第2話 新たな器と真実


 目が覚め以前は男であったはずの自分の体がまさかの女の体になっていようとは予想だにしない事もあり落ち込むもつかの間…いま自分は服という柔肌を隠すモノを何も身に着けていないということに気が付き恥じらうかのように大事な部分を隠すと先ほどから聞こえていたアナウンスが自身の行動に気が付きとあるキットが天井から転がり落ちてきた。


「凍結保存体、体温及ビ機能維持向上ノタメ…排出シタ素粒子変形状記憶合金装衣ヲ20秒以内ニ装着スルコトヲオススメスル。モシモ20秒以内ニ装着デキナカッタ場合…ピーーーーブツッ…」

「コレを20秒以内に装着しろってか?ほかにマシな服とかなかったのか??

にしてもどうして20秒以内なんだ??ん?」

時間制限付きのアナウンスに疑問が浮かび上がったがすぐさま疑問の答えがわかった。先ほどから少しずつではあるが天井がパラパラと崩れその隙間からは水が滴っていたことからこの上階には水が溜まっているとみて間違いないとすぐさま目の前に転がった箱を開こうとしたのだがどこにも開くためのスイッチもなければ鍵を差し込む穴もないとあたふたしていると天井の崩れる速度が速まり水の勢いも同時に増していた。


「マズイな…箱の開け方もなにも説明されてないってのにどうやってあければいいんだよ!!こうか?こうでもないし…ん~あ~え~っと…」

箱の開け方に頭を抱え考えているうちにととうとう天井の限界が来たらしく大きな音を立てて崩れ落ちると大量の水も続いて流れ込んできた瞬間偶然にも手のひらが箱に触れ箱の開錠に成功すると中からペラペラとした薄いスーツが入っておりすぐさま着込むと体に異変が起きた。



「ぐぁッ…なんだよ…このスーツ…くぁッ…こんなことになるのなら着るんじゃなかった…」

体中の力を奪われる感覚に何もできず意識が再び薄れていくなか水は次第に体を飲み込み上階のすべての水が注ぎこまれ…死に際から戻ってきたというのにこれで終わりかと目を閉じるも何か違和感があった。その違和感というのも先ほどまで意識が遠く薄れていく感覚に包まれ力が入らなかったこの体に今では力がみなぎり水中であるはずのこの場で息ができているということ驚いた。



「なんでここで息ができるんだ?これは水じゃないのか??いや確かにこれはだ。

だがどうしてかわからねぇけど何でもできそうで仕方ないのは何なんだ??このスーツ…最高じゃん!!ひゃっほーーう!!!」

足に力を籠め力強くジャンプするイメージで飛び上がると天井をぶち抜き上階へと楽々と移動したところで室内に設置してあったセンサーが生体反応を探知し生存の確認と装衣の完全統合が完了したことを告げ次のステップとして武器の訓練を行うと強制的に移動させようとしたがスーツの力を使い強引にセンサーの前まで移動しどうしてこんなことをするのかどうしてほかの研究員や人の姿がないのかを問い詰めると。

人類は数千年前空に突如として現れたのようなものから降り立った謎のによって滅ぼされたことを告げ次に現在この星には原種生物以外にも新たな生命体が地海空に生息していること。そしてこれからその地で行う任務はそれらの生物と接触・調査しこの星に残っているかもしれない旧人類を探索すること。その上でスーツ及び生きる知恵としての基本情報とではないが身を守るための方法と武器の使用手順及びその他の説明の実習をこれから行おうとしているものが最終プロトコルであると長々と述べ、最後の最後でこの研究所は自己AIによって活動し外部から遮断された人間が作り出した最古のロストテクノロジーだと質問全てに答え切ると言い返しようのない内容に作り話かと思う内容ではあったがわざわざそこまで仕込む必要もなく質問に対してすべてを答えたものの全てに納得はできなかったが自分が再びこうして地に足をつけられたことに少しは感謝してやってもいいと恩を返す程度で言われた通りの任務を引き受けると返事をし最終プロトコルを行う部屋へと歩んでいった。

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