第7話 エルフの集落
森の中に駆動音とガバリの体を引きずる大きな音が響き渡る中…マキナはニコの案内通りにバイクを走らせ森を抜けると広い草原が現れそこには見張り台なのか高く作られた木造のタワーが立っておりニコはそのタワーに自分が戻ってきたことを知らせるため胸の谷間に隠していた光る石をチラチラと光らせて合図するとタワーからも同じようにチカチカと答えるかのように光りニコはそのまま直進して問題ないと告げマキナはスロットルを回しさらに直進すると木の壁で守られた集落が姿を現しニコに言われるがまま集落へと入った。
「よかったぁ~何とか間に合ったぁ~一時はどうなるかと思ったけどマキナのおかげで無事に済みそうだよぉ~あんがとさん。」
「想定よりも村自体の機能と文明の力を感じる作り…きっとそういった知識に長けたものが導いた結果だな。
そういや村長がいるとか言ってたな?ぜひとも合わせてくれないか?きっと誰よりもこの辺りのこととか情勢に詳しいんじゃないか?」
ニコに感謝されながらバイクを止めるとそこに読めない文字で看板のようなものが掲げられ…生物の肉を販売する精肉店のような場所でありニコはガバリの一番大きな歯を抜いて店に持ち込むと怒鳴り声が響き店を仕切るエルフの男性と半泣きのニコが現れ他にも武器を持ったエルフがバイクの周りを囲むようにして現れた。
「手厚い歓迎だが…今日は祭りか何かあるのか??」
「いや祭りは先日済ませたとこだ…で、ウチの若いエルフがいろいろと世話になったと聞いてな。
どんな奴を連れ込んだのか見に来たんだが…何だおめぇ??エルフ族でもなけりゃコボルト族でもねぇな?もしや…他の族のもんかい??それとも…」
「あうぅぅ…大きなガバリを持って帰ってきたんだしブツことないじゃない…」
男のエルフは一人ぶつぶつと語りだし自分だけでは埒が明かないと村長のところに連れていくと言って妙な乗り物から降りろと命令しさらには武器等を取り上げしまいには犯罪者を拘束するように腕を縛って安全を確保するとニコとマキナを連れエルフは村長の住む家を訪ね中へと入るとそこには年季の入ったエルフのじいさんが何かを飲んでくつろいでいた。
「夜分に失礼します村長、ニコが連れ込んだこの得体のしれないコイツの相談をしたく伺いました。」
「このガタイのいいエルフがここまで敬服する存在ということは影武者とかそういうのじゃないらしいな。
長くて面倒な話し合いよりここは単刀直入に伝えたほうが手っ取り早いか…なぁじいさん俺をこの集落の武器として置いてみる気はないか?
困ってんだろ?その…コボルト族とかいうのが。」
「な、なにを言っちゃってんの!?な~んにも知らないのに好き放題言うと本当に死んじゃうよ!?ガバリの時みたいにマキナ一人で勝てる相手じゃないんだからね?あ…しまったぁ……あはは……」
村長はニコの話に笑みを浮かべるとエルフの男も先ほど自信満々にひとりでガバリを狩ったといったニコに対し笑みで見つめ村長はマキナの方を向きこの集落の状況を知ってからここに残り自分たちを助けるか何も見なかったことにして立ち去るか選ぶといいと言ってコボルト族との戦況を語りだした。
村長の話では決まった周期でコボルト族はこの集落へ攻撃を仕掛けそのためか外での狩りもコボルト族に狙われるのでは?という不安から外に出て狩りをしようとするものが減り食糧難の
「あはははは!!!すごい深刻に話すからもっととんでもない状況なのかと思ってたけど…そうさな、この戦い俺に任せてくれないか?
ヤツらの根城さえ教えてくれれば一晩だこの一晩でそのコボルトを指揮する野郎の首を落とし俺がそのコボルト共を従えさせるってのはどうだい??」
「なッ!?お前自分が何を言ってんのかわかってんのか!お前ひとりでコボルトの首が落とせるわけねぇだろ!村長も笑ってないでわけわかんねぇコイツの口車には乗らんでくださいよ?」
「い~ひっひっひ…お若い旅の方、その自信と破壊的な眼差しにエルフ族の命と明日を託してもよろしいか??どのみちエルフの全勢力で向かったとしても数でも圧倒的に負けておるが故に旅の方に頼らざるを得ん。
どうか…この集落を救って欲しい。」
どれだけ劣悪な状況か言い聞かせたがマキナの目の色も表情も変わらず行動人数も自分だけでいいという口ぶりに村長はマキナに深々と頭を下げ神にでも願うかのように深く深く願い…エルフの男は村長が選んだことに口出しはしないと言ってマキナに死んでも恨むなよとツンとした態度をとってニコを連れ出し消えると早速マキナは村長にコボルトの根城に詳しい奴を連れてきてほしいという事と先ほど取り上げた自分の武器と拘束を解くようにと縛られた腕を見せながら告げた。
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