お仕立て グローブ その7

「おねえちゃん、おきてぇ」


なんだか可愛らしい声がする…あれ?昔のリトの声?


「ん…リトぉ…もうちょい…」


ひどく眠い。寝たりないのかふわふわした頭のまま答えた。


「もうっ!イズミ、起きないよ、おねえちゃん」


「え、え、えーっと、ソウデスネ…」


聞き覚えのある声がして、少し頭が覚醒する。


イズミさん?


あ、そういえば、イズミさんの妹さんに会うために、馬車に乗って…


私はまだボーッとした頭のまま目を開けた。なんだろう、ひどく眠い。まだ寝たりないみたいな感じ。


「そうでした、私お仕事でイズミさんの妹さんに会いに…」


「あ、おねえちゃん、起きた?結構長旅だったから疲れちゃったみたいなんだけど、私のグローブ作って」


女の子が手を差し出してきた。


あらら、ずいぶん美少女さん…金色の髪は、カールしてふわふわ、肩の辺りでくるくるしている。


目はくりっとして、鳶色をしている。大きい目が、かわいい。


肌色、しろーい。ほっぺたピンクだぁ。


「あ、イズミさーん、妹さんかわいいですねえ」


思わず手を伸ばしてイズミさんの妹さんを抱き締める。だいたいリトと同じくらいの年かな。


「リゼさん、馬車を飛ばしましたがもう夜中の時間です。早めにお願いできますか?」


イズミさんは私にメジャーを渡してくれる。いつもの感じで妹さんの腕を測る。


測り終えながら、ぽやぽやした頭で考えた。


「イズミさんのグローブは、紫基調でレースをあしらおうかと思ってたんですが、妹さんは白ですかねえ。白いとりさんみたいな、ちょっと繊細な感じで…」


「とりさん!お空飛べちゃう感じだと良いなあ」


妹さんがニコニコ答えてくれる。


「あとね、サラマンダーみたいにごおーっ!って火を出すのが良いな、好き」


「ごおーっ!ですかぁ」


まだ眠い…


「それだったら、ぷらすして…白いとりさん…コカットリス…みたいな、石にしちゃうのとか………強そうかも……」


「おねえちゃん、いいねえ。わたしそれー!」






ガクッとリゼの体から力が抜けたのを怪我しないようにイズミが支える。


「楽しみに待っておるぞ、リゼ」


幼女は楽しそうに目を細めながら、リゼを見やった。


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