第9話 

異世界生活三日目 


朝起きると、日課にした素振りをしてから天気が良かったのでピクニック気分で朝食は、川原かわらで摂る事にした。


今日は、武器の性能の確認と仕上げを兼ねて、近くの川へと来ていた。


「おにぎりだけど、よかったらどーぞ」


朝からおにぎりを握り、ラップで巻いた物をフィーナに手渡すと、食べ方が分からないようなので見本を見せる。


「そうやって食べるのね。いただきます」


フィーナは一口おにぎりを食べると「んー!これもシンプルだけど美味しいわね」と、満面の笑みを浮かべおにぎりを食べていた。


「そう言ってもらえると嬉しいよ」


丁度いい高さの石があったので座っておにぎりを食べていると、ふと、今後の米について不安になったので考えてみる。


今現在、アイテムボックスの中には、コシヒカリの玄米があるが、この世界に米があるか分からないので稲作が出来る様に玄米は取って置くことにした。


稲作をするために必要な水田は作るしかないが目の前には川もあるし、手入れはされていないが畑があることも確認済みであったので稲作は可能だと思う。時期が来たら苗床を準備して、日本のこしひかりをこの地に作るぞ!と密に野望を抱く。


畑については、まだ分析をしていないので分からないが、酸性土壌なら石灰石に水を加え消化させれば強アルカリの消石灰になるし、ノーフォーク農法が確立されていないならかぶを植えればなんとかなる。消石灰があれば、小麦粉で糊を作り加えて混ぜれば漆喰となる筈だし、石灰石は大理石として使える万能な岩石だ。


そんな妄想をしていると、おにぎりやおかずをいつのまにか完食していたので、今日の目的である刀の仕上げに入る。


「それじゃ、本来の目的の刀の仕上げでもしようか?」


「あの刀身がどんな風に完成するのか、楽しみね」


昨日作った黒光りする刀身と、剣道で使っていた替えの持ち手などを、アイテムボックスから取り出して素材を並べた。


「完成させる前に、聞きたい事があるんだけど、刀にどうやって魔法付与ってどうやるの?魔石を一緒に合成するとか?」


「私達二人に関して言えば魔石はいらないよ」


「えっ?なんで?」


「全属性魔法習得しているからだよ~。それに魔石の説明した時に言わなかったけ?魔石の大きさ、色、色の濃度、種類によって使える魔法が決まるって」


「そういえば、そうだったな…」


「オリハルコンは魔力のロス、つまり魔力の伝導率に優れた金属だから術式で制限が掛けるよりも、普通に魔法を発動させたほうが効率も威力も高いのよ」


「そっか。じゃ普通に二振り纏めて創作しちゃうよ」


「うふふ…出来上がりが楽しみね。って、やっぱりクリーンの魔法を付与しといたほうがいいわね。魔物を倒す度に私のところに来るのもなんだしね」


『だよね…魔力操作が完璧になるまで、いちいち綺麗にして貰うのは面倒だよね…』


昨晩、魔力操作の練習で、クリーンのスキルを得たものの、魔力操作とイメージが出来ずに冷水や熱湯、水量など散々な目にあった事が苦い思い出が…


フィーナにクリーン魔法を付与した魔石を受け取ると「この魔石はクリーンマットと同じ効果がある特製品よ♪」と、ウインク。あざとさが無く、ワザとやっていないだけに攻撃力が凄まじい。


