第4話 九条さんと花火大会

「光雲くん!百貨店行かない?」


「今どき百貨店って呼んでるの?まぁいいけど…」


「最近近所で夏祭りがあるって店長に聞いたのよ!」


「俺夏祭り行ったことないや」


「九条お姉さんが夏祭り一緒に行ってあげるわよ!」


「キャラ変わり過ぎだろ…これも読者さんの意向か?」


「違うわよ!浴衣買うの!わかる!!?」


「あー。女子が着てるあれか…俺はスウェットでいこうかなー」


「夏祭りなんだからスウェットはだめよ!雰囲気出ないじゃない…光雲くんも浴衣買うの!」


「えー…でも俺金ないし…やだよ…」


「どーせ私のカード使うのは目に見えてるわよ!」


「九条さんカードなら…行くかぁ百貨店…」


「光雲くんも百貨店って呼んでるじゃない…」


ということで百貨店へ


「俺百貨店ってデパ地下しか知らないや」


「浴衣は5階ね…特設コーナーがあるみたいよ」


「ほー。そんなに流行ってるのか浴衣って」


「男の子も着れば雰囲気出るものよ!!」


「俺センスないから九条さん選んでよ」


「光雲くん私服ファ〇チキTシャツだもんね…」


「そうだよ?毎回宣伝してファ〇チキ1年分貰うのが夢なんだよ」


「宣伝とか…誰に宣伝するのよ…まぁいいわ!私が選んであげるわ。」


「光雲くんはこーゆーシックな黒が似合うわよきっと」


「えー。無難ー。シンプルー。」


「文句あるならファ〇チキ浴衣着なさいよ!!!」


「そんなもんないよ…あるなら俺買うわ」


「次は私の浴衣よ」


「女子の浴衣って俺分かんないよー」


「光雲くん知らないでしょ?女の子の浴衣って下着付けないのよ…?」


「まじですか…まぁ俺はいつでも触れるんだけどな…」


「雰囲気壊れるからそゆこと言わない!」


「えー。俺が選ぶのかよ結局」


「光雲くんが着てほしい浴衣よ?」


「んー。ピンクのやつだな。女の子はピンクだ」


「ピンク=女の子って…光雲くんまさか小学生がまだ黒と赤のランドセルだとでも思ってるのかしら…」


「ん?なんか言ったか?」


「んんん!なんでもないわ!さ。お会計しましょ」


「いーよ。俺が払うよ」


「え?光雲くんが?普段エナジードリンク買う210円しか持ってないじゃない」


「九条さんカードさ!!」


「やっぱり…そうなるわよね…まぁいいわ!選んでくれてありがとう。さぁ夏祭りに行くわよ!」


「まだ花火大会には時間あるぞ?」


「あーゆーのはお昼からやってて夜に花火大会とかやるのよ」


「ふーん。そーゆーもんか」


「それにお昼でも賑わってるわよ!」


「俺人混みとか苦手なんだよなあ…

なぁ九条さん…手繋いでいいか?」


「えっ…!?ま、まぁいいわよ。繋いであげるわ。私のほうが歳上だしね!」


「ん。ありがと。九条さんの手小さいね」


「180cmもある光雲くんに比べたらそうでしょうよ」


「九条さん…今思ったんだけど夏祭りって九条さんカード使えないよな」


「使えないわよ?」


「俺210円しかない…」


「私のバイト代で払ってあげるからついてきなさい!」


「あんがと九条さん」


それからいろいろ買って一通り夏祭りの

格好になった2人だった…

そして夏祭り会場へ


「なんか歩いてたらお昼過ぎてたわね」


「九条さん歩くの早いのにね。結構歩いたよ俺」


「歩くの早いのはバイトのせいよ…早く読者さんとやらにどうにかしてもらいたいわ…」


「それいつも俺が言うやつじゃん」


「もう慣れたのよ!あとファ〇チキも慣れたわよ!」


「そーいや祭りにファ〇チキ売ってんの?九条さん。」


「売ってる訳ないでしょ!あれはファモリーマートだけよ!」


「俺らいつも油っこいカップルみたいだよな…」


「あんたが!!ごほんごほん。。光雲くんがファ〇チキネタばっかり言うからよ!それとラーメン一郎!」


「あー。あそこ行きつけなんだ。九条さんカード使えるからな」


「また私の知らない隙に…」


「やっと屋台やらなんやらある所来たぞ」


「そうね。光雲くんは何が食べたいのかしら?」


「ファ〇チキ」


「ほんとにひっぱたくわよ…」


「冗談だよー。わたあめがいいな俺」


「わたあめ??あ、ちょうどこの前観たスンゴイダーマンの袋のやつがあるわよ」


「あー。俺が寝て…いや!スンゴイダーマンにしよう!スンゴイダーマンがいいんだ!」


「急に子供っぽくなったわね…」


「おじさん!俺!スンゴイダーマンのわたあめ買う!」


「毎度!スンゴイダーマン人気だからお昼に来て良かったな!」


「お金私が払いますね…」


「次は九条さんが食べたいもの買お」


「どうせ私のお金ですよーだ。んー。焼きそばは歯に青のり付いちゃうし…焼きとうもろこしも引っかかっるし…こーゆーとき女の子は困るのよね」


