね。たしか明後日の分までは払ってるから」


「分かりました、父に伝えておきますね」


 大鍋屋の宿泊料は二週間分を一括で払ってる。一月だと料金が高過ぎ、一週間だとあっという間に過ぎてしまうからだ。


「お願いするよ」


 ベスタちゃんに伝えた後は一度部屋へと向かう。二十一階層攻略のためにマジックポーチからアイテムを取り出すためだ。


 部屋へ到着し、鍵を掛けてマジックポーチを懐から取り出す。一覧を表示して必要なアイテムを取り出してチェックを開始した。


 チェックが終わると外が白ずんでいく。明るくなっていく外を眺めながら、俺は昨日の事件を思いだして整理する。


 あのビリスは俺のことをイレギュラーと呼んだ。神敵とも。あの男の立場を考えるに、スキル関連なのだろうか? 例えば奴らの脅威となりうるスキル。俺はユニークスキルを所持している。だが、勇者や聖女、剣帝などがもっと脅威だろう。


 ユニークスキルを所持する者をイレギュラーと呼ぶならロゼッタはどうだ?

 ロゼッタは成人の儀式を受けたがアークス教に襲われていない。


 ならばユニークスキルの線は薄いかも知れない。


 もしくは強盾その物か? これはあり得るかもしれない。強盾のスキルは過去の資料を漁ったが、一切の記録が見つからなかった。


 もし、強盾のスキルを見つけて即排除していたら残らない可能性もあるのか? いや、あの儀式を全てアークス教が管理している訳ではない。隠し通すのは無理か。ならば、なんだ? 俺に当てはまる事柄。


 髪色か? 俺は白髪だ。探しても完璧な白髪は老人くらいなものだ。生粋の白髪など探しても簡単には見つからない。


 いや、それもありえない。俺はここに住んで四年近くになる。それだけいればアークス教の目につくはず。今まで襲撃されないことがおかしいよな。


「……転生者か」


 最もありえる可能性。やつらは転生者を警戒していて、排除する対象にしているのか?

 成人の儀式であの鑑定を受けると転生者と分かる可能性はあるかもしれない。


 何故だ? ユニークスキルなら奴らの脅威になる可能性があるために排除するのは分かる。

 だが、転生者に一体何がある? 死んだと思って気づいたら転生していて、なんの情報もなく放り出され、これといって特別な能力もない。


「アルヴィンいるか?」


 思考に耽っているとドアのノックが響き、バッシュの声が聞こえた。もう朝食の時間か。


「あぁ、今いく」


 一旦考えるのはやめよう。幸い俺と同じ転生者はもう一人いる、そいつに聞いてみるか。

 俺はバッシュと共に朝食を食べに向かった。




「おはようございます! バッシュさん!」


 俺とバッシュはギルドでマルサス達三人を待っていた。いつもの如く俺だけに挨拶しないマルサス。ぶれないね。


「おう、おはようみんな」


「おはようございます」


 俺とバッシュが挨拶をすると、女性陣も挨拶を返してきた。


「マルサス~ちゃんとアルヴィンさんに挨拶しなよー」


「あっ! ごめんアルヴィン忘れてた。おはよう」


「……おはよう」


 リズに言われて挨拶してきた。わざとらしいんだよ、まったく。


 その後、今日のダンジョン攻略の打ち合わせで、装備とポーション類の確認、今日の目標を決める。

 そして、俺の昨日の事件をみんなに話した。ただ、五神教と行政関係の話しは伏せて。


「うっわ、アークス教って、あの噂のアークス教だろ? 色々大変だったな」


「くくくっ、まぁ、アルヴィンは女運悪そうだからな、ぷふふふっ」


 バッシュが俺に同情してくる中、空気を読めないマルサス君は俺を小馬鹿にしてくる。覚えてろ。


「ドンマイです、アルヴィンさん。これで大人の階段が遠のきましたね」


「がんばってください」


 ヴェラは慰めてるのか馬鹿にしてるのか分からんな。……いや、昨日の朝のやり取りを思うに馬鹿にしてるな。リズは適当だ。


「あぁ、新しい恋を探すさ。もうキャバクラいくのやめるよ」


「恋をキャバクラで探してたあたりにダメっぷりが滲みでてますよ」


 ヴェラが鋭利な言葉という刃物で切りかかってくる。傷付いた男に厳しいパーティーだ。


「やあ、アルヴィン君。ユニオンの件は決まりましたか?」


「へっ? アルド支部長?」


 アルド支部長が俺に声を掛けてきたのだが、何故かユニオンの話しを振ってくる。まさか俺達も参加しろと?


