第23話 遊びたかった?




 家に帰ることにした俺は、帰り着いて母さんや悠里に、何か言われるかなとも考えたが家には誰もおらず、部屋にそのまま安心しながら向かい、着替えてから俺は、疲れ果てた心身を癒そうとベッドに横になった。



 遊びに行く前は、寝ていなかったにも関わらず、不思議なぐらいに元気だったのが、嘘のように今は体が重い。

 


 ベッドに横になりながら俺は、黒木と山崎にメールでも、謝った方がいいかなと考えながら、スマホを手に持つが、何て謝ればいいのか分からない。



 今日は本当にごめん。だけとか短すぎて素っ気ないか? え、待って本当になんて謝ればいいのか全然分からないんだが……向かい合ってならごめんとすぐに謝れるがメールだと難しすぎだろ。



 どれだけ考えても眠さと疲れで、頭が全く回らず考えられない俺は、結局2人に今日は本当にごめんとだけ送り、そのまま眠りについた。



 俺が目を覚ましたのは、カーテンを閉めずに寝ていたにも関わらず、部屋の中も真っ暗になっている頃。



 今日の事を夢でも見てしまい俺は、理衣亜が来た所で、黒木と山崎に色々説明しようと、「これには深い訳があるんだ」と色々説明をしようとしていたが、黒木が「増田殿に色々深い訳があろうと私達にはただの言い訳にしか聞こえませんぞ。3人で遊ぼうと言っていたのに最低ですぞ」と言われた所で目を覚ました。



 悪夢を見て目を覚ました俺は、頭を掻きながら、あれが悪夢で良かったとホッと一息つく。



 俺は一息ついて少ししてから、時間を見る為にスマホで、時刻を確認すると夜中0時をすぎた所。



 正午前ぐらいに寝て、起きたのがこの時間は流石に寝すぎたなと思いながら、スマホの画面を見ていると、メールが3件送られてきているのに気が付いた。



 差出人は黒木と山崎、そして理衣亜からメールが送られてきていて、どれも見たくないなと考え頭を悩ませる。



 黒木と山崎のメールは、あんな夢を見た後に見るとか怖すぎる。理衣亜からのメールは問題外。今は名前すら見たくない、山羊じゃないが読まずに削除したいぐらいに。



 俺は暫く考え、結局は見ることになるんだと震えそうになる指を動かし、1番最初に送られてきている、理衣亜のメールからじゃなく、山崎のメールから開くことにする。



 山崎から送られてきているメールを、恐る恐る見て俺は安堵して、それから笑いが出た。

 山崎から送られてきた内容が、〔本当に気にしなくていいよ、そんな事より今日のカラオケの黒木君! 笑っちゃダメだよ?〕と送られてきていて、その後に動画が添付されている。



 添付されている動画を、俺は悪夢で見た黒木を思い出しながら、恐る恐る動画を見始める。



 動画を再生すると、黒木がXの紅って言う曲のサビの部分を歌っていて、やはり黒木なのか、紅に染まったこの俺をでっすぞっーっと付け加えているのを聞いて、そこで思わず笑ってしまった。



 音程とか色々外しているのを気にせずに、黒木が腕を上げたりしていて、学校での黒木とは違いすぎる姿に驚くが、本当に楽しそうに歌っている。



 黒木の歌っている動画を見終わり俺は、次に黒木からのメールを見ることにする。

 黒木からのメールもやはり〔気にしなくていいですぞ! それより山崎殿に動画を撮られた93倍仕返しですぞ!〕と送られてきていた。



 93倍仕返しって言うのがよく分からないが、黒木から送られてきている、動画も見ることにした。



 動画を見始めると、山崎がゲームをしている姿が移り、淡々と相手を倒している動画だった。

 これが山崎の言っていたゲームなんだろうか? ダメージを全く受けずに相手を倒している。



 ダメージを受けずに倒すとか凄すぎじゃないか? 山崎が上手すぎでなのかCPUが弱いからなのかは分からないしCPUなのかも分からないが。



 山崎が勝って対戦が終わり山崎が動画を撮られているのに気付いて黒木に止めてと色々やってる所で動画は終わったが楽しそうにしていた。



 何なんだ2人とも、学校と違いすぎじゃないのか? どっちも凄く楽しそうに遊んでいて羨ましすぎるだろ。俺も本当に一緒に遊びたかったなと、考えながら動画を何回か見て、明日は1人でゲームセンターに行こうと決め、また眠りについた。

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