二振りの刀身、クリーンの魔法を付与した魔石、黒色の持ち手、つばに使う素材を横に並べると刀を完成させる為に最終確認をする。


「よし!準備が整ったけど後はどうやったらいいんだい?」


「もう素材は並べてあるから、後は完成品のイメージをして創作すればいいだけよ」


「よしっ、やってみる」


フィーナの指示どおり魔力を手のひらに集て、完成品をイメージをして「よし、こんな感じでいいかな…創作」と詠唱をする。


すると、刀と素材は共に光り始めるとふたつの光りがひとつとなって、イメージどおりの刀が一振り完成した。


「イメージどおりに出来たぞ!我ながら、良いものが出来て嬉しいよ」


俺出来たての刀を両手にそれぞれ手に取ると、完成品の評価をして貰う為にフィーナに手渡した。


「初めてにしては上出来じゃない。カッコよく出来て良かったね」


「よし、なんだか楽しくなってきたぞ!ついでに鞘も作るよ」


「ええ。さすがに鞘がないと危ないしね」


それから、オリハルコンの鞘をふたつ完成させると刀を納刀する。


同じように、もう一振り創作すると持ち手の色が紫色の二振りの日本刀が出来上がると、刀がアイテムボックスと干渉しないように、アイテムボックスの袋を少し前に移動して両腰に刀をぶら下げた。


「実際に、どんな効果があるか試してみたいな。武器に魔法ってどう付与するの?」


「それじゃ、まず火属性の魔法から付与してみようか」


そう決まると大まかな流れを見せて貰いながら教えて貰う。


まず刀に火を宿すイメージをして魔力を流す ⇒ 火属性の魔法が刀に付与される ⇒ 形と大きさをイメージする ⇒ 魔法が顕現する ⇒ 着弾さえる場所から目を離さずに刀を振る。


「また、説明が大雑把っていうか…端折り過ぎじゃないのか?」


『OJTもへったくりもない』


「やってみて駄目ならまた教えるってば。刀を振るスピードがそのまま魔法の速度に反映されるから、最初はゆっくり振ってね」


「分かった。ぶっつけ本番だけどやってみるよ。試す前に聞いておきたいんだけど、熱いとか、味方に当てて怪我をさせる可能性や命を脅かす様な危険はないの?」


「魔法は顕現して物理的な物に接触しないと発動しないのよ。もし仮にそうだとすると誰も魔法は使えないじゃない?」


「確かにそのとおりだな」


「だけど、攻撃する時は仲間に当たっちゃうと発動するから、そう言う場合は予め後方へ下がってもらうか、パーティ登録するかだね」


「パーティ登録って何?」


「ギルドカードを作る時や更新をする時に、パーティ登録って言うのをすると仲間の魔力のパターンが登録されるから、当たっても魔法が発動しないから危険はないわよ」


「なるほど、便利なもんだな、ギルドカードって」


「ちなみに、私はタクトの眷属だから、登録しなくても大丈夫だよ」


「そっか。なら安心だね!じゃやってみるよ?」


「いいわよ。見ていてあげるね」


フィーナが見守る中、鞘から二振りの刀を抜くと、まず右手の刀に炎をイメージし魔力を徐々に流すと、刀は徐々に赤いエフェクトが掛かかる。


次は、左手の刀に、風をイメージし魔力を徐々に流すと、刀は徐々に緑色のエフェクトが掛かった。


「ちょっと、試したい事があるから実験してもいいかな?」


「いいけど、そこから一体何をするの?時間差魔法攻撃?」


「違うよ。科学の実験かな?」


「あまり無茶をしちゃ駄目だよ」


刀をクロスさせ、風の魔法を炎のエフェクトが掛かった右手に流しこむと、赤色 ⇒ 黄色 ⇒ 青色とエフェクトに変色した。


「やった!実験成功だ」


化学の実験で習ったとおりの結果なのだが、エフェクトの色まで変わる確証はなかったので結果に満足。


「青い炎の形なんて初めて見た…試しに川に向かって振ってみてよ」


「了解!試してみるよ。それじゃ念のために少し離れて!」


「分かったわ!」


風魔法を付与した刀を納刀して、狙いを川の中心に定めると炎弾をイメージしながら「青炎弾」と言って刀を横一線に振りぬくと、青白い炎弾が高速で川に着弾すると【ドカ――ン!!】と、水蒸気爆発を起こして辺り一面が霧状になる。


