第2話願いのオプションだって

「あん、?、神さまだって?なら言うこと聞いてよ、俺、勇者なんかやだ、こうなったのあんたのせいなんだから責任取れよ、俺に楽させる責任あるだろ。」嫌だ、働くなんて嫌だ、俺だって働いたことはある、でもどんだけひどい目にあったかまだ覚えてる。

「えらく強気だね君、自分の立場がわかっていない様だが何なら犬猫や虫に転生させても良いんだよ、せっかく勇者を選択肢にしてあげようと言うのに。」

「騙す気かこの神やろう、俺を勇者にするなんか、ゼッテーおかしいって分かるぞ、アンタにゃ勇者が必要なんだろうが俺は痛かったり苦しかったり死んだりなんかしたくないからな、嫌なら虫でも何でも転生させればば良いだろが、出来るもんならやって見ろよほら。」もうダメ人間でいい虫でもいい、ダメ元でハッタリを噛ませた。

神様は頭を掻いて何か考えだした、そして。

「まいったね、まさか人間に気付かれるとは思わなかったよ、とりあえず勇者には転生はさせるが、仕方が無いから君には特例で何でも能力オプションつけてあげる、勇者以外のでも自由に選んでいいよ。」

「い、いいのかじゃ、ちょっと考えさせてくれ。」随分とあっさり認めたので肩透かしを喰らった俺は考える時間が必要になった。

と言ってもこの部屋にはお茶しながら考えようにも何にも無い。

「おい神さま、飲み物食い物は出ないのかよ。」

「うむ、まあ希望するなら出せることは出せるが、君は今不存在と存在の中間にいる、この部屋の中では飲食どころか触ることも出来ないが出そうか?。」

目の前にあって手に取れないなんて、それは辛いだけだ最悪だ。

「いや、要らない。」

とにかくまずは自分の気持ちを、考えを整理しようか、これはゲームにフルダイブしたんじゃなくて現実だって言うなら、なら勇者の様にどれだけ強くても痛い、苦しい死ぬからは逃げられないのは嫌だ、だったらスキルはどんなダメージも受けないに全振りだ、どんな魔法攻撃も効かない、剣も武器も効かないでいいな、これで永久に安心だ、よしこれでいこう。

「説明面倒だ、神さま俺の考え読めるな。」

「ああ君の希望は了解した、ついでに一つ忠告しておくが目上のものとかに対する態度、言葉遣いは直したほうがいいと思うがね。」

俺は忠告を無視する、もう俺にダメージを与えるものはない、神様だろうと何だろうともう何も怖いものなんてない。

「希望のスキルは与えた、転生先で頭を冷やすがいい。」神様の声が遠ざかる。

あれ、今まで神様と話をしていたのに顔も姿思い出せない声も?光の渦に巻き込まれて収束している感じがした。

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