第18話 瑠香の胸揉み
俺はベッドの上へ移動して、瑠香の胸を触るための体勢を整える。
一方の瑠香は、ブラウス姿でベッドの上に座り、手を後ろに回して、いつでもスタンバイオッケイといった感じだ。
目の前に瑠香の身体が無防備な状態である。
俺は、何の前触れもなく、よいしょっと手を伸ばして、スマートに瑠香の左胸に一直線に進む。そして、ピトっと手が瑠香の左胸に触れた。
「うん、胸だな」
「はぁ……恭太、あんたもっと違う感想あるでしょ。『うわぁ~柔らかいなぁ~』っとか、『おっきくで気持ちいい』とか……」
「おぉ、そういうものなのか、すまん。まあ、柔らくていいんじゃないか?」
そう感想を述べて、俺は胸から手を離した。
よしっ、これでスマートに胸を触る練習はしっかりできたな!
「え? ちょっと待って、もしかして、もう終わりとか言わないよね?」
「いや、終わりだけど?」
そう言うと、瑠香は、はぁっと身体全体を使って盛大なため息をつく。
そして、あきれた目でこちらを見て、もう一度ため息を吐いた。
「全く、恭太は女の子の胸を触るという行為が何たるかを全く分かってない! ちょっとこっちに来て!」
「えっ、あっ、おい!」
俺は瑠香に腕を引っ張られて、ベッドの壁際へと移動させられる。そして、その後を追うようにして、瑠香が自分の身体を、俺の脚の間に入れてちょこんと背中を俺の身体にくっつけてきた。
「る、瑠香。これは?」
「後ろから私の胸を揉んで」
「へっ!?」
まさかの乳揉み要求!?
「いい? これは男と女の一種の儀式みたいなものなの。ある種のコミュニケーション手段でもあり、非常に重要なツールなの! つまり、女性の胸を触るってことは、その触る相手の人のことを女としてしっかりと意識しながら感謝して揉むべきなの」
「な、なるほど……」
胸を一つ触るだけでも奥が深いんだなぁ……
「だ、だから……私の胸。遠慮しなくていいから、私のことを女の子だと意識して揉みなさい!」
瑠香は顔を上に向けて、上目づかいで俺を見つめてくる。俺にまくしたてるように胸を揉むことについて豪語していたためか、頬が上気しているように見える。
「わかった。やってみる」
俺は意を決して、眼下に見える瑠香のふくらみに目をやる。
一度大きく息を吐いてから、もう一度、そのふくよかな膨らみのある胸に手を埋めた。
「そうよ……それじゃあ、そのままマッサージするように揉みほぐして?」
「わかった」
瑠香に言われたとおり、手で掴んでいるその弾力のある胸を揉みほぐす。
「あぁんっ……いいっ~♡」
すると、瑠香はひと揉みしただけで、すっごい嬌声な声を上げた。
「……お前、よくそんな演技出来るな。絶対わざとだろ」
「流石にバレた?」
てへっと舌を出して誤魔化す瑠香。こいつ……人を弄んでるな?
「いやぁ~私の喘ぎ声聞いたら恭太は興奮するかなぁっと思って」
「それは、俺にムラムラしながら胸を揉んでほしいってことか?」
「そこまではいってない……まあでも、恭太には、私に声出させることも出来ないだろうけど」
そう言って、余裕しゃくしゃくの表情で言って見せる瑠香。だが、そこまで言われると俺の心の中で対抗心がふつふつと湧いてくる。
「まあ、私の口から自然に出るくらいまで恭太が上達してくれたっ……ひゃっ!?」
俺は絶妙な力加減で、一気に瑠香の胸を揉みほぐしていく。
「ちょ……いきなりは反則っ……んんっ……はぁっ……んっ……」
俺が力を入れて胸をマッサージするように揉むたびに、得も言われぬ吐息を吐く瑠香。こうとなれば、完全にこっちのペースに巻き込むことが出来る。
揉んでいるうちに力が抜けてしまったのか、瑠香は完全に俺に背中を預けて脱力している。
俺はさらにペースを早めていく。
「んんっ……はぁぁっ……ちょっと……恭太ぁ……」
俺の魔性から逃れようと必死に抵抗しようと身体をよじるが、力が入らないのか無駄な抵抗に終わる。
瑠香を女の子として意識して……か。ここで瑠香に言われたことを思い出して、
異性として瑠香を意識するようにしてみる。
柔らかい胸の感触、そして瑠香の髪からふわっと香るいい匂い。
瑠香の口から零れる甘い吐息……もっと聞きたい!
そう思った瞬間、俺は少し魔が差して邪悪な心に火がついてしまう。瑠香のブラウスのボタンをプチっと2か所ほど外して、その間から手を突っ込み、直に胸を揉みほぐし始める。
「あぁっ……ちょっとぉ~恭太ぁ……」
瑠香は恥ずかしそうにしているが、抵抗はしてこなかった。
俺の手が、その柔らかい胸に触れた瞬間。先ほどとは違う赤いブラの布地の感触と、さらに地肌の生々しいふにふにとした感触が生々しく伝わってくる。
この時、俺は始めて本当の意味でのおっぱいというものを触れたのかもしれない。そう思った。
そして、休む間もなく再び瑠香の胸を適度な力加減で揉み始めると、瑠香の反応にも明らかな変化が生まれる。
「あっ……はうぅ……あっ……あんっ……/////」
声は嬌声な感じに変わり、どんどんと甘いと吐息が漏れている。
「恭太ぁ~……恭太ぁってばぁ!」
「おわっ!」
すると、突然瑠香が身体をくるっと回転させた。俺は驚いて手をその柔らかな胸から離した。
「ばかぁ~……」
そういって身体をぐいぐいと押し付けてくる瑠香。先ほどまで手に触れていた胸が俺の胸の辺りにむにゅっと潰れるようにして当たる。
瑠香は息も荒く、頬も上気して赤く、目をとろんとさせて上目遣いでこちらを見つめてきていた。瑠香の甘い香りが俺の鼻腔を刺激している。
そんな視線に、俺は思わず息を飲み込み、胸の辺りがじんっと熱くなる。その途端、胸の鼓動が速くなった気がした。
「る、瑠香……大丈夫か?」
「……はっ!?」
すると、素に戻った瑠香が驚いたように目を見開いたかと思うと、顔を真っ赤にしてばっと俺から身体を離してそっぽを向いてしまう。
「ま……まあ、恭太にしてはよくできたんじゃないかしら?」
「えっ、何が?」
「はぁ!? 何って練習の事よ!」
信じられないというように瑠香に言われて、俺はようやく自分の目的を思い出す。
そうだ、俺は穂波先生の胸を触らなくてはいけなくて、瑠香に胸を触る練習をさせてほしいという呈になってたんだ。
すっかり忘れて俺は夢中になって瑠香の胸を……って、何してんだ俺!?
「ご、ごごごめん瑠香! 俺、つい夢中で……」
「べ、別にいいわよ。それくらい私の胸がよかったってことでしょ……?」
「お、おう……」
そう答えることしか出来なかった。
二人の間に妙な沈黙が流れた。
なんだこの雰囲気?
そして、なんだこのむしゃくしゃする胸のつっかえたものは……
瑠香は瑠香で、俯きながらなにか考えこんでるし……
結局、俺と瑠香のよくわからない胸揉み練習は幕を閉じた。成功と言えるのか失敗と言えるのかは分からないが、穂波さんの胸を触る決心というか、勇気というものはついた、そんな気がした。
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