第11話「カーテンコール②……大学生組」

「お疲れ様〜。ここでは仲良くしようね」

 今までの事を振り返り、暁美は私と芽衣を笑顔で収める。

「別に、本気の喧嘩なんて、しないし」

 ムッとして私は言うが、暁美は分かってるよと微笑む。

「二人は愛し合ってるんだもんね。うんうん、やっぱり愛し合うのはいいね」

 暁美は笑って言うが、私はふと芽衣の方を見る。すると、やけに冷ややかな目線が私を捉えていた。

「そう、愛し合っていれば蔑ろにして他の人と親しくしても許し合うべきなのね。どうぞごゆっくり」

 ああ、ヤキモチとはこういう物かと、私は前向きなため息をつく。なんと、可愛い事だろう。

「ね、可愛いでしょ?」

「確かに。最高に可愛い」

 私達が二人して笑っていると、芽衣は余計にムッとしてしまう。

「はいはい、もういいから、カーテンコールにするわよ」

 そう言って一足早く列を作ろうとする芽衣は、やはり少し照れくさそうで、どこかソワソワしていた。

「私達の物語は終わり、後日譚を含めてもいよいよ残り一週間となりました」

 名残惜しさを心に秘めながら、暁美は爽やかな笑みをたたえて言う。

「私達の話はそれでおしまいとなってしまいますが、また、新たな物語が皆様を再び釘付けにすることでしょう」

 芽衣は自信と期待に胸を張って言う。

「その時はどうか新たな物語を、暖かい目で見守っていただけましたら幸いです」

 私達が、誰かを喜ばせられたなら、次の子達にも……なんて、先輩風を吹かせながら私も続く。

「どうか、次の役者にも、暖かな祝福がありますように」

 3人で声を揃え、心からの願いを込めた言葉を次へと伝える。

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