「九条さんはーやーくー」


「分かったわよ!りんご飴にするわ!」


「りんご飴?俺あれってどうやって作ってるのか気になるんだよね」


「私だって知らないしどうでもいいのよそんなこと!」


「おじさん!私にりんご飴1つ!」


「毎度!くじ引いてくかい?当たったらもう1個おまけするよ!」


「光雲くん引きなさいよ」


「え?俺?んまぁいいけど。これかな。」


「お!兄ちゃん当たりだよ!もう1個持ってきな!」


「なんか分かんないけど当たったわ。九条さんこれ貰っていいの?」


「私屋台で当たり引くの初めて見たわ…それは光雲くんのものよ。一緒に食べましょ」


「なんか分からないけど食えるからいいか」


「(もしかして光雲くんなら…他のくじ引きも…)」


「ん?どしたの九条さん?」


「私がお金払ってあげるかわりに…」


「かわりにもなにも俺お金ないし」


「光雲くん!くじ引きしなさい!」


「え?くじ引き?なにやるの?」


「あれよ!ps5が当たるくじ引きよ!」


「いやぁ俺もyoTubeで見たけどあれ当たらないんでしょ?それでなんか盛り上がってたじゃん」


「光雲くんネット情報だけなのね…まぁいいわ!500円あげるからやってきなさい!」


「分かったよ…当たらないんだからな…」


「おっちゃん。くじ引き1回」


「毎度!1回引いて当たりが出たらps5だ!」


「これかなー。テキトーだよこんなん。ほいっと」


「お、お兄ちゃん当たりだ…だがうちは当たりを2回連続で引かないと景品はあげないんだ!」


「さっきそんな説明なかったぞ…まあいいや九条さん近くにいるかな?」


「光雲くん!どうだった?」


「当たったけど連続じゃないとダメだとか言われた」


「よくある手口ね…これは光雲くんにかけてみるわ!もう1回やってきなさい!」


「えーもう1回当てるとかどんな確率だよ。無理だよ」


「いいからやりなさい!!!」


「おっちゃんもう1回当たり引けばps5くれるんだよな?」


「お、おう!(どうせ引けないだろ…)」


「これかなー。テキトーに。ほいっ」


「お、当たりだ。」


「おっちゃん当たりだからps5頂戴」


「(増えたら足せば…って当たり引いとる…)お、おめでとう。ps5は空箱なんだ。あとで住所教えてくれたら送るよ…」


「空箱?まぁ分からないけど住所ってもなぁ…」


「そ、それならお兄ちゃん裏に来てくれないか?」


「光雲くん遅いわねー…」


裏にて


「実はあのくじ誰も当てないから空箱しかないんだ。現金あげるから黙っててくれないか?」


「それって詐欺じゃ…まぁいいよ。どうせ九条さんから貰ったお金だし」


「九条さん…?まぁいい。5万あげるから黙っててくれ!」


「(もうそろそろ九条さんのとこ行かないと)帰りますねー」


九条さんと合流


「という訳でかくかくしかじかで5万貰った。」


「光雲くん…祭り荒らしね…その5万は光雲くんのものよ。好きなの買いなさい」


「えー。でも俺1000円しか使ってないし…」


「それならこの祭りの花火大会の有料席あるってくじ引き屋のおっちゃんから聞いたからそれに使おうか。俺そうしたいし」


「そんなのあるの?でもくじ引きで貰ったお金だしそれでいいと私も思うわ」


「じゃあ2人で1万円だから俺払ってくるよ」


「光雲くんがお金を払ってくれた…!」


そもそもこのお金が自分のお金だと

忘れている九条さんであった


「いい席取れたわね。これなら座って花火大会を満喫出来るわ」


「うん。俺も花火大会初めてだから楽しみ」


打ち上がる火の花は華となり

2人の心に刻まれたそしてこの夏祭りは

九条さんの初花火大会デートであった…


「俺思ったよ。花火大会ってなんか儚いね」


「そうね。それが花火大会の良さよ」


「九条さん」


「ん?どしたの?」


「俺線香花火好きなんだ。帰りにファモリーマートで買って家の前でやらない?」


「家って…ただのアパートよあそこ」


「まぁなんでもいいじゃん。やろうよ線香花火」


「分かったわよ。私が払うから…」


「俺さっきのお金の余りあるから自分で買うよ。喉乾いたな。九条さん何か飲み物も買ってくるよ。何がいい?」


「私?んー。バター抹茶のラテ」


「俺もそれ好きになったよ。バター抹茶」


「そ、そう。美味しいのよ!」


こうして2人は九条さんのアパートに帰り

線香花火をした…

2人の手元にはバター抹茶ラテがあった

この夏祭り花火大会でなんだか

さらにお互いを好きになれた気がした

九条さんと光雲くんであった

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