第42話 追加プラン
どうしてこうなってしまったのだろうか?
俺は今、保健室のベッドの上で保健教師の栄保奈美先生の上に乗り、四つん這いになって押し倒したような形になってしまっている。
ご、誤解です! これは押し倒したわけではなく、マッサージを行うためお互いの合意を得てこの体制になっているんです!
そんなこと事情を知らない人に言ったとしても、絶対に信じてくれないだろうな……
「や、優しくしてね?」
「は、はい……」
緊張した面持ちで、恥じらう保奈美先生。ってか、この人胸のためなら何でも身体張りそうだな。
ベッドの両脇には、ニヤニヤと穂波さんと瑠香がその豊満な胸を保奈美先生に見せつけるようにして腕を組んで見下ろしている。
「さぁ、栄っち! これで私たちと同じような魅力的な胸を手に入れるのよ!」
「ここまでくると、栄っちっていうよりも、さかエッチだよね」
「い、今からマッサージするのに、その言い方はやめてくれ瑠香」
変に意識しちゃうから!
「ふ、富士見くん……お願い」
保奈美先生必殺、ふわふわ甘々トロトロ上目づかいで言われて、俺は一瞬理性を失いかけそうになるが、必死に我慢して、一度大きく深呼吸をする。
そうだ、これでもし変なことをしてしまった暁には、俺は退学処分になりかねないのだ。相手は氷の保奈美、そう肝に銘じれば、暴走することもないだろう。
「そ、それじゃあ、行きますね……」
俺は意を決して、手をその真っ平らな埋め立て地へと近づけていき、その全体に触れた。
「ひやっ……」
くすぐったかったのか、保奈美先生はピクっと跳ねた。
「ご、ごめんなさい!」
「だ、大丈夫……ほら、続けて?」
保奈美先生の胸元は、女性特有の柔らかさはあるものの、やはり穂波さんや瑠香が持っているあのぷよぷよボールと弾力は皆無だ。よって、俺も冷静に事を進めることが出来た。
「まずは上から行きます」
そう言って、俺は手の感触でブラの位置を確認して、胸元の上あたりをグリグリと押し回す。
「あはっ……ちょっと……くすぐったい……」
どうやら、保奈美先生みたいな絶壁タイプは、少し力を強めた方がいいみたいだ。
力を込めてぐいっと押すと、保奈美先生は違う反応を示す。
「んん……はぁ……」
初めて聞いた保奈美先生の甘い声。この人、結構声はいい声出すなぁ……
って、いかんいかん冷静になるんだ俺。
そう思っていると、突然隣で暇そうにしていた瑠香が、何か思いついたようにエイっと保奈美先生の腕を掴んでロックした。
「へっ!? ちょっと、京町さん!?」
「ほなてぃーそっち掴んで」
「わ、わかったわ!」
瑠香は穂波さんに反対の腕を掴ませて、保奈美先生の両手の自由を奪う。
「ちょっと、何するの!? やめなさい!」
そのまま両腕を寝っ転がっている保奈美先生の頭の上に持っていき、瑠香はすごいわざとらしく口を開く。
「そうそう、今思い出したんですけど、このマッサージこうやって腕を固定してあげると、なんか束縛フェロモン効果? みないなのが出て、さらに豊胸の効果アップするらしいですよ~」
何、そのありがた迷惑な追加プラン……
「あ、あなた絶対今思いついたわよね!?」
「よかったじゃない栄っち。念願のCカップデビューも夢じゃないかもよ?」
穂波さんはニコニコ楽しそうにしながらも、保奈美先生の腕をガシっと掴んだまま離さない。この二人鬼だ。
俺が苦笑の笑みを浮かべていると、二人が悪い笑みで俺を見つけてくる。
「さあ恭太」
「思いっきりやっちゃいなさい」
「ひ、ひやぁぁぁぁ!!! ちょ、待ってタイム。信じてるよ富士見くんあなたはそんな酷い子じゃないわよね?」
保奈美先生は、俺の眼下で腕を押さえつけられて、無防備な姿を晒して冷静さを失いかけつつ、希望の眼差しで俺を見つめてくる。そんな保奈美先生を見下ろして、同情の視線を向けつつ、俺は謝罪の意を込めて手を拝む。すいません保奈美先生。この二人に逆らえる権限は俺にないんです。
それに、氷の保奈美先生に、少なくとも俺と穂波さんは何かしら毎回暗に騙されて脅されている。その今までのうっ憤を晴らすにはちょうどいい機会だしね!
瑠香はまあ、面白がってやってるだけだろうけど。
「それじゃあ、至極のマッサージをお楽しみください」
俺はにやりと悪い笑みを浮かべて、一気にその断崖絶壁の保奈美先生の胸をまさぐり始めた。
「いやぁぁぁぁあ!!!!! ぁ~ん♡」
こうして、保奈美先生はマッサージマスターによる至極のマッサージを、とくとご堪能になりましたとさ。
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