孤独学生と少女の為の「Remedy」-教信者を添えて-

@kayazu

intro-prorogue Dedicated to Star Road「Come and Get you love」(愛しきスターロードに捧げる”カム・アンド・ゲット・ユー・ラヴ"”)


Hail , what's the matter with your head, yeah

おいおい、その頭どうしたの?


Hail (Hail), what's the matter with your mind

And your sign an-a, oh-oh-oh


おいおい、君の心の問題とか気持ちとかは一体全体なんのことだ?



Hail (Hail), nothin' the matter with your head


なあなあ、その頭の問題が悪いわけはない。



Baby find it, come on and find it


なあベイビー分かるだろ、こっちに来いよ



Hail, with it, baby, 'cause you're fine


ああベイビー、君はありのままが素晴らしいんだ



And you're mine, and you look so divine


君は俺のものだ、神のように視えもする君のことさ




Come and get your love

Come and get your love


――—こっちに来て、愛をくれよ。こっちに来て、愛し合おう

今....このどうしようもない修羅場の中に、ipodの唄が聞こえていた。

Redbornの「Come and Get you love」。俺の好きな、スターロードが聴いていた唄だ。


「その手を...離せよ」


今日は良い天気だ。風が吹き、鳥たちが唄い....大人が子供を拷問する。ストレス解消には、最適な日だと思うよ。...心から。

それは....そして、「あの子」が、処刑されていく日でもあった。


今、俺はある人と対峙している。孤児院の中の地下道の主、か弱い純真な女の子を羽交い締めにしている悪の親玉。

ポケットにはipod。ウォークマンじゃないのが残念だが。

そして、異様なのはその光景だ。後ろには....男子も女子も10歳も5歳も関係なく、親を失い、引き取られ、無残に解体された子供たちのすがたがありありと淡い隙間の光にちか、と照らされていたのだ。


俺は再度奴に問う。


「離せっつってんだよ。その子に付いた、血に濡れた薄汚ねぇ右腕をよ。」

俺は再度睨む。静熟だけが、この世界を支配していた―――




想い残した事があるとしよう。この青春に。


例えば...21歳の大人が想い描くにはもはや遠すぎた夢だったが....「俺はヒーローになりたかった」


誰かを救う、純然たるヒーロー。

だが、間の悪いことに、"なぜか"世界は俺の救いを求めてはいないらしい....いや、この現代に於いて、人物というものが直接、救える人間というのは何人いるのだろうか。


人を救おうとする人間はすなわち、傲慢であろう。

自分だって、学習する。救うには簡単。困ってる人を救うにはどうするか?....金を渡せば良い。泣いて喜ぶだろうさ。


つまるところ、金欠の俺には、この社会での力で解決などという方法は、ありはしないのだ。誰も人の人生を救えない――それに気づいたとき、人の人生は始まるというもの。




では...視点を、変えてみよう。つまり、こうだ。「簡単に言うと、人生を変えてみよう。」



これは、本当にどうしようもない俺自身の、「救済策」だった。


あの子と出逢い、俺自身が、再び変わることになるきっかけ―――


お楽しみいただこう。くだらない、紙屑の切れ端のような、俺の人生の一遍を。


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