「ごめん!魔力調整ミスったかも!やり過ぎた!」


フィーナはその光景を見て驚愕のあまり開いた口が塞がっていない。


「どう?見た感じ凄い威力だったけど?」


「…はじめて見たよ爆発する魔法なんて…でも人間相手には、使わない方がいいわね」


「そうだよな…明らかにオーバーキルだよね…」


っと言葉を発した瞬間、俺の体が少し光る。


「これって…」


「ええ。何かしらスキルを覚えたみたいね。確認するわね」


と、いってスキルボードで確認すると、どうやら条件を満たしたようで、XXXXXの部分が、魔法創造というスキルが解放されていた。


「まったく。こんな簡単に、新しい魔法作り出すなんて何でもありね」


「狙ってやった訳じゃないってば」


そしてなんとなく、爆発を起こした川の水面に目線を向けると、大量の川魚が浮かんでいた。


「ラッキー! フィーナ!魚の回収手伝って」


「もーまったく、転んでもタダでは起きないタイプね」


フィーナは「ふぅ~」と小さい溜息を吐くと、現金なもので「食料 食料」と言いながら嬉しそうに、魚をアイテムボックスに詰め込んでいった。


「まさに、棚から牡丹餅だよ。今日か明日の夕飯は、これで決まりだな」

                                             

結果に満足すると、もう一つ試したい事があったので、フィーナに実験をしてもいいか聞いてみた。


「さっきみたいに、やり過ぎないでよね」


「分かった。肝に命じるよ」


今度は魔力を抑えつつ、今度は逆だが、先ほどと同じように二つの刀を交差させ、火属性の刀を納刀して竜巻をイメージしながら刀を振ると、高さ2mほどの炎が纏う竜巻が出来て、辺りの岩を粉砕しながら進んで行くと川に当たり水蒸気になり消えた。


「さっき言ったばかりじゃないの!やり過ぎだってばよ!神様じゃあるまいし、少しは自重しなさいよ。今後は複合魔法は自粛ね」


「なんだかごめん…言われるほど魔力流したつもりはなかったんだ。結果はあれだけど…言われたとおり自重するよ」


「じゃ、私が見本見せてあげるわ。タクトの創作した刀を貸してみて」


フィーナがそう言うので、刀を鞘ごと一振り渡すと魔力を流し始め「それじゃ見てなさい!風の刃」と軽く刀を横薙ぎすると、広範囲の風の刃が具現化して飛んで行き10m先にあった岩が、まるで簡単にバターが切れる様に真っ二つに切り裂かれた。


「人の事言えないんじゃないの。自らも自重した方がいいんじゃない?」


「ちょっと待ってよ!この刀の威力は尋常じゃないわ。今後は創作する武器も自重しなさいよ!まったくもぅ~」


フィーナは納刀すると、なにやら考え始めていた。


「ただ、フィーナの言うとおり創作しただけですけど…ちょっと聞いてるの?」


「ごめん。何か言った?ちょっと気になるから鑑定してみるわ」


全ての武器をフィーナに手渡すと神眼を使い鑑定しだすと、みるみるフィーナの顔が青ざめていく。


「はぁ~。まさかと思ったけどやっぱり…ありえないわ…ちょっとこれ見て」



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



神聖歴1854年 7月6日


現在時間 AM 11:23


タクト 人族(18歳)


職業:魔刀士


称号 神の使徒


装備 片手剣 オリハルコンの刀    武器クラス 神器(全属性)

   片手剣 オリハルコンの刀    武器クラス 神器(全属性)

   脇差  オリハルコンの短刀   武器クラス 神器(治癒)


<スキル>


アノース語  創作 縮地 居合い斬り(縮地合成) 全属性魔法 生活魔法 魔法創造(合体魔法) XXXXX


<武器スキル>


二刀流 連続斬り クリーン


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


フィーナ 妖精族(18歳)


職業 魔法使い


称号 タクトの眷属


装備  オリハルコンの薙刀  武器クラス 神器(全属性)  



―― 妖精 ――


<スキル>


人化 神眼(スキルボード+鑑定)転移 隠密 飛行 索敵


付属スキルなし


―― 人化 ――(魔法使い)


