ものを書く意味

 何を書きたいんだろう。

 いつも、それを考えている。


 とてもとても、難しい問い。



 読んでほしい。できるなら、多くの人に。

 けれど、どうやら一般受けするものとか、商業的にイケるものとか、そういうものを描きたいわけでもないようで。



 自分が本当に大切に思っていることって、なんだろう——

 本気で誰かに伝えたいメッセージってなんだろう。

 そういう問いを、常に自分に繰り返している。

 そんな気がする。


 メッセージって、全然立派じゃなくていい。

 いい悪いじゃなくて、自分が面白がって夢中になれるものなら、なんでも。

 こういうところが、果てしなく気まぐれで自分勝手。



 表現したい。

 誰かに伝えたい。

 自分自身がとことん満足したい。


 ——書く欲求って、考えれば考えるほど矛盾だらけだ。

 なんという不可思議な欲求。

 そんな得体の知れない欲求に心も身体も雁字搦めに囚われ、深く呑み込まれたまま逃れることができない。



 けれど。

 その地獄のような場所にどっぷりと浸かることが、たまらない幸せなのだ。

 こんな私は、やっぱりどうかしているのだろう。



 ——幸せだ。

 こうして自由に書き、読んでもらえる場を得、好きなだけ地獄の苦しみにまみれている私は、つくづく幸せ者だ。

 それだけは、はっきりと言える。




 叶うならば、書きたいと湧き上がるこの欲求が、ずっと尽きることのないように。






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