「まさかアルヴィン君忘れてたかい?」


「いや、ハドックやガルフェン達のパーティーだけを誘っていたのかと思って。」


「出来ればアルヴィン君のパーティーも参加願いたいですね。君達のパーティーも十分戦力として期待出来ますから」


「おいアルヴィン。ユニオンて何の話だ?」


 バッシュが聞いてきたので、アルド支部長がユニオンの件を説明してくれた。


「なるほど、報酬はいくらですか?」


「参加報酬で一人金貨二枚です。あとは討伐報酬は通常の査定になります」


「金貨二枚か! それは……かなり魅了的ですね。」


 ユニオンの参加報酬は基本的に銀貨五枚である、今回の金貨二枚はとても破格だ。……何かあるよね?


「支部長、なにか隠してます?」


 俺はとても嫌な予感がしたので探りをいれてみることにした。


「……実は、竜らしきモノが目撃されました」


「うえ……割に合わない可能性がでてきたな」


 つい、本音が出る。竜。この世界最強の生物だ。下位種から上位種とあり、さらに最上位種が存在する。強さで分けられているが、知能も上位にいくほど高くなる。

 下位種でも銀級冒険者が推奨されるほどで、かなり危険な生物として認知されている。


「まぁ、確定ではないのでなんともいえませんが。それに今回は勇者様が参加なさいますので、そこまで危険ではないでしょう」


「断る!!」


 俺は即断った。だって勇者だよ? 一緒にあいつくるやん。いやだよ、顔も見たくない。わりと真摯に。


「即答ですか……」


「いや、アルヴィンよ参加しようぜ。どうせ勇者達が参加したって合う可能性はそんなないんだし」


 バッシュが説得をしてくる。確かに報酬がかなり美味しい。竜という不確定要素があるかもだが。勇者達に関しては、遭うことはたしかにないかもな。相手は要人、かたやただの冒険だ確率は低いな。

 まぁ、もしホントに竜がいるならここも危険な可能性があるしな。


「……分かったよ。じゃ俺は参加に一票」


「俺も一票!」


「じゃぁ私も一票~」


「私も一票です」


「よし全員賛成だな。アルド支部長宜しくお願いします」


「えぇ、こちらこそ宜しくお願いします」


 アルド支部長に参加の意志を伝えるととてもいい笑顔で奥に戻っていった。

 そういえばバッシュは赤鬼の二つ名持ちだもんな、そりゃ参加してくださいって言われるか。俺みたいな足手まとい一人増えても大したことないだろうしな。


 ギルドでの確認作業が終わり。二十一階層でやれる依頼を受けてからギルドを出てダンジョンに向かう。

 途中で俺はヴェラに話しかけ、情報を聞き出すことにする。


「ヴェラちょっといいか?」


「何? アルヴィンさん、女の子の口説きかたでも知りたい?」


 是非とも教えて頂きたいです、はい。でも今はもっと重要なことがある。


「後で是非ともご教示を贈りたく存じます。でも違うんだ」


「じゃなんです? あと、教えてもアルヴィンさんはまず役に立たないので諦めてください」


 ヴェラ辛いよ。辛すぎ。激辛で涙がちょっと出そう。


「……ヴェラ、お前さ成人の儀式の後で何か事件はなかったか?」


「……! あの、アルヴィンさんも……なにかあったんですね?」


「あぁ、俺の村が壊滅してる」


「! そうですか……実は私の村も壊滅したそうです。知ったのは私と同じ村の出の人から聞きました。私の成人の儀式が行われ四ヶ月後に壊滅したと」


 確定だな。奴らは転生者を狙ってる、何故かは知らないけど。


「そうか……」


「アルヴィンさんの村も黒氷にやられたのですか?」


「違う、俺は黒炎だ」


「そうですか…………! まさか! アークス教が村を襲ったのって!」


「多分な。俺はアークス教のビリスからイレギュラーと呼ばれた。俺の村を襲ったビギニンもイレギュラーを狙って襲ってきたんだよ」


 残酷だが真実を濁すよりハッキリと話したほうがいい。変なタイミングで気付いてしまうよりいい。


「……そうですか……」


 ヴェラは黙ってしまった。心の整理が必要なんだろうな。俺もまだ吹っ切れてはいない。まだ自分を責めている状態だからな。


 あの日の地獄はもしかたら終わってないのかもしれない、むしろ動きだした気がする。

 黒炎のビギニン。奴がどこにいるか分からない。でも、シエラとの約束を守るためにも奴を見つけだして殺す。必ず。

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