第4話 活動報告
この世界の空の上には、人から見えない土地がある。
その土地には、学校のような二階建ての建物が建っている。
4人揃った死神少女たちは、その建物の二階の端にある、まるで校長室のような部屋の前にいた。
リア以外の3人はドアの前で少し話していた。
「君たち、そろそろ入らないか?ドアの前でしゃべるというのもね…」
リアがドアを指差しながら入ることを促した。
「だな。とっととめんどくさい報告を終わらせるか」
「モエちゃんそれ、ミレーヌ様の前で言ったらだめだよ!」
「言わないよ。そこは、な。言ったら言ったでそれもめんどくさいしな。――それより開けるぞ!」
そう言うとモエはドアを開けた。
中はまさに校長室のようで、机が奥に位置していて全体的に茶色っぽい。
その奥の机には、白いスーツを着て背中には羽が生えた金髪の美女が座っていた。
その美女はいかにも仕事ができそうな人、ではなく天使だった。
大天使ミレーヌは死神少女4人に気づき、右手をひらひらと振った。
「やっほー!ご苦労様!大変だったでしょ。早速だけど活動報告お願いね!」
大天使ミレーヌはワクワクした感じで待っている。
まずはモエが口火を切った。
「こっちは、リアが火山を作る時間を稼ぐために、うちがブラックソウルの気をそらしました。そのあとリアとの合わせ技で鎮めました」
「その腕の絆創膏はどうしたの?」
大天使ミレーヌが心配そうに尋(たず)ねた。
「これはどうってことないです。ただのかすり傷です!」
モエは軽く左腕の絆創膏を触った。
「そう。ならいいけど…モエたちの報告は今のでオッケー!次は…レルたち」
レルは深く呼吸をすると口を開いた。
「はい!わ、わたしたちは、2体のブラックソウルを相手にしました。片方は素早く、もう片方は力があるブラックソウルでした。わたしと、チル個人では、かないそうにありませんでしたが、力を合わせてなんとか鎮めることができました!」
チルはうん!うん!と、合間に相槌を打った。レルはやりきったのか、拳をギュッと握った。
「いいよ!どっちも力を合わせて鎮めることは、いいことだよ!私はそういう協調精神は好きだよ!これからも協力してやってね!てことでレルたちの報告もオッケー!リアとチルは何か言いたいことはある?」
「いえ。右に同じですね」
「うん!うん!」
「さっきから、うん!しか言ってないわよ、チル」
チルは終始笑顔だ。
「まあいいわ。戻っていいわよ!またね~!」
校長室のような部屋を出た死神少女4人は、一階の奥の和室に戻って行った。
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