第4話転校生の人気
二年が始まって二日目の今日から授業が始まる。
気合を入れなければと思ったがだるいものはだるいのである。
あー帰りてーと登校中に何度も思ったほどだ。
昨日のこともあるから余計学校行きたくない。
転校生が隣の席で尚且つ美少女の人気女優だ。
それだけでも漫画みたいだけどそれだけじゃなくいくら無視しても話しかけてきて仲良くなりたいと言ってくる。
普通無視し続けたら嫌うだろ。
なにこれ、なんてラブコメ?
嫌だと思ってても学校はあるので登校しているわけだ。
神谷が今日休みでありますように、と神頼みは一応しておく。
校門を通り下駄箱で靴を履き替え教室に向かう。
教室にたどりつくと扉が開いていた。
中を覗いてみると扉側には誰もおらず全員が一つの場所に集約されている。
神谷のところである。
なぜか昨日より人数が多く俺の席が完全に埋もれている。
あれじゃ座れないし座れても居心地悪い。
チャイムなるまでこの辺で待ってるか。
ただ待ってるのも暇なので神谷を観察することにした。
や、美少女だからとかじゃないし。昨日のことがあったからだし。
昨日教室とは違う雰囲気で話しかけられたのだ。
どっちの神谷が本当の神谷なのかが俺がいないときを観察すればわかるんじゃないかと思った。
これ割と自意識過剰だな、俺にだけ態度変えてるとか考えてんのがキモいわ。
それでも興味本位で覗いていると神谷の態度は教室で話しかけてきた神谷の態度と同じだった。
つまりこっちが本当の神谷なのか?
じゃあ抱き着いてきた無邪気そうな神谷はなんだったんだ。
わからない、出会ったばっかなのに不可解な行動しないでくれ。
そう考えてるとチャイムが鳴り先生が教室に入ってくる。
「お前ら何やってる。早く席につけ」
それに反応して各々席に着くなり教室を出ていくなりしている。
なんで教室出ていくんだ?今からSHRなのに。
まぁいいか。とりあえず俺も席に座らないと。
やっと座れるのか。
立って待つだけって辛いよな。
次からはギリギリにこよ。
そうして席に座るとやはりと言うべきだろうか。
お隣さんから話しかけられた。
「ごめんね、席座れなくて待ってたでしょ」
適当に聞き流しながら鞄を机の横につる。
「他のクラスの人も来てて大変だったよ」
そう言う神谷だがそこまで疲れたような顔をしていない。
やっぱり芸能人はああいうのに慣れてるんだろうな。
教室を出て行ったのは他のクラスの人たちか。
この人気女優さんほんとに人気あるんだな。転校生っていうあれもあるだろうけど。
「ね、相馬くん。なんで無視するの?」
俺はこちらを見ながらSHRをしている先生を指さす。
それで神谷はやっと先生に見られていることに気づいたようだ。
そこからは神谷も喋ることはなかった。
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