第27話 ついていない?
悪意の塊のクイズゲームを、昔の事を思い出しながら見た後、それからも色々と他にどんなゲームがあるか見て回りつつ時折、見たことの無いゲームをしたりして時間を潰しながら、山崎のやっていたゲームが空くのを待っていたが、全く空く気配がなくやっている人も変わらない。
一体全体何事なんだと言うぐらい全く変わりがなく、本当にあの場所だけ、時間が止まっているんじゃないかと言うぐらい変わらない。
まあ、今は不思議と誰も並んでないから、変わるわけが無いが。
来た時は、人がそれなりに並んで居たはずだが、今は誰も並んで無いって事はそういう事なんだろう。
いや、見ていない間に変わっていたのかもしれないから何も言えないが、ずっとあのままだったんじゃないかと疑ってしまう。
「はぁ……並びたくないけど、あのゲームはやってみたいし……なんなんだ最近、厄日なのかなんなのか分からないがついて無さすぎるだろ俺」
もう少しの間だけ、違うゲームをしながら時間を潰して、空きそうに無かったら頑張って並ぶしかないか。
時間潰しにいいゲームは何だろうな、UFOキャッチャーでも見ながら時間を潰すのも手だな。欲しいものがあったら、やってみればいいし、いい時間つぶしにはなるだろ。
UFOキャッチャーのある方に移動をして、景品を見て回るが、これといって欲しいものが全く無かった。
フィギアを欲しいなとは思ったりもするが、実際問題置く場所に困っていくのは目に見えているから、しようとは思わないし、他にもぬいぐるみやタオルやお菓子があるがなんか違う。
過去には、ラジコンなんかもあった気がするが、今は無いんだな。
あの時ラジコンが取れた時は喜んで、家に持って帰って動かそうとしたが、取れた時に壊れたのか、動かなくて泣きそうになった。
「……早く空いて欲しいな、やっぱり並ぶしか無いのか、100円が2枚しか無かったし、両替してから並ぶか」
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ここもかよ、はあ……何で今日に限って行く所行く所に怖そうな人がいるんだよ。もう嫌な予感しかしないし、怖そうな人達が話してる女の子にも見覚えがありすぎて困る。
何でアイツの背の低い方の友達が、こんな所にいるんだよ、来る場所間違えているだろ。
違う、今はそんな事を考えている場合じゃないな。急いでUターンをして見なかった事にしないと、絶対に碌でもないことになるのはわかる。
最低かも知れないが、俺は主人公にはなれないからこれで大丈夫な筈、いやこれが正解のはずだ。
俺なんかが怖そうな人と話すなんて、カツアゲされる未来しか見えないしな。さて両替は諦めて急いでゲームを探すか。
振り向いたところのゲームが、空いている様に祈るか。この際何でもいいから空いていた筈だと思いたい、幸い100円がまだ2枚もあって本当によかった。
空いているゲームはチョッピングマシーンかよ! なんでこんな時にまで、この際仕方がないしやるか。
「あ、あの人です! あの人と一緒に来たから大丈夫です」
何が大丈夫何だ、俺は大丈夫じゃないからな。さっきから冷汗が出てきてるからな。
「あの人って誰だい嬢ちゃん? 人が沢山だからちょっと分からねーや」
よし、そのまま永遠に分からないでくれ。言うほどいない気もするが……それより焦るな俺、大丈夫だ絶対に大丈夫な筈だ、寧ろ大丈夫でいたい。
「い、今チョッピングマシーンに、向かおうとしてる男の人です! あの人と一緒に来ました!」
「あいつか?」
「そ、そうです」
やばいやばいやばい、あっちにもやっぱり気付かれてた。何で普段いるのかいないのか、分からないような扱いをしている癖に、こんな時にだけなんで存在を認めるんだよ。
チョッピングマシーンから逸れて、急いで他のゲームを探さないとだな、なにか何でもいいから、この際なにか無いのか今ならどんなゲームだって俺はする。
「おい! そこの坊主ちょっと、こっちに来い」
もしかして俺の事じゃないのか? ヒヤヒヤして損した気分だな。何だよ紛らわしい、探していたのは坊主の人かよ! だよな、やっぱり陰キャの俺の事なんて分かるはずがなかったな、坊主の人は可哀想だが、俺はゆっくりとゲームを探すか。
「おい! こっちに来いって言ってんのにどこに行くんだよ、おい!」
やっぱり山崎のやっていたゲームは変わらないか、両替は出来てないが、この際並ぶか寧ろ急いで並びに行くか。なんか嫌な予感がする。
「ちょっと待てって! やっと捕まえたぞ」
「ひっ……え、えっと俺の事ですか?」
嫌な予感はやはりあっていたようだ。肩を捕まれ声をかけられた。
坊主って呼ぶから期待していたが、やっぱり俺のことか、両替をしようとさえ思わなければ……本当に今日はついてなさすぎるだろ!
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