第11話 剣の主


私たちは町のはずれにある丘を駆け上った。


お互い確認しなければならないことがある。そう思った。


空は晴れ、雲ひとつない。そよぎ風が肌に当たって心地よさを感じる。


私たちは丘の上で向き合い、瞳を見つめ合った。


そう、私たちはお互いが合うずっと前からお互いを知っている。


「リュカ=オリビアの名を聞いた時から確信していた。


オリビア家は我が身の仕える家」


リアムが言う。


「リアム=ベルナルトの名は我が剣に宿りしドラゴンの名」


私は言う。


いつだったか夢を見た。


青いバラの咲き誇る花園の中心で青い光をまとうドラゴンと契約を交わした。


ドラゴンはオリビア家に永遠の忠誠を誓うことを、オリビア家はドラゴンに永遠の誇りを約束することを。


空は青く、雨上がりのせいで虹が出ていた。


聖剣リアムーーそれがリアムの本当の呼び名だ。


少年はドラゴンへと姿を変え、やがて剣の形になる。


丘の頂上に銀色の美しい剣が突き刺さり、その上にリュカがリアムに買った帽子が落ちる。


帽子を拾うと、その下に藍色の玉が転がっていた。


「これで最後だ」


七つ目の玉を赤い箱に納めた。赤い箱の中で七つの玉がきらめく。


私はそれまで使っていた古い剣を丘に刺し、代わりに聖剣リアムを引き抜いた。


その美しい刀身に惚れ惚れする。


私は新しい剣を腰に差し、歩き始めた。旅の終わりはもうすぐだ。

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