第10話 九条さんとオークション

「光雲くん!オークションって知ってる?」


「知ってるもなにも俺ネット依存症だしな」


「今オークションで欲しいものがあるのよ!」


「へぇ?なにが欲しいの?」


「ブランドの財布よ!」


「ふーん。やってあげようか?」


「やるって?」


「オークションにもコツがあるんだよ。九条さんだって安く手に入れたいでしょ?」


「そうね…じゃあLINEでリンク送るからそのページにいってくれるかしら?」


「おけ。わかったよ」


「これだね。九条さんの欲しいやつ」


「そうよ。あと1時間で終わるのよ」


「現在2万2000円か…わかった。待とう」


「入札しないの?」


「これは終わる直前に競るタイプだと思う。違うとしてもまだ入札はすべきではない」


「九条さん予算はいくらなの?」


「3万よ」


「もしそれより安く買えたらその分を今日の夕食(外食)の代金にするってのはどう?」


「それなら私も損しないしいいわよ」


「じゃあ任せておいて!」


「そもそもオークションのコツってあるの?」


「うーん。やり続けないと分からないから感覚みたいなものかな。あとは勝負だね」


「ふーん。そっか」


50分後


「光雲くん!どう?ねぇ!どう?」


「うーん。厳しいかもなー。」


「今いくらになってるの?」


「2万5000円。」


「まだまだ余裕あるじゃない?」


「ここから上がるんだよ…大変なんだ」


「そーゆーものかしら」


5分後


「2万8000円か…きついなぁ」


「まだまだ私の予算内よ?」


「送料無料じゃないからこの辺で落札しときたいんだよね」


「あら。送料くらいは気にしないわよ?」


「送料込で3万が俺の役目なんだ!!」


「光雲くんめっちゃ熱くなってる!?」


「ラスト50秒。いくよ。俺の入札」


「いくらでいれるの?」


「29501円」


「最後の1円って意味あるの?」


「こうすれば3万以上にしないと入札出来ないようになるんだ。」


「…」


「よし!落札!!」


「やったわ!!送料込でいくらになったの?」


「メール便だから29800円くらいかな」


「光雲くんのプラン通りね!」


「まぁ普段なにも出来ないし。お返しだよ。それにこの1時間九条さんとたくさん話せたし」


「あ…ありがとう…私がいつも忙しくてお話出来ないから?」


「それもあるし俺の為に働いてくれてるからさ」


「べ、別に気にしなくていいのよ?」


「それでも感謝してるからさ。届くの楽しみだね九条さん!」


「ありがとう光雲くん!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る