第8話 九条さんの好物
「おはよ九条さん」
「おはよ光雲くん」
「今日はバイトだよね?」
「そうよ?」
「なんかこの前の百貨店で美味しいもの売ってるらしいからバイト帰り買ってきてよ」
「ちょうど帰り道だしいいわよ」
「光雲くんはなにが好きなの?」
「んー。惣菜なんでもかなー」
「そーゆーのが1番困るのよ…」
「まぁなんかテキトーに買ってきてよ」
「わかったわ。今夜の夕飯はそれにしましょ」
「んじゃあ楽しみにしてるね」
「まだバイトいかないわよ」
「まだ朝の7時か…」
「俺は2度寝するよ」
「わかったわ。私はメイクしたりしてたらちょうどいい時間になりそうだし」
「九条さんのメイクってアイラインとかシャドーとか結構こだわってるよね」
「バイトは接客業だしそれくらいするわよ」
「そっか。俺は寝るよ」
「はーい」
「さぁメイクしてコンタクトしてっと…」
九条さんのメイクは30分かかる
「もう出勤ね…行ってくるわ光雲くん」
「って寝てるのよね…まぁいいわ」
バイト先到着
「九条さん!今日はあんまりお客さんこないと思うけどよろしくね」
「はーい店長。分かりました」
「ほんとに客こないわね…ルーム清掃の人は別にいるし…暇だわ」
「キッチンの人も暇そうね…」
「店長!なにしたらいいですか?」
「そうだねぇ…マイクの掃除とかじゃないかな」
「それもすぐ終わりますよ?」
「んー。九条さんはよく働いてくれるし。サボっててもいいんだけどね…って店長である僕が言ったらだめか…あはは」
「店長しっかりしてください!私バイトなんですから!」
「じゃあまあお客さんくるまでドリンクバーの補充とかしといてよ」
「わかりました」
「はぁ…今日ほんとに暇だわ…台風の後ってこんなもんなのかしら」
「あ、お客さんだ。いらっしゃいませ」
「フリータイムですね!会員様でしょうか?あ!それなら1人1000円ですね」
「お会計は後でなので402号室を使ってください」
「これが洗浄済のマイク2本です」
「っとー。やっとお客さんきたわね」
「客商売とはいえメイクし過ぎなのかしら…私のせいで増えてるお客さんいるって店長も言ってたし…」
「まぁいいわ。しばらくはチャネルのメイクパレット使おっと」
「改めて思うと光雲くんほんとにくじ運いいわね…そうだ!今日帰りに懸賞本買って帰ろっと」
「九条さん休憩だよ」
「あ、店長!もう休憩ですか?私1回しか接客してないんですけど…」
「いいのよいいのよ」
「分かりました!九条休憩入ります!」
「さーていつものことだけど光雲くんチェックと…って今日は寝てるって言ってたわね」
「寝てるわ…はぁー…暇だな」
「そうだ。百貨店のグルメ調べてみよっと」
「物産展?野菜や惣菜が売ってるのね」
「私の好物の九条ネギも売ってるみたいね…絶対買わなくちゃ!」
「早くバイト終わらないかなぁ…」
「てかカラオケ屋って暇だと早く帰れるのよね」
「店長!もう1時間いて誰もこなかったら帰ってもいいですか?」
「あぁー。全然いいよー」
1時間後
「結局誰も来なかったわね」
「まぁ早く帰れるしいっか!」
百貨店にて
「わぁー!九条ネギがこんなに!っても料理あんまりしないから1本だけ買ってこ」
「他にはなにがあるかなー」
「あ!ねぎ塩唐揚げだ。確か光雲くんこれ好きだったし買ってこ」
「あとはご飯の友かぁー。この食べるなんとかってやつもいいわね。買ってこ」
そんなこんなで九条さんは
たくさん買い込んできた
帰宅
「ただいま光雲くん!」
「あ、九条さん。おかえり」
「ってネギあるじゃん」
「そうよ?私の好物なの」
「九条さんと九条ネギってなんか関係あるの?」
「名前とはなにも関係ないわよ。ただ好きなの。」
「そっか。なんか俺の好きな匂いがする」
「ねぎ塩唐揚げよ!」
「おぉー!覚えててくれたんだ!」
「あとはご飯の友とかいろいろ」
「ご飯炊けばそれで良さそうだね」
「ところでその九条ネギなににつかうの?」
「なんか料理するわよ」
「俺九条さんと出会ってからほぼ九条さんの料理って食べたことないけど…」
「私だって料理くらいするわよ!」
「分かったよー」
「じゃあご飯炊くわ」
「光雲くんいつも通り洗い物はしてくれたのね」
「それくらいしか出来ないからなー」
「ありがとうね」
「いーえー」
「さて今日は九条直伝!九条ネギタレを作るわよ」
「ネギのタレ?」
「そうよ。刻んだネギにごま油とか調味料を加えてご飯とお供にするのよ」
「それ料理なの?」
「いいでしょ!作るんだから!」
「じゃじゃーん!出来たわ!ネギタレ」
「おー。美味そー」
「ごはんに乗っけて食べてみなさい」
「よっと。もぐもぐ…美味しい!!!」
「ほら見なさいよ。美味しいでしょ?」
「これめっちゃ美味しいね九条さん!」
「九条直伝の秘伝のタレよ」
「秘伝なのか…」
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