第3話入学式に向けて........理衣亜




「……え? ご、ごめんリアねえ、もう1回言ってもらってもいい?」



「え、えっと大好きなタイプと愛してるタイプをお、教えて欲しいなあって」



「……」



 健人に好きだ!って告白された卒業式から数日が経ち、私は健人の大好きなタイプか愛してるタイプを聞こうと思い、健人の妹悠里ちゃんに電話をしている。



 健人の大好きなタイプか愛してるタイプを聞くのに何で健人の妹の悠里ちゃんなのかは、ちゃんと理由がある。



 健人は学校ではほとんど? ううん毎日休み時間はずっと1人で過ごしており、帰りも1人で毎日帰っていたから、まず間違いなく友達は居ないはず。そうなると健人の大好きなタイプか愛してるタイプを知る人は居ないと思い、こうやって悠里ちゃんに電話をしている。



 色々考えて結局、悠里ちゃんに聞くことにしたけどやっぱり恥ずかしい。

 それに悠里ちゃん黙っちゃったし、何で!? 私、何か変な事言ったのかな!?



 健人に好きだとは言われたけど私は大好きだや愛してると言われたいからこうやって聞いてるのに何か変な空気になったよ!?



「え、えっと悠里ちゃん?」


「え? あ、うん。所で何の大好きなタイプか愛してるタイプを知りたいの?」


「け、健人のその……」



 は、恥ずかしいよ! 何の大好きなタイプか愛してるタイプなんて聞かなくても分かってるはずなのに!

 私は今、絶対に顔が赤いよ!? 顔が暑くてしょうがないよ! 燃えてるよって言われても信じるかも……な、なんて……



「え、えっと、リアねえが聞いたらいいんじゃないかな? それに私が知るわけ無いよ?」


「そ、そんな恥ずかしくて聞けないよ! そ、それは困るよ!? 何か知らないの!?」


「そう言われても……うーん、大好きなアニメとかラノベならまだ分かるんだけど」


「悠里ちゃん! そ、そそそれだよ! うん!大好きなアニメのタイプとかラノベをし、知りたかったんだよ私! た、たまには健人の大好きなアニメやラノベの話をさせてあげようかなって色々と、言葉足りなかったね!」



 私は恥ずかしさに負けて誤魔化すようにアニメの事やラノベを知りたかったんだって言ってわ見たけど…ごまかせたかな…? 言葉は本当に足りてないから誤魔化せたとは思うんだけど……ラノベって何?



「だ、だよね!? リアねえがおにい何かの好みを知りたがる訳無いよね! 私、勘違いしてたよ」



 うぅ…か、勘違いじゃないけどじゃないけど! 本当はそっちを知りたいんだよって言いたいよ! い、今更本当はそっちが知りたいなんて言えない……



「リアねえ?」



「うん? 何かな?」



「えっと、最近ならボッチな俺が金髪尻軽ビッチにプロデュースされリア充になるってやつが好きなんじゃないかな? いつの間にか本棚に増えてた本だよ」



「……え?」



 ちょっと何その本!? 大丈夫なの!? 何かもう名前が危ない気がするのは私だけ!?

 健人も何でそんなよく分からないの買ってるの!? 健人もプロデュースされたいってこと!?



「リアねえ? どうしたの?」



「う、ううん、どうもしないよ? それって金髪じゃないとダメなのかな? し、しり……じゃないとダメなのかな?」



 は、恥ずかしすぎて言えないよ! 何で悠里ちゃんは恥ずかしげもなくそんな言葉言えるの!?



「……ラノベの事だしそれじゃないとダメなんじゃないかな? 私には分からないよ」



「だ、だよね! ごめんね?」



 そして、それからも色々悠里ちゃんにアニメやラノベ? の話を聞いたりして電話を終わらせた次の日私は行動に移した、その日の夜。



「理衣亜? どうしたんだその髪の色……何かあったのか?」



「な、なにもないよお父さん、うん何も無いけど高校生になるし、えとえと……」



 うぅ……やっぱりお父さんにも言われたよう、髪の毛を染めて帰ってきたらお母さんにも色々聞かれるし……さ、最近の高校生ならき、きっと普通だよね!?

 昨日、悠里ちゃんに聞いたんだし、アニメやラノベだけど間違いじゃないよね健人の大好きなやつだし! うん!



「……まあ、何も無いならいいんだけど」



「うん……」



「ふふふ」



「お、お母さんも笑わないでよう……」



 この休みの間に健人に会いたかったけど会えなかったなあ。

 でも高校で会ったら絶対喜んでくれるよね!? ビックリしてくれるよね!? そして、健人に……



 そして私の長い休みが終わって入学式の日になった。

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