第11話いいだろ?
「そ、そんなことないよ! 健人が言いたい事も聞きたい事も1個ずつあるはずだよ!」
「え!?」
「だからね、どっちも1個ずつあるはずなんだよ!」
俺が本当に他には無いなと考えていたら慌てた様に言ってくる理衣亜。
しかし残念、言いたい事は2個だ! とか考えてみる俺。違うな真面目に考えるか。
1個ずつあるってやけに具体的な数字が出てきてるって事は俺と考えている事はまず違うだろう。
スマホを取り出してから理衣亜が来たって事は、スマホに関して何かあるってことなのか? スマホで言いたい事と聞きたい事ね。
最新機種買ってもらったんだ! いいだろ!? とかか? まず無いな、小学生の自慢か。
もしかして、スマホ買ってもらったんだ! 連絡先教えてくれないか? とかか? これも絶対無いな。内心は凄く知りたいけど。
それより聞いた瞬間に私、健人の知りたいと思わないしごめんね? とか知りたくない発言されたら俺がもう本当に立ち直れなくなってしまう。いくらなんでも追い討ちかけすぎだろ。
俺は、もう考えていてもしょうがないと思い最初に思い浮かんだ言葉を言ってみることにした。
「そ、そうだな確かに1個ずつあった! これ最新機種なんだ! いいだろ!?」
「…………そ、そそそうなんだ! いいね!」
「……」
俺がそう言った瞬間空気が凍りついた。そして困惑顔になった後いいねと言いながら顔を逸らす理衣亜。
その間は何なんだ! 絶対いいねとか思ってないよな。いいねと思うなら良さそうな顔をしろよ、変な空気も醸し出してたぞ。気まず過ぎる。
絶対違うと分かっていながら言ってしまい、後悔して何も言うことが出来ずにいる俺。そして理衣亜も無言でそのまま固まってしまった。
「そ、それでね健人! 言いたい事と聞きたい事1個ずつあるよね!?」
それから何秒たっただろうか理衣亜が、さっきのを無かった事にする様に同じ事を聞いてきた。
うん、無かった事にされるのは本当に助かった。いくら何でも言ってる俺が恥ずかしかったしな!
しかし、そうなると他のことって事だろう。 他の事と言えば親睦会の事だろうか? チャットの返事の事を言ってるのか? それしかないよな、他には無いはずだ。
「そ、そうだな! えっと、俺は親睦会出ないんだ! グループチャットやって無いから返事出来ないし! だけど知りたい訳じゃないし大丈夫だ。そういう訳で聞きたいことが無いんだが?」
グループチャットは別に今は、もうしたくないのは本当の事だ。 クラス全員が居るとか誰と誰が会話してるか訳が分からなさそうだし、どんなのかは知らないけど。
それより黒木と山崎と話してて分かったけど、俺とも話してくれる人が居るか分からないと言うのが大きい。話し相手が居ないチャット何かを見ててもつまらないだけだろうし。
それならしない方がいい。そうなると本当に聞きたい事が無いんだが聞きたい事とは何なんだろうか。
そう思って言った俺だが続く理衣亜の言葉が意外だった。
「……グループチャットは私もやってないから教えられないけど、それより健人本当に親睦会出ないの?」
「え!?」
「何で驚くの!?」
俺は理衣亜の言葉を聞いてかなり驚いた。そしてお互い沈黙する。
何で驚くのって理衣亜もグループチャットやってない事が意外すぎだろ!? どういう事だ、普通に誘われていそうだが誘われていないって事なのか? もしくは俺に合わせてやってないって言ってるだけなのか、どっちだ!?
言って欲しい事が親睦会の事でも無さそうだし。聞いて欲しい事もグループチャットの事でも無いとしたら本当に何を聞いて欲しかったんだ!? もう訳が分からなすぎる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
私が言った瞬間に凄く驚いた顔をした健人を見て、私は思わず溜息を吐き出したい気分になったけど何とか言葉をだした。親睦会について驚いてる、わけじゃないのは分かってるから。
私が他の男の人と連絡をとるように思ってるのかな? 私はグループチャットは所か連絡先も男の人と交換はしていない。
仲良くなってないって言うのもあるけど、やっぱり1番最初は健人が良かったから。それなのに何で健人は、こうも私が言ってきて欲しい事を尽く告白もだけど何で言ってきてくれないの!?
健人がせっかくスマホを買ってもらったんだよ? お父さんとお母さんには迷惑かかるけど一緒のスマホにしないかって、言われたいんだよ私は! 私からは、恥ずかしくて言えないから一緒何だけど分かって欲しいしスマホだけどお揃いにしたいんだよ私!
それに健人は連絡先を聞いてこないのか1番意味が分からないよ!?
寧ろ買った日に聞いて欲しいぐらいだったよ!? 何で黙ってたのかも意味が分からないよ……謎過ぎるよ本当に!
私から聞けたら1番良いんだけど、流石に思わずだけど振ってしまった健人に聞いて、振った理衣亜に何で教えなきゃいけないんだよって大好きな健人にそんな事を言われるのが怖すぎて聞けない。
でも、このままだと健人も聞いてきてくれないのは目に見えてるし私から聞かなきゃ変わらないよね?
よし! 頑張って聞こう! そう意気込んでから私は口を開いた。
「健人! 私は健人の連絡先が知りたいんだよ!」
健人は口を大きく開けて驚いた顔をしながら固まっていた。少し声が大きかったかな!? 一部喋ってた人達も喋るのやめて口を開いて無言で見てくるよ……うぅ
恥ずかしい……でも勢いで言わないと言えないしこれで教えてくれなかったらどうしよう。
「は、早川さん!? え、えっと俺が聞いても教えてくれなかったのに、な、何で!?」
私が色々な事を考えながら健人の返事を待っていたら驚いた顔をしながら今井君がそう喋りかけて来た。
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