第7話制服デート?




 俺と理衣亜は学校を出てから学校近くの駅から自宅方面に4駅離れた所にあるショッピングモールに行くことにした。



 理衣亜は隣の駅を降りても本屋もあるし、他にも色々とあるからとそこで降りたがっていたが、同じ学校の人に合うかも知れないと思った俺は「理衣亜はここが良いなら、このまま1人で行けばいいんじゃないか? 俺もこのまま1人で行くし」と言った。

 理衣亜は、その後小声で何かを言いだしたが良く聞こえない。



 理衣亜は結局俺に着いてくる事にしたみたいで、そのままショッピングモールに着いた。

 ショッピングモールに着いてから周りを見てみると思いのほか人が居る。



 小学生の子供を連れた母親や若い恋人同士の男女、そして夕方時なだけあって友達同士で来たと思われる中高生や恋人同士の中高生までいた。



 俺はそれを横目に見ながら歩き、入口に向うが理衣亜は立ち止まったままいた。何を見てるんだと理衣亜の視線をおったら、若い男女の恋人同士を見ていた。



「何をしてるんだ? 置いてくぞ」


「な、なんでもないよ! 置いていかないで!」



 立ち止まったままの理衣亜に俺は、素知らぬ顔で声をかけ理衣亜は返事をしながら小走りで俺の隣まで来て、そのまま一緒に向かう事にした。



「久しぶりに来たけど、ここ変わってないね。本屋も前と一緒の所にあるの?」


「中の店は色々変わってる筈だけどな。本屋の場所は変わらず3階にあるぞ? それじゃ早速本屋に行くか」



 理衣亜とエスカレーターがある方に向かって、歩いていると理衣亜が手を指でつついて来た。

 声を掛けてきたらいいのに何でこんな事をするんだ? と思いつつも敢えて俺は気付いてない振りをしながら歩く事にした。



「ね、ねぇ健人! 人が思ったより多いし、は、はぐれたり迷子になったら大変だよね!?」


「は……い?」


「だ、だから、はぐれたり迷子になったら大変だよねって!」



 しばらく歩いていると理衣亜が立ち止まり、よく分からない事を言い出した。意味は分かるんだが意味が分からない。



 俺が何とか聞き返すと理衣亜は同じことを言ってきた。理衣亜は、本当にいったい何を思ってこんな事を言ってくるんだ!?

 はぐれるにしても目的の本屋は分かっているし何度も来てるのに迷子になる筈ない。



「いや、はぐれるにしても迷子になるにしても本屋に向かえば合流出来るし、それがなんなんだ? それより止まってないで早く行かないか?」


「そ、そうなんだけど! せ、折角一緒に来たんだし、はぐれたり迷子になったら嫌だよね!?」


「いや、別に合流出来る訳だし人が思ったより多いって言ってもそこまでだし、はぐれないだろ?」


「それも、そうかも知れないけど…で、でも健人よく迷子になってたしね!? だ、だからね、えと……」



 顔を少しずつ赤くしながら理衣亜が言ってくるが何時の話をしているんだ、迷子になったの何てどれぐらい前だよ、ここにはそれなりに来てるし迷子になる訳もない。



「はあ……何を言いたいか分からないけど迷子になったのなんていつの話だ。ここには何度も来てるし迷子のなりようもないだろ?」


「去年の12月の話だよ……? 健人と悠里ちゃんと3人で映画見に行った時だよ? 覚えてないの?」


「………」



 忘れてた……映画館に向かう途中でトイレに行くから映画館で待っててくれと、言ってからコンビニとか店を何軒か行って戻れなくなったのあったな……1時間ぐらい映画館の前で待たせて理衣亜と悠里が凄く怒ってたな。



 だけど俺にも言い分がある! 映画館も入ってる大型の新しく出来た、ショッピングモールに向かう途中だったし、初めて行くところでしかも限界に近い状態で、店のトイレがあちこち埋まってるし、コンビニとか探して回っていたんだし迷子にならないわけが無い。



 最初の店で大人しく待ってた方が賢かったかも知れないが、こうゆう事はよくあるはず、ショッピングモールですればいいのにとか思わないでくれ。



「そ、そんな事もあったな勿論覚えてたぞ? すごく怒ってたよな!? そ、それで迷子になるからなんなんだ!?」


「え、えっとね、だから手をね、手を繋がないかな…? って……も、勿論ふ、深い意味は無いよ!? また健人が迷子にならないようにだよ!?」


「………」



 理衣亜は何を言い出すんだ、訳が分からないぞ。俺はここでは迷子にならないって言ってるのに何て事を言い出すんだ。俺を馬鹿にしているのか、それともまだ俺に勘違いをさせる気か!? もう勘違い何かしないんだけどな。



「だ、だからね健人、手を繋ご!?」


「い、いや迷子にな……って急に何してんだ、離せよ!? 迷子にならないからいいだろ!?」


「い、一応だよ! い、いいからこのまま行こ」



 迷子にならないからと断ろうとした所で理衣亜が顔を赤くしながら、いきなり手を繋いできた。

 俺と手を繋ぐのが顔を赤くするほど恥ずかしいなら握るなよ。俺も恥ずかしいし勘違いをしないって決めていても勘違いしそうだ。



「い、いや理衣亜、恥ずかしいんだろ? 離せよ」


「は、恥ずかしくないし! い、いいでしょ行こうよ!」



 理衣亜がそれだけ言って手を引くように足早に歩き出した。余程恥ずかしいんだろうな。俺はすごく恥ずかしい。本当に何なんだいったい、理衣亜はいったいどうしたんだ。



 それから俺達は手を繋いだまま、本屋に着いて俺は目的の本を買った。理衣亜は欲しがってたボッチとか金髪の本は探さないのかと、聞いても無かったと言ってくる。ずっと隣にいて本を探してた様に何て見えないんだけどな

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