<スキル>


神眼(スキルボード&鑑定)全属性魔法 転移 隠蔽 索敵 治癒 生活魔法 XXXXX XXXXX XXXXX


付属スキルなし



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「なるほど…職業が無職から魔刀士に…」


「そこじゃないってば!神器よ神器!神器を簡単に作れる人族なんて見た事も聞いた事もないわよ!神族じゃあるまいし!」


フィーナは興奮気味に言葉を続ける。


「こんな出鱈目な性能の武器が盗まれたら大事よ。所有者を限定するから名前を付けないとね」


「名前とか、所有者とかって何か制限があるの?」


「そう言えば言ってなかったわね。名前は鑑定で持ち主が分かるから高級な魔道具や武器の盗難防止出来るし、所有者の登録は死ぬか抹消しないと登録者以外が使ってもスキルの効果が発揮出来ないのよ」


「なるほど…結構ちゃんとしてるんだな」


名前を付けるのに、暫く考えると三振りの刀に聞いた事のある、有名な刀の名前や神器の名前を付けた。


「じゃ、持ち手が黒い方を草薙の刀、持ち手が紫の方を天叢雲の刀、フィーナに貰った短刀を村雨の短刀にするよ。魔法のロッドの?名前はどうするの?」


「そーね。タクトが決めてよ」


「ロッドなのに、薙刀にもなるんだもんな。それじゃ、妖精の薙刀ってのはどうかな?」


「私専用の武器みたいでカッコイイからその名称気に入ったわ♪でも…結果を見る限り魔物以外には魔法剣は使わない方がいいわね。天国から地獄に叩き落とされた気分よ」


「一喜一憂しすぎだよ。まあでも、その方がよさそうだな…間違えなく秒殺しちゃうよな。それよりも、さっきフィーナが使った、風の刃って技の名前?」


「そうよ。もともとこの世界にある魔法名よ。でも普通は距離5m、幅2mくらいの短距離魔法なんだけどね…さっきのは倍の大きさと飛距離が出てたわよ。しかも劣化する事なくね」


「何か、かっこいいから、さっき使った技の名前をつけてもいい?」


「タクトが創造した合体魔法なんだから、自由につけるといいわよ。便宜上分かりやすく言葉に出してるだけで、本当は念じるだけでいいんだし」


「なんかそんな事言われると付けにくいじゃないか…それじゃ単純に、爆裂魔法ってことでエクスプロージョンと、炎の竜巻だからファイヤートルネードでいいや」


「驚きついでに聞きたいんだけど、青い炎って今まで見た事ないんだけど、あれが科学なの?」


「じゃあ簡単に説明するね」


「いいわ。その事を習ったり勉強したりした時期って思い出せる?」


「思いだせるけどなぜ?」


「タクトの記憶から読み取れば簡単だからよ」


なんとなくだが理解したので了承すると、フィーナがオレの頭に手を置く。


「じゃ、目を閉じて、当時のことを思い出して」


「了解」


小学校の時の理科の実験をしたころを思い出す。


「リンク」


フィーナは、そう詠唱して10秒ほど経つと「もう目を開いても大丈夫よ」と言った。


「えっ!もう?10秒しか経ってないじゃないの?」


「リンクを繋げると、時間に断層が生まれるからリアルの時間では10秒だけど、記憶の中では…それは言っちゃいけない秘密だったのを忘れてた…」


『そこまで言っておいてそりゃねーだろ!』って言いたいが言えない。


「それで、科学の事を少しでも理解は出来た?」


「ええ、アノースには魔素と言う資源があるから、ガスを使う事もないし酸素を燃焼させるという概念がないからってことでいいよね…いい勉強になったわ。また、分からないところがあったら覗かせてね」


「まぁ、そんなところだよ。それに別に記憶を覗かれて困ることないからいいけどね…」


とは言ったものの、正直な話見られちゃいけないものは結構あったりする。俺も男の子だしねって!『絶対見られる訳にはいかねえな!』


「それにしても、タクトの小さいころって、かわいかったわよ。それに女性からも好意を寄せられていたのね」


「え~!そんなのも分かるの?」


「分かるわよ。記憶の中に客観的に入れるっていう神の業だからね」


「そっか。そう言えば、神様も言ってたっけ…記憶を覗かせてもらったって」


「私は神様じゃないけど、お手伝いしてたからリンクを使える権限を頂いているのよ」


「そうなんだ。ちょっとだけ質問なんだけど、なんでその当時のことを思い出さなくちゃいけなかったんだい」


「それは、本の目次みたいなものね。ピンポイントでそこの記憶にいけるから探す手間が省けるのよ。ちなみに、タクトの記憶がなくても、当時の一部分だけでも思い出してくれたら、タクトが見聞きしたものなら全て分かるわよ」


「そんなに簡単に分かるのか?そりゃ凄い」


「そうね。例えば、《そう言えば昔聞いたけど思い出せない…》とか《あの人前見たことあるけど、名前が思い出せない…》とか、もし必要な時がきたら言ってね」


科学的にも医学的にも根拠は無いが、人の脳は10%程度しか使われていないと言う記憶がある。つまり、残りの90%の中にそう言った記憶領域があるのかも…


「プライバシーを守る為に出来るだけそうならない事を祈るよ」


「好きだった娘の顔とか、思い出とかは却下するから、そのつもりで」


「べっ、べっつに~、そんなのいないし!」


「うふふ…あらそうなの?その割には動揺してるわよ」


フィーナに散々いじられた後、不用意にリンクを繋ぐのはよそうと心に誓う。


それから実験として、武器無しで合体魔法を試してみたが出来なかったし単体の武器でも出来なかった。


出来なかった原因を考えると、これは推測だが同じ魔金属同士を重ね合す事で、分子(原子)レベルで結合する事は出来ても魔法陣を通すと条件が異なるのではないか?と言う答えしか出なかった。


合体魔法が無いのに対し。魔道具は魔石によって組み合わせれが可能なのは、元々の魔石同士で親和性が高いのか、はたまた術式で制御しているのか?また、勉強や実験を繰り返しながら研究するしかない。


屋敷に戻ると、フィーナは昼寝をしていたので、本を参考に昨日入手した石灰岩で彫刻を創作する事にした。


日本にいた時の部屋に入り資料となる本を物色しながら探すと美術の本を見つけ出した。我ながら物持ちが良くて助かった。


美術の本を持ってホールに向かうと、本を片手にミロのヴィーナス像と、考える人を創作することにした。


ミロのヴィーナスは黄金比と呼ばれる比率があり、正確に出来たのかは実物を見た事が無いので分からないが創作が終わると、階段の横にそれぞれ設置した。


それだけでは、まだ殺風景で物足らなかったので、丸パクリではあるが、レオナルド・ダ・ヴィンチ作の、最後の晩餐の絵画を玄関ホールの正面に飾った。


キャンパスや油絵の具が無いので贋作感が半端ないが…でも、いい感じで屋敷ぽくなって来たので今回はここまでにする。


「よし!この程度なら嫌味はないかな。壺も欲しいけど残念ながら素材が無いからこれ以上は無理だ」


そう声を上げるとフィーナは、昼寝から起きて、創作した芸術作品に目を奪われていた。


あまりにも出来が良かったのか、感心をしているようなので、見本にした本を見せ「この本を参考に創作をしただけだ」と説明したのだが、それでも感動は変わらない様子である。


「それにしても、贋作とはいえ凄く良い出来ね。素人の私が見ても作品の芸術性の高さと素晴らしさが分かるわ」


と、その後も褒めてまくられたので、頭を掻きながら世界の偉人に感謝をつつ、玄関ホールはひとまず完成とした。


その後、夕ご飯をフィーナと一緒に作って食べてから、自分の部屋の引っ越しなどをしながら移設していった。


何だかんだといってやり過ぎに注意だ。色々とね…

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